通称・釜谷岳(681m)A〜桂岳(733.6m)B <北斗市/木古内町>
 亀川林道〜国有林境界歩道  2名  09,6,27
09,12,19の鴉沢林道〜395南尾根ルートからの「釜谷岳」
09.6,27の亀川林道コースからの「桂岳」A
02,9,14の茂辺地川・湯ノ沢林道コースからの「桂岳」@
国有林境界線の刈り払い道利用で周回を楽しんだ8時間近くのロングトレイル 

8:00 自宅発
9:00 亀川林道ゲート
登下山地点
 9:15
 9:35
12:15
12:50
13:05
14:25
15:25
16:45
林道ゲート
亀川境界線へ合流
640ピーク
釜谷岳着
(昼食タイム)
桂 岳
旧登山口
林道ゲート
[7:30]所要時間
17:50 帰宅

 この両山は函館平野の西側に二つ端正な形で並んで見える、北斗市と木古内町の境界線上に聳える山である(1)
 
 桂岳は、過去に湯の沢林道からと亀川林道から2度登っている。釜谷岳と呼ばれている681峰は、冬に一度登っている。しかし、亀川林道からの登山道は、ここ数年林道途中の大規模な山崩れで、ゲートが閉ざされ、登山口まで車で入れなくなっている。

 今回は、そのゲートを起点としたTaoさんと龍さんの国有林の境界線歩道を利用した「通称・釜谷岳(681峰)〜桂岳周回縦走」の計画に便乗させていただいた。

 ゲート前に車を停めて準備していると、先着の札幌ナンバーの車の男性が、そこから林道を歩いて桂岳へ登ると言う。新幹線工事の関係でこちらに長期出張中のとのこと。

○亀川境界線歩道から釜谷岳を目指す

 ゲートから林道を少し戻って、古い林道跡へ取り付く(2↓)もう少し先の亀川境界線歩道の入口部分はとても急なためにこちらから少し登って合流するとのこと。

  途中で少し薮を漕いで、尾根の上に続く亀川境界線歩道に合流した。一級国道並みの立派な道が現れてびっくり(3)営林署OBのTaoさんによると、昔の宮内庁で管理していた御料林と呼ばれていた林の境界線は防火帯の働きもしていたので、このような立派な歩道が多いとのこと。その証拠に、「宮」の字を○で囲んで刻まれた、赤いペンキで塗られた御影石の標石がずっと並んでいる(4)


 まもなく、柔らかな新緑が周りを染め上げているブナ林へと入って行く。非常に快適な散策コースである(5)
やがて、その道は尾根から外れて、右へ下って、そちらの尾根へと続いている。再び快適な尾根道となる。
ずっと1時間以上もブナ林の中の状態が続く。その美しさに感動しながらのんびりと進む(6)。 


 やがて、新緑の向こうに目指す釜谷岳が見えてくる(7)。まだかなり遠そうだ。道の中のあちこちに可愛いブナの1年生が顔を出している。昨年はここ数年で最も豊作だったそうだ(8)
 アップダウンの激しい道を2時間以上を費やして、383ピークを越える。下って行くと、右側から大釜谷川沿いの林道が上がってきて終点となっている。
 その先には「釜谷山境界線歩道」という標識があった。 ここから突然、道が狭くなり、整備も雑になり、草で覆われ始める。


 やがて、地図からも予想はできたが、400m〜550mの急登が続く。歩道とは言え、基本的には境界線を示す張り払い道で、登る人のことを考えた登山道ではない。 容赦のない急登をあえぎあえぎ、這うようにして登る。この間の登りが、このコースの核心部だった。昨日8時間も歩いている身には本当に辛かった(9)
 斜度が緩むと640.1ピークへ向かっての稜線歩きとなる(10) 


 左からの尾根が合流するが、ここは5年前に冬に登ってきた尾根で、そこから釜谷岳までは一度歩いた道である。その時もここには道があったことを覚えている。 南側には、美しい新緑で覆われた山肌の向こうに当別丸山が見えている(11)
 休憩した640ピークは、以前小等三角点があり、その点名が「釜谷山」となっていたが、現在の国土地理院の基準点サービス閲覧からはなくなっていた。 目の前の吊り尾根越しに見える釜谷岳はもうすぐである(12)


 釜谷岳への吊尾根から左側に、桂岳の反射板ピークも見えてくる(13)
 12:50、3時間35分を要して、ようやく到着した釜谷岳頂上は密度の濃い笹藪が粗刈りされただけのところだった(14)
 しかし、すぐ先の桂岳へ向かう境界線歩道は打って変わって快適な道となっている。山頂直下の道端に座り、昼食タイムとする。

○稜線上の快適な歩道を繋いで桂岳へ


 腹ごしらえを終えて、元気を取り戻す。あとは桂岳までの快適な稜線歩きである(15)ただし、標高差150mほどの最低コルまで下り、再び登り返さなくてはならない。 右手に桂岳が見えている(16)
 この稜線上の最高点の662ポコは、古い地図には「鴉岳」と記されていたとのこと。鴉川の上流に位置することがゆらいだったのだろう。 そこから最低コルまでの下りは、反対側から登るのは勘弁してほしいほどのすごい斜度である。


 最低コルを越えると、送電線の下に到着。ここが桂岳登山道との合流地点である。ここから桂岳までの道も国有林境界線歩道を利用した登山道である。
 反射板ピークまでがんばって一気に登る。実は、桂岳の頂上はこの奥にある(17)。 ここまでもシラネアオイの群生はあちこちにあったが、反射板ピーク下のものが最大だった(18)

反射板ピークから、越えて来た釜谷岳とその下の640ピークを振り返る(19)
龍さんはここが桂岳の頂上だと思っていたようだし、Taoさんもまだ三角点の設置された頂上は踏んでいないとのこと。
目指す頂上は、その奥の小さなピークである(20)5年前に来た時は道がはっきりしなくて、かすかな粗刈りの薮を漕いで登頂したが、今回はきれいな刈り払い道ができていた。


 14:20、ようやく桂岳に到着。5年前になかった頂上標識まで設置されていて驚いた。自分は2度目だが、龍さんとTaoさんは初めてだそうで、非常に喜んでくれた(21)
 頂上からは春霞みで遠望が利かないが、南東方向には函館山や横津連峰が微かに見えている(22)
 あとは、5年前に往復した登山道を下るだけであるが、今回は3km近い林道歩きが残っている。


 ゲートの1kmほど手前の山崩れ現場に到着。車は通れるように回復してはいたが、川も堰き止められたようで、これほど大規模な山崩れは初めて目にした(23,24)
 16:45、7時間半のロングトレイルが終了。計画したTaoさんも龍さんも、「こんなにきつく長いコースになるとは思っていなかった」とのことだが、昨日の大千軒の8時間と2日間連続になった自分は、珍しく「疲れた〜!」と思った。
 18:00ごろの帰宅になったが、途中で採ったタラの芽とウドの天ぷらとビールが美味かった・・・。

目についた主な花々・・・一番多く目についたのはシラネアオイとミヤマスミレだが、これらのほかにキクザキイチゲ、カタクリ、ニリンソウなど

サンカヨウ

キバナノイカリソウ

ミドリニリンソウ

  


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