8:10 音更発
10:10 あいおい道の駅
10:20 ホロカマハシリ川沿いの林道へ
登山 | 地点 | 下山 |
11:05
11:12
11:17
11:25
11:40
12:10 |
登山口(920m)
阿幌分岐
林道跡終点
木禽岳
阿幌分岐
阿幌岳 |
12:45
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12:40
12:15 |
[1:05] | 所要時間 | [0:30] |
13:50 津別市街地(昼食)
16:00 足寄温泉(入浴)
17:40 音更着
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阿寒湖の外輪山である木禽岳(ききんだけ)、この山名を初めて目にしたのは
道新スポーツの「ふるさとの山めぐり」であった。このシリーズでは比較的低山が多い中で1000m弱は魅力であった。しかも、津別町相生地区からホロカマハシリ川沿いの林道を利用すれば頂上の直ぐ下まで車で入れるとのことである。簡単に登頂できるのであれば、藪漕ぎでも隣の阿幌岳とセットで登ろうと、5月末に雄阿寒岳と雌阿寒岳を再訪した帰りに林道を入ってみたが、残雪が多く途中で撤退する。
山名はこの山の北側にポンキキン川、オンネキキン川、メナシュキキン川が流れているので、それらの水源にあることから付けられた名前でもあろうか? かつては津別岱(たい)とか、かつて樹木が無かったので坊主山とも呼ばれていたらしいが、アイヌ語では、キキンルーチシヌプリ(ナナカマドが鞍部にある山)だという。この場合は、ひょっとすれば山の名前が先で、そこを源とする3つの川名が後で付けられたのかも知れない?なお、阿幌岳の山名の由来は不明であるが、冬山の記録はリンク仲間の今年から斜里岳の清岳荘の管理人となった北見山岳会の熊ぷ〜さんの
「山の旅人」にアップされている。
津別町は林業の町のせいか、この林道もかなり利用されているようである。特に迷うような分岐もなく、「木禽岳11km↑」を頼りに進んでいくと、9.5km附近の大きくカーブする地点に古い林道跡との分岐があり、そこが登山口らしい。しかし、距離が合わないので、もっと先へ進むと下り始めるので、Uターンしてその地点へ戻る。
そこはすでに920m地点で、車も数台停められるようなスペースもあり、「入林するみなさんへ」と書かれた古い看板や笹薮に隠れてもう使われていない黄色い鉄製の入林届けボックスもあるので(1)、ここが間違いなく登山口であろうと確信し、準備をする。また、そこにはすでに撤去されているらしいが「木禽岳高地雨量観測所」と書かれた白い杭とその残骸がある。
地形図にも載っている古いの林道跡に入る。周囲はアカエゾマツ林で、林道跡は膝から腿丈ほどの笹で覆われているが、踏み跡はしっかりしていて(2)、数日前のものと思われる新しい靴跡もある。7分ほど進むと赤い鉄製の「鳥獣保護区」と書かれた看板が立っていて、その直ぐ後ろの笹薮の中に微かな踏み跡が認められる。GPSで確かめたら、ここが地図上にも記載されている阿幌岳へ分岐である。
そのまま直進すると左手に岩が崩れたような場所があり、右手に阿寒湖側の展望が広がる。雄阿寒岳の左側にハンケトーが覗き、阿寒湖を挟んだ
雌阿寒岳の手前に阿幌岳と思われるピークも見える(3)。林道の先には鉄製の古いゴミ箱が設置されている。道の真ん中に真っ赤な
オオタカネバラが一輪だけ咲いていて、マルバシモツケとチシマフウロが目に付く(4〜6)。
まもなく林道終点の草地に出る。そこが頂上のような錯覚に陥るが、あるはずの三角点も見当たらず、その先の林の方が明らかに高くなっている。その方向を見ると笹薮に微かな踏み跡が認められるので、そこへ踏み入っていく。
鬱蒼とした林の中の稜線の上にその微かな踏み跡は続く。物好きな者しか歩かないのではないかと思うような踏み跡である。GPSで確かめると、頂上地点は予想したよりかなり奥である。
登山口をスタートして20分、
ようやく一番高いところと思われるところに赤いテープがたくさんぶら下がった数本の測量用のポールが目に飛び込んでくる。二等三角点の標石もあるので、そこが頂上であるが、周りは全部林で遮られ展望はまったくない(7)。そのポールに「2004年6月27日 美幌 秀&明」と書かれたピンクのテープがぶら下がっている。わずか2日前の日曜日であり、新しい足跡は彼等のものであるらしい。
ゆっくりするような場所でもないので、直ぐに阿幌岳を目指して戻ることにする。登りで見つけて置いた分岐の踏み跡に踏み入っていく。
ここも古い林道跡らしく、踏み跡は結構しっかりしているので(8)、阿幌岳の方が多く登られているのだろうかと思いながら進んでいくと、分岐から15分ほどで、地図上には頂上の北側へ続いているように記載されたいるその林道跡の踏み跡は目指す稜線の南側へ外れていくようである。慌てて右側の斜面を登り、頂上へ繋がる稜線へ乗る。
この稜線には踏み跡は見当たらず、ときどき誰かが歩いたような痕跡程度のものが認められる。この稜線もアカエゾマツやダケカンバの林で先が見えないので(9)、膝丈ほどの笹薮を漕ぎながら、GPSの頂上地点を頼りに進んでいく。
やがて、その先に林から抜け、ダケカンバと灌木に覆われた頂上らしいところが見え、稜線も笹藪から草付き斜面に変わる(10)。
最後に今日一番の急登を登ると、分岐から30分で頂上に到着である。頂上を示す痕跡は一切ないが、頂上とその近くにははっきりとした踏み跡があるので、やはりここまで来る物好きな人はいるのであろう。ヒョウタンボクやコメツツジなどの灌木で覆われた狭い頂上からは、
樹林帯の向こうに阿寒湖とそれを挟んだ頂上付近を雲で覆われた雄阿寒岳と雌阿寒岳の展望が広がる(11)。反対側には津別方面の畑地も見える。木禽岳より展望も広がり、頂上感もそれなりに味わえる山である。
木禽岳は、頂上までの稜線上に微かな踏み跡が付いているし、頂上を示す三角点やテープの付いたポールがあるが、こちらの阿幌岳は途中から踏み跡もなくGPS頼りで進んできたので、このHPを見てくる人のために頂上の枯れたアカエゾマツの枝にピンクのテープを結びつけて(ゴミを残してきた罪悪感がないでもないが)下山する。
30分で登山口へ戻り、合計1時間40分の山旅は終わる。どちらの頂上もその近くまで行かなければそれとは分からず、きつい登りもなく、軽度な藪漕ぎの単なるピークハンターに終わったような感は否めない。
林道を下り、まだ通ったことのない津別市街地ヘ向かいそば屋で遅い昼食を摂る。その後、やはり通ったことのない陸別の市街地を通り、名寄温泉で汗を流し、音更に戻る。