9:00 自宅発
登山 | 地点 | 下山 |
9:35
9:55
10:20
11:00
11:25 |
登山口
桧沢の滝
大石の沼
稜線コル
頂 上 |
13:10
(旧道)
12:30
12:05
11:40 |
[1:50] | 所要時間 | [1:30] |
14:00 せせらぎ温泉(入浴)
15:30 帰宅
|
大野平野の北西に位置し(1)、4〜15歳までの少年時代を過ごした旧大野町(現北斗市)でいつも眺めていた山である。江戸時代、箱館と江差を結ぶ江差街道がそのピークを通っていて“毛無峠”とか“毛無山道”呼ばれていた歴史的由緒のある山でもある。
2003年の秋に、「大野町の自然に親しむ会」が中心となって、それまで散策路があった桧沢の滝・大石の沼の先から頂上まで登山道を開削して以来5年が経つ。今年になって、国土地理院の1/25000の地形図に登山道も記載された。
「毛無山」 (ケナシ山)という山は、道南に5山(北斗、函館、八雲、せたな、森)あり、全て登り終わったが、登山道のあるのはこの山だけ。同じ語源と思われる「木無山」や「気無山」も含めて北海道はもちろん東北地方にも多い山名である。漢字で書くと、禿げ山のようなイメージを抱くが、まったく反対で、アイヌ語のケナシ「林野、木原、灌木の生えるところの意)に由来し、この山もそうであるが、ほとんどの山は樹木に覆われた山である。
旧大野町と江差町を結ぶ国道227号線を江差へ向かい、下二股橋を渡ると左側に駐車スペースが用意されている。
その先に「桧沢の滝・大石の沼入口」の標識が立っている。そこが登山口である(2)。
天候のよさに誘われて、4月で道南の毛無山5山すべてを制覇したこともあり、その最初の山へ、春の花と新緑を楽しむために2年ぶりに再訪する。これで、2005年の登山道の笹刈りボランティア作業も含めて、5年間で8回目となる。
平日ではあったが、駐車場には2台の車があった。途中で下山してくる3人グループに逢ったが、その人たちの車だったらしい。
大野川に架かる釣り橋を渡り(3)、ジグを切る急な道を登り切り、トドマツの植林地を抜けると沢沿いの道となる。
途中で、「檜沢の滝まで430m」と書かれた標識が設置されたところが旧道の分岐である。下山時にはそちらを利用することにして、そのまま進む。20分ほどで、
新緑に包まれた檜沢の滝の下に到着する(4)。いつ見ても涼味溢れる滑滝であるが、この滝は、平成6年に見つかったそうで、この前後の登山道もその後に整備されたものである。それまでは旧道が使われていたようである。
滝の左側に木の階段が設置された急な道が続く。このコースで最も急登部分である。どっと汗が噴き出る。登り切ると緩やかな道となり、上の旧道分岐を過ぎた頃、
右手に「クマ」と赤いペンキで書かれたトドマツがある。よく見ると、3本ほどの幹にクマの古い爪痕が残っている(5)。
やがて、道は方向を変え、
途中から二股岳が見える「展望台」という地点を通過する(6)。45分ほどで、
新緑に包まれた静かなたたずまいの大石の沼のほとりへ到着する(7)。この沼には、
「明治12年に水田の潅漑用水として利用しようと工事を始めたが、龍神の祟りが怖くて中止された」という伝説が残っている。沼の周りには周回散策路があり、時計と反対回りで通過する。まだミズバショウが咲いていた。
その後は、沢の斜面をトラバースしながら、いくつもの源頭を巻くように変化のない長い道が続き、合併前の大野町と上磯町の境界線となる稜線のコルへ向かっている。この間、ブナの新緑がきれいで、
特に今年はなぜか春紅葉がきれいである。その向こうに駒ヶ岳が霞んで見えている(8)。
稜線コルから頂上まではブナ林の稜線を辿ることになるが、昔、山道として活用されていたと思われる幅広いジグを切る急な道を登り切ると北側の眺望が広がる。
稜線上の苔むしたブナは、下に比べて標高が高いせいか、まだ葉が開き始めたばかりである(9)。
頂上に近づくと、木地挽山の奥に駒ヶ岳が、東側には大野平野やその後ろの横津連峰の眺望が広がるが、霞んでいてよく見えないのが残念。
はっきりと見えるのは、国道227号線を挟んだ牧場の広がる木地挽山のみである(10)。やがて、頂上が見えてくる(10)。
頂上標識に迎えられて誰もいない頂上に到着(11)。別に急いだわけではないが、時間的にも、癌手術前と同じペースで登ることができた。体力的にはほぼ完全に元に戻ったようだ。頂上は、広く刈り払われて、北側の展望が広がるが、やや霞みがちである。
当初来るたびに探しては見つけられなかった三等三角点は、広く刈り払われた頂上の一段低いところに鎮座している(12)。
ゆっくりとしたかったが、小バエのような虫が煩くて落ち着かない。昼食を摂って、直ぐに下山。ウドを探しながら下ったが、まだ早いのか頭を出したばかりのものがわずか目に付くだけで、収穫ゼロ。
下りは、桧沢の滝へは下らずに、旧道を下る。ここは昔から歩き込まれた感じの快適な道で、ブナの小径木を主体とした新緑に包まれて気持ちがよく歩くことができる好きな道だ(13)。沢沿いの道に合流して、クレソンを少し収穫して登山口へ。
帰りは、久しぶりに北斗市営のせせらぎ温泉に入って帰宅。