山の装備こもごも
 改訂版
〜2011年6月現在の山道具を中心に、過去の物への想いも〜

○一番心強い相棒としてのホテルも兼ねる我が愛車

 山の装備に「車」・・・? 一人歩きで、しかも、北海道の南端から広い北海道の山々を巡り、さらには、[日本三百名山」巡りで日本中を駆け回るには、必要不可欠の装備である。
 99年以前は、セダンの乗用車だった。それ以降10年間は、初のオートマのRV車・ホンダCR−Vだった。いつも腹をこすっての林道走りから解放され、オートマなのと運転席が高いので長距離運転の疲れが少ないのと、車中泊が楽になったことであった。それも、10年で27万kmを越えて廃車になった。
 現在は、09年に車中泊と徹底したアウトドア仕様が気に入って購入した日産のXーTRAILだ。これで「どこでもホテル」を満喫している。
 
○靴の類

登山靴
 2011年現在の登山靴は5代目で、縫い目のないタイプのものを愛用している。このほかにトレイルランシューズやミドルカットの軽登山靴など、その状況で使い分けている。

スパイク長靴
 残雪期や融雪期の泥んこ道、雨上がり、簡単な山、簡単な沢ルートや藪漕ぎ登山では、釣用の裏側が全面イボとスパイクでできている長靴を履くことが多く、最近は登山靴より多く利用していて、1年に一足は履き潰している。ただ、難点は蒸れることとである。
 詳しくは下記を!
 「我が愛用のスパイク長靴考」(2011,6,15記述)

・プラブーツスカルパ)
残雪期のツボ足やカンジキ登山のときに主に使用しているが、最近は、山スキー登山にも使用している。ただし、浅くて柔らかいので、攻めの滑りや滑りを楽しむときには非常に不安定で不適である。

兼用靴スカルパ・デナリ)
 山スキー用の歩きと滑りを兼ねた靴であるが、これは、滑り重視のスキー靴に近い硬くて深いタイプで、歩きにはあまり向かない。厳冬期中心で、残雪期はツボで歩かなくて済むときや滑りを楽しむとき、攻めの滑りをするときに使用している。

○沢歩きの道具


・渓流シューズほか
 以前は、沢歩きにはスパイク地下足袋を使用してきたが、2年続けて親指の爪を剥がしてしまったので、5年前に渓流シューズに買い換えた。
 また、スパッツとソックスは水の冷たいときにはネオプレーンの渓流専用のもの(写真の青色)、夏の暑いときは地下足袋用の脚絆と普通のソックスを使っている。
・ヘルメット
 5年前に沢登り用にとヘルメットも用意した。このヘルメット、意外に藪漕ぎの木々の枝対策にも結構重宝である。

・懸垂下降用具
 だんだん登山道のないマイナーな山が多くなり、いざというときのためにと仲間から勧められて一式購入する。3度ほどしか使った経験がなく、懸垂下降時の使い方を忘れてしまった。

ノンスリップ携帯靴
 沢登りは、源頭からの藪漕ぎが付きものである。渓流シューズの底に着ける「大同ノンスリップ携帯靴」を借りて藪尾根下りに使用してみたが、全然滑らなくてなかなかの優れものだった。帰ってきてすぐに東京の釣り具店・上州屋から取り寄せた。沢登りに続く藪漕ぎには重宝している。

○リュック
 初めの1年は、若い頃購入した古いアタックザックを使用していたが、これも裂けてしまい、次に18リッターのデイパックと、山中泊用に50リッターのものを購入する。しかし、それらも小さくてすぐに買い換えて、最近は、下記の2つがメインである。
25ットル
日帰りには、MILLETのこのザックが一番の相棒である。もう、10年以上も使っているが、まだ十分健在である。
65〜70リットル
以前は、50リトルの秀岳荘ザックが山中泊用であったが、2泊以上となると小さくて、3年前に大きな物を購入する。これまでの50リットルは日帰りの装備が多いときに使うことにする。
 
○山の領域と楽しみを広げてくれた山スキー
 遭難のイメージが付きまとう冬山は絶対しないと決めて始めた山であった。しかし、インターネットを始めていろいろな情報を得ているうちに、夏道のない山への憧憬やゲレンデスキーへの飽きもあり、スキー技術を生かせる「日帰りだけの冬山」へ足を踏み入れることになった。
 
 初めは、ゲレンデスキーをそのまま使えるセキュラフィックスという用具とシールを買い、「山スキーもどき」を始めた。しかし、スキー靴が重くいこと、長い登行で靴擦れを生じること、さらにスキーが長くて重いことなどが難点であった。そこで、板が短いカービングスキー主体となったことなどから、わずか1シーズンで、2000年3月に、ゲレンデ用のカービングスキー(174cm)とビンディング(フリッチ・ディアミール)、滑り主体の兼用靴(スカルパ・デナリ)を購入し、本格的な山スキーデビューとなった。その後、高かったが非常に軽いのに切れの良いHAGANのチタン製の山スキーを購入したが、わずか1年で自分の車で踏んづけて曲げてしまった。同じものを探したがなくて、現在のFISCHERの山スキー(170cm)で3代目である。

ストックは、厳冬期にはリングの大きな、繋げばゾンデ棒にもなるタイプのカーボン製のもの、春山はゲレンデ用の軽いカーボンのものを使い分けている。なお、夏山登山にはストックを使うことはない。

○服装
 基本的には、一人歩きゆえに、他人の目を気にすることがないために、あまり拘らない方である。札幌へ行く度に、秀岳荘へ寄るが、「どうして山の衣類はこんなに高いのだろう」と思い、買いそびれることが多かった。初めのうちは、普通のTシャツやトレーナー、ジャージや作業ズボンで間に合わせていたが、少しずつではあるが、下着も含めて、速乾性のもので安いものを見つけたときに買うようにして、今では、ほとんど山専用の物になりつつある。ただし、最近はユニクロ製品が増えてきている。

山スキーや残雪期用には、ゴアテックスの薄手のヤッケと10数年前に勝ってあまり使っていなかった薄手のスキーズボンを重宝している。

フリースセーターは最初から用意したが、まだ出始めのころで、今に比べて非常に高かった。今はユニクロの1980円のもので間に合わせている。 手袋は、夏は軍手オンリーである。早春や残雪期はフリースやスキー用の手袋を使っている。

帽子はランニング用のメッシュのものがメインであるが、登りは、汗止めを兼ねたバンダナやタオルが多い。

雨具は、初めから高かったがゴアテックスの上下を買った。これも、長い間使っているとゴアテックスが劣化して防水機能が効かなくなる。現在は4代目である。

ダウンインナージャケットは、冬期間だけでなく、非常用も兼ねて常に持ち歩いて、寒いときに着るようにしている。

○その他

・GPS
 だんだん、登山道のない藪山や雪山が多くなってきたことや一人歩きが多いこともあり、メカ音痴の自分であるが、メカに頼ろうと、2002年の秋に、「GAMIN venture 日本語版」を購入する。カシミール3Dと連動させて、登山道のない山や雪山の最高の同行者になっている。しかし、基本は読図力である。常に地図を持参して合わせて使用している。これは、右肩ベルトの付け根に上を向くように付けたケースに入れて持ち歩く。

・デジカメ
 最近はずっとオリンパスのコンパクトデジカメを愛用し、現在のもので3台目。すぐに取り出しやすくするためにリュックの左肩ベルトに括り付けたケースに入れて持ち歩く。手帳のメモ代わりにデジカメで写してその時刻や印象を利用することが多い。

・テント
 一人用のテントだけで、現在のは2代目である。同行者がいる場合は、お互いに単独装備でを条件としている。以前は登山口でも利用したが、最近は車中泊ばかりで、山中泊のみの使用となっている。北海道の山には少ない避難小屋や山小屋は、周りの賑やかさが煩わしいのと孤立感がいやで、利用したのは「幌尻山荘」と「羊蹄山避難小屋」と「剣小屋」のみである。日高の伏美岳避難小屋は誰もいなく、広く暗い建物の中に一人ではかえって怖い感じで、満天の星空の下にテントを張って寝たこともある。

・寝袋
真夏用、3シーズン用、真冬用(−17度まで)の3つを使い分けている。これは、山中泊より車中泊に使うことがずっと多い。

・スパッツ
 これは、泥対策、朝露対策、残雪対策になくてはならない必需品であるが消耗品でもある。その点、長靴を履くと不必要になる。ゴアテックスのロングスパッツを使用しているが、これまでに4足程買い換えている。ファスナーの壊れがほとんどである。

・熊よけ鈴とホイッスル
 熊対策はこの2つである。熊鈴は木の枝に引っかけて落とすことが多く、現在のは4代目である。済んだ音で音が大きいものを選んでいる。

・カンジキ、スコップ、ピッケル
 スコップは雪山すべてに、カンジキとピッケルは残雪期の山スキー以外の時に持参することが多い。

・ビーコン
 冬山にグループで入るときに自分だけ持たないのは失礼なので購入した。2度ほど講習を受けただけである。単独の時は用をなさないのでリュックに入れたままである。

○ウエストバック
 この中には、記録用の手帳、筆記用具、ホイッスル、虫刺され用の薬、キャンディ、地図、磁石、携帯電話などを入れて持参している。

○食糧など
 ほとんど日帰り登山のために、昼食は、コンビニのおにぎりや菓子パン、ソーセージなどで済ませることが多い。また、ガスを持参してのカップ麺やインスタントラーメンは、汗を掻いたあとの水分と塩分補給になることや寒いときに体が暖まるメリットがある。また、コーヒーやレモンティ、ポタージュスープの類いも持参することが多い。
 山中泊でも、食材を持参して調理するようなことはない。もっぱらインスタント物、レトルト物、フリーズドライ物、行動食としてのパン類が多い。一人では調理自体に空しさが漂うような気がする。春のギョウジャニンニク入りラ−メンは絶品。
 バナナは喉の通りが良く、栄養やカロリー補給の速効品で、普段は食べないのに山には持参することが多い。ただ、重いのと何か硬い入れ物に入れないと潰れるのが難である。あと、水分の多いトマトが好きで持つことが多い。意外と水分が多く軽くておいしいのがパプリカである。

 必需品は水分である。いろいろ試したが、スポーツドリンクが一番である。売っているのは甘すぎて、粉末で薄く作って持つことが多い。ただの水はすぐに喉が渇くので、湧水を見つけたときに飲むくらいである。



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