カスベ岳(1050m)〜メップ岳(1147m) (狩場山塊)
  吊り尾根ルート  単独  01.4.8(日)
狩場山に登ると南側に聳える頂上部分の形がよく、気になっていたカスベ岳と吊り尾根伝いのメップ岳へのスキー登山

3:40 函館発
登山地点下山
6:20
7:00
8:30
9:05
9:20
10:50
除雪最終地点
尾根取り付き地点
吊り尾根合流地点
カスベ岳
吊り尾根合流地点
メップ岳
12:25
12:05
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11:40
11:15
[4:30]所要時間[1:10]
狩場山に登ると、南側に聳える頂上部分の形が良くていつも気になっていたカスベ岳とその吊り尾根伝いに聳えるメップ岳は、夏道のない山まである。「北海道の山と谷」に道南で唯一積雪期ルートのみ紹介されている貴重な山でもある。毎年部員を連れて登っているという檜山北校の山岳部顧問のKuさん(スキー指導員仲間で、4月から愛別高校教頭)から電話で「春休みが一番いい時期ですよ。」情報をいただいていた2年越しの山である。

 単独行で、しかもあまり人の入らないであろう山でもあり、連日、道南のあちこちで冬眠あけの熊目撃情報や射殺情報が新聞に掲載されていて、熊の巣のような狩場山塊に入ってゆくのは怖かったが、天候にも恵まれ、今年最後のチャンスである。意を決して決行する。
左の白い峰がカスベ岳、右の白い一番高いピークがメップ岳(吊り尾根は見えない)
 前夜の歓迎会を一次会で失礼し、3時40分に家を出る。渡島地方は海洋性のガスで被われ、ジリ雨まで降っている。八雲から今金に抜けると、目指す山々はくっきりとした姿で迎えカスベ岳頂上を望むてくれた(1)(2)。心躍るも、北檜山町の利別目名川沿いの林道がどこまで入れるか気になるところである。すでに林道の整備工事が始まっていて、舗装が切れてさらに1kmほど奧まで夏道状態であった。さらに、その奧へも大雑把な除雪がされていたのでて少し車で進んでみたが、帰りは雪が溶けて埋まる心配もあり、戻って、そこからスタートすることにした。尾根取り付き地点のカスベ沢合流地点まで1.5kmほどの地点である。
メップ岳頂上を表面に眺めながら林道の脇をスキーで進む
 このルートは、カスベ沢川合流地点(名水橋)の右側から、両方の山を結ぶ吊り尾根に合流する尾根を登り、そこから両方の山にピストンするルートである。

 6:20 除雪最終地点をスタート。大雑把に除雪されている林道の右横を、表面にメップ岳を眺めながら、スキーで進む。(3)古いスキーとツボ足の微かなトレースがあり心強い。尾根に取り付きまでのこの林道の方が冬眠あけの熊との遭遇の危険性は高そうである。時々ホイッスルを吹きながら進む。30分ほどで、尾根取り付き地点と思われるところへ着いたが、スキーのトレースが二つに分かれている。念のために、少し林道をそのまま奧まで進んでみるが、その先にはそれらしい尾根が見えないので戻る。カスベ沢川と思われる先には、カスベ岳の頂上が見える。ここに間違いない。

吊り尾根に繋がる尾根からカスベ岳を望むダケカンバの疎林の尾根を登る吊り尾根へ繋がる尾根から右側に見えるメップ岳
 7:00 尾根取り付き地点(名水橋)から、カスベ沢川の左岸をちょっと進んで、古いスキーのトレースを参考にしながら、右側の急なトドマツ林をジグを切って稜線に乗る。快適なブナの疎林帯の帰りの滑降も楽しめそうな尾根を登る(5)。右側にメップ岳(4)、左側にカスベ岳(6)を眺めながらのルートである。野鳥の鳴き声、ドラミンゴ、沢の音以外何も聞こえない静かな尾根登りである。
吊り尾根合流地点からカスベ岳頂上を望む
 8:30 1時間30分の尾根登りの末、ようやく吊り尾根に到着。目の前に狩場山がどっしりとその雄大な姿を見せている。そこにリュックをデポし、空身で、まず近い方のカスベ岳を目指す(6)。頂上近くはかなりの急斜面で、手前のピークの下には大きな口が開いていてそこを回り込むように右側の急斜面をジグを切って登る。

 9:05 カスベ岳頂上へ到着。狩場山、大平山(7)はくっきり、南側の遊楽部岳は雲海の上に・・・(8)。なんと携帯が使える。早速自宅へ電話。シールを外して滑降スタート。まだ雪もそれほど緩んでいなくて、急斜面に気持ちの良いシュプールを刻み、あっという間にリュックデポ地点へ。
カスベ岳頂上からの大平山
 9:20 吊り尾根との合流地点で、簡単な朝食を摂りながら、しばし10分ほど休憩し、メップ岳を目指し出発(9)。最低コル(700m)まで、滑り降りて、シールをつける。そこから標高差450mの吊り尾根を辿り、最後はかなりの急斜面の登りである。まず、雪庇の発達した細い吊り尾根を登る。だんだん疲れが出てきて、50mくらい進んでは一息入れというペースで進む。頂上直下はかなりの急斜面でジグを切って登る。
雲海の上に連なる遊楽部岳
 10:50 吊り尾根の合流地点から1時間30分、ついにメップ岳頂上狩場山はカスベ岳からよりその雄大さが際だって見えるような気がする(10)。遠くには積丹半島の白い山並みが見えるが、それ以外の遠望は黒っぽい雲の下で何も見えない。早速、ラーメンをつくる。ウインナー一袋8個も入れたのは、やや多すぎて飽きてしまった。浜益岳に登っているはずのKaさんへ携帯電話を入れると、「天候が悪くて800m付近で諦めた」とのことで、すでに下山後であった。
カスベ岳頂上からこれから進む吊り尾根とメップ岳を望む
 11:15 いよいよ下山である。シール外して頂上直下の急斜面に気持ちよいターンを刻むが、その後は、だんだん雪が腐って来たのと、登りの疲れで思うようなターンができない。あっという間に最低コルまで下り、その後はスキーを担いで、ツボ足で尾根の合流地点まで登る。
メップ岳頂上からの狩場山
 11:40 吊り尾根からカスベ沢合流地点への尾根を下るが、雪が腐っていて、登りで楽しみにしていた疎林尾根の滑りも思うようにできず、ただ滑り降りたという感じで下る。最後のトドマツ林の急斜面に手こずるが、登りで1時間30分も掛かったところを25分で下りてしまう。、

 12:05 尾根取り付き地点(名水橋)から、のんびり歩くスキー状態で、車のデポ地点まで下り、6時間強の山旅を無事終えて、12:25、ゴールイン

 その後、今金温泉「あったからんど」で入浴(360円シャンプー石鹸なし)、強塩泉で体が浮く感じの温泉である。さらに2時間余車を走らせて無事帰宅。

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