北根室ランチウェイ(71.4km)・2泊3日踏破   単独 14,9,8〜10

中標津町から弟子屈町までの71.4kmのロングトレイルを2泊3日で踏破

 「北根室ランチウェイ」のランチは大牧場の意味で、大規模酪農地帯、根釧原野を貫く道をイメージして名付けられたロングトレイルである。コースは、中標津バスセンター〜開陽台〜レストラン牧舎〜養老牛温泉〜西別岳山小屋〜摩周湖第一展望台〜JR美留和駅の71.4kmの道のりである。宿泊はシュラフ持参だが、1泊目は佐伯農場(レストラン牧舎)、2泊目は西別岳山小屋の予定だ。

 これまでに歩いたフットパスは、既存の車道を利用したものが多かった。しかし、ここは、舗装車道はごく一部で、農道、林道、牧場や牧草地の作業道(1)、このために開削した道など、撤退した自然道にこだわった変化に富んだルートで実に楽しかった。山中の道は丁寧な刈り払い整備が行き届いているのにも感動。

 1・2日目は、牧場や牧草地の中や、それらを見ながらの歩きが多く、3日目は西別岳〜摩周岳(カムイヌプリ)の登山道や摩周湖畔からの森林管理歩道や林道の歩きだった。

 公式ホームページのルート地図を印刷して持参し、それを参考に歩いた。ゴール後、JR美留和駅から列車に乗り、標茶でバスに乗り換えると、その日のうちにスタート地点の中標津バスセンターまで戻ることができた。

公式ホームページは右記をクリック→ 北根室ランチウェイ

<1日目>ステージ1(中標津バスセンター〜開陽台<14.8km>)・ステージ2(開陽台〜レストラン牧舎<10.1km>) 
 
登山地点
 
 8:00
 8:50
12:00
<ステージ1>
中標津バスセンター
中標津空港
開陽台

12:50
15:45
<ステージ2>
開陽台
レストラン牧舎
[7:45]総所要時間

ステージ1/2のルート地図

 ○まずは、ステージ1の開陽台を目指す

 3日間の天気予報はパッとしないが、雨の中の歩きでも良いと決行することにした。朝に、今日の宿泊先となる佐伯農場に予約電話を入れる。

 中標津バスセンターの横にある起点の標識をスタート(2)。市街地の大通りを進み、中標津大橋を渡る(3)

 ここまでの市街地の道に標識は目にしなかったこともあり、地図をよく見ないで、中標津空港までのルートを間違って、車道をそのまま進んでしまった。

 3日目に戻った翌朝に、中標津大橋から中標津空港までの正規のルートを
歩きなおした。


 役場手前の交差点に左折の標識があった。そこから少しの間車道を歩き、明治初期の拓殖軌道跡の道を進む(4)途中から緑が丘森林公園の中の遊歩道を抜け、さらに道立ゆめの森公園の中のパークゴルフ場の中に道は続いていた。その先が中標津空港だった(5) 空港でトイレを借りて、再スタート。


 空港からの車道を出た交差点に、その車道を横切って、桜井牧場の方へ進む標識を見つける(6)この後、分岐や途中に標識が細やかに設置されていて、迷うことはなかった。ここから桜井牧場の青いサイロを見ながらの農道の歩きとなる(7)

○標識のいろいろ(この後、実に多彩な標識があちこちに設置されていた)

牧場の入口には「ランニング禁止」、抜けた所には「ランニングOK」も標識もある。トレイルランをする人や大会も開かれているようだ。
なお、KIRAWAYは、北根室のKIとランチのRAを合わせているようだ。


 桜井農場の農道を抜けると、広葉樹林の回廊へと入って行く。カラマツの格子状防風林を楽しみながら歩く(8)。この辺りから雨が降って来たので、カッパを着た。
 防風林の中を抜けて、ちょとの間舗装道路を歩き、左折して6.5kmをほぼ一直線に開陽台へ真っすぐ向かう26号線の砂利道を進む(9)
 やがて、ステージ1のゴールの開陽台展望台が見えてくるが、車道を進むのではなく、林道へ入って行き、このランチウェイのために開削したと思われる歩道を登って開陽台展望台へ到着した。


 何度か来たこともあり、車中泊もしたことのある開陽台だが、雨が再び降って来たので、展望台の中ですっきりしない展望を楽しみながら(10,11)雨宿りと昼食タイムで50分ほど休憩した。

○ステージ2のゴール・今日の宿舎の佐伯農場(レストラン牧舎)まで


 開陽台からは、まず町営牧場の中の遊歩道の中を抜ける。その入口に小さな小屋が建っている。中には靴底の消毒剤の入った箱が置いてあった。そこで靴底を消毒して進む(12)
 町営牧場を抜けて、右手に町営牧場を見ながら牧柵沿いのアップダウンのきつい山道を進む(13)。 牧場の境界となっている川を横切るところには必ずと言っていいほどクマ避けの鐘が設置されている(14)


 やがて、牧場や牧草地を眺めながらの直線の砂利道の農道を進む(15)。松岡牧場の中へと入って行く。道は防風林の中に続いている。そこで、反対側から歩いてくる同年代の男性とすれ違う。このランチウェイを歩いている人と出会ったのは最初で最後だった(16)
 
 松岡牧場の先から今日のゴールまでは、ずっと牧場と牧草地の中を通過する。牧柵を通過する箇所には「マンパス」という設備がいろいろ工夫されていて面白かった。
 ○マンパスのいろいろ


 川を越える地点には板が渡されているところが多い(17)その前後の道はこのランチウェイのために開削された道が多かった。
 沖牧場の中へ入って行くが、牛が寝そべっている。道の足元には牛糞があちこちに落ちているので、ボヤっとしたり景色に見とれて歩いていると、踏みそうになるので注意して歩いた(18)。 


 15:45、今日の宿泊先となる佐伯農場へ到着(19)ここはこのランチウェイの事務局で、ここのご主人・佐伯雅視氏が中心となってこのランチウェイが造られ、整備を続けている。
 与えられた宿泊棟は、牧草運搬車を改造したバンガローだった。佐伯農場のHPを見ていて、できればこれに泊りたいと思っていたので、うれしかった(20)
 別棟にきれいなトイレやシャワールームや自由に使えるキッチンもあり、宿泊代はランチウェイの整備のための寄付金として2000円だった。


 バンガローの中は5名ほど泊れる広さがあり、非常に快適だった(21)。夕食は、敷地内にあるレストラン牧舎で摂ることができた(22)。生ビールとパンセットで1日目の打ち上げとした(23)
 敷地の中には荒川版画美術館や

 部屋の中でくつろいでいたら、このランチウェイの作製者のご主人が挨拶に来てくれた。「スコトットランドに行ったことがあり、その雰囲気のトレイルを作りたかった。本州からの人は多いが、北海道の人がすくないのが残念です。」とのこと。 シェルパ斎藤も歩いて、Be-palでも紹介されているそうだ。また、田部井淳子さんも歩かれているとのこと。
 確かに本州では認知度が高いようだが、道内ではあまり話題にも上らない感がある。北海道の良さが味わえる素晴らしいロングトレイルなのに非常に残念だ。ご主人も話されていたが、もっとマスコミが取り上げてほしいと思う。この拙サイトが、少しでも役に立てれば幸いである。

2日目へつづく  


 
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