双珠別岳(山岳界の通称)(1389m)〜狩振岳(1323.4m)  <電波塔道路コース>  単独  05,05,03

5/3、オダッシュ山から眺めた2つのピークに、日勝峠下の8合目付近の電波塔道路から取り付き、国境稜線上をピストンする。

5:00 日高道の駅発
5:45 日勝峠8合目付近の電波塔道路入口 
登山
地点
下山
6:00
6:50
7:45
8:00
8:15
8:55
電波塔道路入口
道路2400m表示地点
国境稜線
双珠別岳
最低コル
狩振岳
10:45
10:25
10:00
----
9:15
9:00
[2:55]所要時間[1:45]

11:00 日勝トンネル日高口駐車場
登山
地点
下山
11:30
12:30
日勝トンネル日高口
日勝ピーク(1445m)
13:00
12:50
[1:00]所要時間[0:10]
14:00 沙流川温泉(入浴)
15:00 日高道の駅(車中泊)

 この2つの山はオダッシュ山から西側に見える2つのピークである(1)双珠別岳は双珠別川の上流にあることから名付けられた通称であるが、日高町(日高管内)と清水町(十勝管内)と占冠村(上川管内)の3つの国境線のピークでもある。また、日勝峠の上の熊見山に登ったときも、今度はこの山に登ろうと決めたほど存在感のある山であった。また、その北西の稜線上の狩振岳は昔の石狩国と胆振国の国境稜線上の山であったらしい。

 今回の5/3〜5/5の山行初日は、日勝峠日高側の8合目付近にある電波塔道路から双珠別岳を経由して狩振岳までピストンの計画で出掛ける。このルートはよくよく使われているらしく情報も多い。前日に日高町入りし、道の駅で夜を明かす。

 電波塔道路の入口で準備をしていると、旭川ナンバーの車がやってきて、同年代の2人の男性が下りてきた。聞くと、やはり狩振岳までピストンするとのことである。彼等に先立ち、ずっと電柱の建っている道路を進む。200mほど歩くと雪が続いているので、スキーを着ける。

 道路には200mずつ距離表示板が建っているが、その2400m付近から広い緩やかな尾根に取り付く。トドマツ、エゾマツ、ダケカンバの疎林帯の広い尾根の真ん中を登っていく。振り返ると真後ろに沙流岳が見える(2)

 やがて、樹林限界上に抜けると、右上に双珠別岳が見えてくる。広い斜面を斜めに最短距離を狙って登っていく(3)頂上を覆うハイマツ帯の下で国境稜線に乗る。

 頂上のハイマツ帯を右から巻くか左か巻くか迷うが、日勝峠の方の熊見山から続く稜線にも雪が付いているので、裏側に雪が付いていることを期待して、右から巻くことにする。案の定、頂上までスキーで登ることができた。頂上はハイマツの枝に赤い布テープがぶら下がっているだけである。

  頂上から西側には、翌日登る予定のもう一つの通称・双珠別岳が独立峰のように見え、登高意欲をそそられる(4)。東側には3月に登ったばかりのオダッシュ山とその奧に十勝連峰、表大雪、東大雪の山々が連なっている(5)。さらに南側に目を転じれば、日勝スキー場といわれている日勝ピークの斜面の後ろの芽室岳からペンケヌーシ岳辺りまでの北大雪の稜線が連なる(6)

 それらの展望を楽しみ、バナナを1本口にして、今度は十勝と日高の国境稜線上を北側に続く狩振岳を目指す(7)シールを付けたまま一気に下り、さらに登り返しの1218ピークを越えて1130mの最低コルまで下る。

 1200m付近までは、稜線の上を進む。しかし、その上には稜線上にハイマツが出ているので、灌木が生えているが、斜度の緩い左側の斜面に取り付く。灌木を縫うようにジグを切って、雪の残っているギリギリのところまで登る。途中で振り返ると、後からスタートしたと思われる2人が双珠別岳から滑り降りてくるところであった。

 頂上付近は雪がすでに消えているので、仕方なくそこにスキーをデポしてツボ足で登る。10分ほどで夏山状態で二等三角点が全身を出している頂上に到着する。バックにトマムスキー場が見える(8)

 頂上に到着すると、後の2人は最低コルから登りに入っているところである。

 頂上の東側で風を避けて腹ごしらえをしながら休憩する。こちら側の稜線の延長上には踏み跡が付いているところを見ると、この残雪期に結構な人が双珠別岳経由で登ってきているのであろう。

 いよいよ双珠別岳までは同じ稜線を戻るのであるが、雪庇の発達した稜線が広い道路のように見える(9)

 下りは、最低コルまでの滑りを楽しみたいのでシールを外して、登りとは反対側の急な木の生えていない急斜面に気持ちのよいターンを刻む。途中で腐れ雪にスキーを取られて転倒する。思わず滑落するのではないかと恐怖心が湧く。直ぐに止まってくれたが、肩関節を痛めてしまった。それほどの痛みもないので気にしないで、その後2日間の山行を続けるに連れて痛みが増してきた。夜は痛くて眠れないときもあった。帰宅後整骨院へ行ったら「腱板損傷」との診断を下され、右手の使用をできるだけ避けて、毎日治療に通っても完治までは結構日数が掛かるらしい。
ちょうど後から来た2人が頂上下の急斜
面へ取り付くところで、こちらがそこの地点へ下りるまで待っていてくれた。挨拶をして頂上までのルートや頂上の様子、双珠別岳のピークを右側から巻いて下山することなどを話して別れる。

 最低コルで再びシールを着けて、登りに入る。途中の1218ピークは西側を巻いて双珠別岳頂上下のコルへ下りる。そこからは急な頂上を巻くように十勝と日高の国境稜線を外して右側の斜面をトラバースしながら日高と上川の国境稜線を狙って斜めにまっすぐ登って行く。

 その稜線に乗ると再び北日高の山々と対面である。そこからは森林限界の上の広い斜面を斜めに滑り降りて、林の中の尾根へ入る(10)尾根斜面はもっと雪の状態がいいと楽しく滑られるところであるが、腐れ雪で木の枝や様々な物が落ちていて、滑りにムラがあって非常に疲れる。

 やがて、尾根に取り付いた地点にドンピシャ下りて、あとは林道をのんびり下る。まだ11時前の余裕のある時刻である。天候は下り坂のようで小雨がぱらついてくるが、大きく崩れそうもない。このまま温泉タイムには早過ぎるので、日勝ピークのスキー場と呼ばれる斜面でひと滑りするつもりで、日勝トンネルの日高口まで走る。

日勝ピーク(1455m)へ

 日勝トンネル日高口の駐車場には5台ほどの車が停まって、ちょうどテレマーカーとボーダーの4人の若者がスタートしていくところであった。天候もみぞれが降ってきたりですっきりしないし、雪質もよくないので、どうするか迷いながら、車の中で昼食を摂っていた。

 そのうちに隣の車から降りてきた男性を見たら、HYML仲間の札幌のはぐれ雲さんであった。彼は今日はこの日勝ピークだけらしいので、お付き合いをすることにする。
 
 彼はツボ足で(1)、こちらは山スキーであるが(2)同じペースで歩き、1時間ほどで頂上へ着いた。ハイマツの露出したピークで、雲の覆われはじめた北日高の山々であるがかろうじて姿を見せている沙流岳やペケレベツ岳へのルート(3)、さらには、彼も明日登る予定の双珠別岳と狩振岳へのルートについてお喋りしながら休憩する。

 下りは、一緒にというわけには行かない。こちらは、まさにスキー場のような斜面(4)を5分ほどで滑り降り、道具を仕舞い、着替えをして彼の到着を待つ。ここで明日まで過ごすという彼と別れて、沙流川温泉を目指す。




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