毛無山(750m)(大野町)C  檜沢の滝・大石の沼コース    単独  05,6,02
残雪期の03,3,22の「毛無山」へ
晩秋の03,11,15の「毛無山」
05,10,30の「毛無山笹刈りボランティア」へ

天候のよさに誘われて、花と新緑を楽しみに、昨春に続いて4回目の再訪であったが、霞んで遠望が利かなかった。

8:00 自宅発
登山地点下山
8:40
9:05
9:40
10:10
10:35
登山口
桧沢の滝
大石の沼
稜線コル
頂 上
12:40
(旧道)
11:55
11:25
11:00
[1:55]所要時間[1:40]
13:20 しんわの湯(入浴)
14:30 帰宅

 4〜15歳までの少年時代を過ごした故郷大野町のこの山は、大野平野の北西に位置し(1)江戸時代、箱館と江差を結ぶ江差街道がそのピークを通っていて“毛無峠”と呼ばれていたという歴史的由緒のある山である。一昨年の秋に、「大野町の自然に親しむ会」が中心となって、それまで散策路があった桧沢の滝・大石の沼の先から頂上まで登山道を開削したばかりの山である。

  「毛無山」 (ケナシ山)という山は、同じ語源と思われる「木無山」も含めて北海道はもちろん東北地方にも非常に多い山名である。漢字で書くと、禿げ山のようなイメージを抱くが、まったく反対で、アイヌ語のケナシ「林野、木原の意」に由来し、この山もそうであるが、ほとんどの山は樹木に覆われた山である。

 大野町と江差町を結ぶ国道227号線を江差へ向かい、下二股橋を渡ると直ぐ右側に「二股岳登山口入口」の標識が立っている。その斜め向かい側に駐車場が用意されていて、その先に「桧沢の滝・大石の沼入口」の標識が立っている。そこが登山口である(2)

 久しぶりの天候のよさに誘われて、春の花と新緑を楽しむために再訪する。この山は、一昨年の残雪期に山スキーで、その晩秋には開削直後の登山道を、さらに昨春に続いてこれで4回目である。平日のせいか、駐車場には一台も車はなかった。大野川に架かる釣り橋を渡り(3)急な道を登り切り、トドマツの植林地を抜けると沢沿いの道となる。

 途中で、「檜沢の滝まで430m」と書かれた標識が設置されたところが旧道の分岐である。下山時にはそちらを利用することにして、そのまま進む。25分ほどで、新緑に包まれた檜沢の滝の下に到着する(4)いつ見ても涼味溢れる滑滝であるが、この滝は、平成6年に見つかった滝だそうで、この前後の登山道もその後に整備されたものである。それまでは旧道が使われていたようである。

 滝の左側に木の階段が設置された急な道が続く。このコースで最も急登部分である。どっと汗が噴き出る。登り切ると緩やかな道となるが、右手に「クマ」と赤いペンキで書かれたトドマツの幹を見つけ、よく見ると、3本ほどの幹にクマの古い爪痕が残っている(5)以前登ったときには、赤いペンキの表示もなかったので、気付かないで通過していたのであろう。

 旧道の上の分岐を越え、しばらくすると道は方向を変え、途中から二股岳が見える「展望台」という地点を通過する。1時間ほどで、静かなたたずまいの大石の沼のほとりへ到着する(6)この沼には、明治12年に水田の潅漑用水として利用しようと工事を始めたが、龍神の祟りが怖くて中止されたという伝説が残っている。沼の周りには周回散策路があり、時計と反対回りで通過する。

 その後は、沢の斜面をトラバースしながら、源頭を巻くように道が続く。ブナの新緑がきれいで、道端にはシラネアオイの群生が今を盛りと咲いている。やがて、大野町と上磯町の境界線となる稜線のコルへ向かって道は延びている。

 稜線コルから頂上まではその稜線を辿ることになるが、昔、山道として活用されていたと思われる幅広いジグを切る急な道を登り切ると北側の眺望が広がる。しかし、天候はいいのだが、霞んでいて遠望が利かないのが残念である。かろうじて近くの二股岳が見えるくらいである(7)

 稜線の両側に幹が曲がった苔むしたブナの間を通るところもある(8)その先から頂上までの緩やかな幅広の頂稜は、ブナ林で下の笹原の中に笹で覆われた踏み跡状態の道が続く。この4月に発刊された『夏山ガイド』の改訂版にも掲載されたので、ぜひ、刈り払いをして欲しい感じである。

 頂上に近づくと、木地挽山の奥に駒ヶ岳が、東側には大野平野やその後ろの横津連峰の眺望が広がるはずであるが(一昨年の写真)、木地挽山以外はやはり霞んでいて見えないのが残念である。しかし、うれしいことに、その付近に満開状態のタカネザクラを見つける(9)
 
やがて、4回目の頂上へ到着するが、昨春にはなかった頂上標識が建っていた(10)

 一昨年の晩秋に来たときにははっきりとしていたが、今は微かにその面影を残すだけのその先の狩り払い道を辿って、函館山が見えるところ(一昨年の写真)まで行ってみたが、やはり、霞んで見えなかった。天候がいいと見えるだけに残念であった。

 頂上まで戻って昼食にしようと思ったが、ハエが煩くて座ってもいられない。仕方なくスポーツドリンクを飲み、カロリーメイトを1本口にしただけで下山する。

 道端のウドを少しいただき、ブナの新緑や足下の花々を楽しみながら下山を続ける。下りは檜沢の滝の音を下に聞く旧道を辿るが、この道は昔から歩かれていた道らしく、非常に快適な道である。下の分岐でカメラを持った若い女性に出会う。

「道端に咲いていたたくさんの花々」のページへ


登山道笹刈りボランティア隊  6名 05,10,30
HYML(北海道の山ML)のToさんから呼びかけがあり、6名で登山道の笹刈りをしました。

左から、Sa女史@上磯、Taさん@函館、どさんこのりさん@上磯、
Waさん@函館山楽クラブ、声掛け人のToさん@函館、私

初夏(6/02)に登ったときには、頂稜の登山道を膝丈くらいの笹が覆っていて、少しは気になっていた。
しかし、夏になって、この山に登った多くの方から
「背丈を超えるほどの笹が登山道を覆っていて、とても歩ける状態ではない。」
「途中で引き返した人もいる」・・・などという情報をいただく。

9/18、気になって、刈り払い用の鎌を手に一人で出掛ける。
掻き分けないで済むくらいの幅で笹や草を刈りながら登っていく。
しかし、稜線コル下の標高600m付近からの登山道の痕跡すら見えない笹や草の密生状態に、
とても人力では無理・・・とギブアップして下山。

その後、10/25、
HYML(北海道の山メーリングリスト)に、函館のToさんから下記のような奇特なメールが流れる。
「10/23(日)に、勝手に笹刈り機を持ち込んで下から刈り上げたのですが、
人の背丈を越える笹の密生状態の頂稜部分が残っています。
どなたか、今度の10/30(日)手伝ってくれる方いらっしゃらないでしょうか。」

もちろん、気になっていたことだけに、二つ返事で応じた。
当日集合時刻に登山口に集まったのは6名。しかも、笹刈り機が3台。
頂上までのもっとも密度の濃い背丈を超える部分の500mほどを、3人が刈り払い、3人が笹を片付ける・・・。

笹刈り機を担いで登山口を出発

晩秋の檜沢の滝を眺めながら

先頭を進むToさん

私の後ろから仕上げ刈りをするどさんこのりさん

刈り払われた笹を除けるTaさんとWaざん

笹で覆われた頂上を刈り払うToさん

頂上で迎えたくれた可愛いエゾアカネズミ

頂上に設置されている旧宮内省御料局の標石
右側面に宮の文字と正面に「大字市渡村」の文字が・・・

きれいに復元した登山道をあとにする



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