狩場・天狗岳(659m)
ポロ狩場川〜北東面直登尾根 2名 16,9,1
4:00 自宅発
登山 | 地 点 | 下山 |
7:10
7:45
9:00
10:25 |
国道229・狩場バス停
9つ目の砂防ダム
尾根取り付き
頂 上 |
13:30
13:15
11:40
11:00 |
[3:15] | 所要時間 | [2:30] |
14:00 茂津多海岸温泉(入浴)
17:00 帰宅
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この山は、狩場山塊の海側の小田西川とホポロ狩場川のに挟まれた尾根の上に聳える尖峰である(国道229号小田西橋から撮影)。 南側に岩壁を巡らせて屹立する、人を寄せ付けぬ険しさで、天狗岳という名前がぴったりする山だ。(1)
この山の存在を知ったのは、故齋藤浩敏さんの『魅する山々〜道南100座紀行』だった。 この山の魅力は、この山容だけでなく、スケール感のある狩場山塊の海側の山懐が一望できることだ
8/4にSHOさんとこの山へ向かったが、天候が悪く、戻って大船川水系のガロー川遡行へ転進している。台風一過の好天の今日は、やはり、SHOさんと二人のそのリベンジだった。
小田西川は滝が連続する難しい川なのと、頂上までの急斜面が無理そうだ。そこで、齋藤さんの記録を参考に、ポン狩場川を遡行して、北東直登尾根を登った。 台風10号の影響で、倒木や決壊が心配な林道を走る必要がなく、国道から直接取り付けるのが良かった。心配だった増水は、すでに引いた感じで水量が多いという感じはしなかった。
4:00に出て、160km先の島牧村のポン狩場川の河口を目指した。
○まずは、砂防ダムを越え、ゴーロ帯が続くポロ狩場川を遡行
ポン狩場川の橋を越えた所にあるバス停「狩場」の前に車を置き(2)、人家の建つ側道を上がって行く。滝のような砂防ダムが2段になっている(3)。最初に右側から取りついたが、上の岩崖を乗り越えられず、戻って左側からアタックしようと思った。ところが、すぐそばにダムの上に通じていると思われる刈り払い道があったので、それを辿った。その上にさらに3つの砂防ダムがある(4)。それを越えて、一度川に下りたが、齋藤さんの本には「9つの砂防ダム」と書かれていたので、まだあるはずと、右岸のヤブの中を登って行く。右手に3つほどのダムを見ながら進む。地形図で斜度が緩む地点が最後の砂防ダムだった。
滝はないとの情報だったが、予想を越えるゴーロ帯(大きな岩がごろごろ)が続き、それを越えながら進むのは非常に疲れる(5)。上流に行くにつれて、岩に苔が生えて穏やかな感じになるが、それでも歩きずらいのは変わらない(6)。
1時間半も遡行し、標高280m付近で、突然 コンクリート製の突堤のようなものがあって驚く(7)。その対岸をみると、石組みの護岸があり、その下流側に丸いトンネル状のものがある。どうやら、取水口のようだ(8)。どこへ、何のために取水していたのかは不明だが、その上に林道跡のようなもの見える。
○北東面直登尾根に取りつき、ヤブに掴まりながらの緩むことのない急斜面を登る
スタートして1時間50分で、頂上への直登尾根に取りついた(9)。ヤブはそれほど濃くないという情報だったが、その通りだった。地形図の等高線の混み具合や山容からも覚悟していたが、 灌木や笹を掴んでの緩むことのない急登が続く(10)。
頂上が近くなると、岩場が顔を出すようになる(11)。足下にもヤブを被った岩がある。最後は灌木や笹がなければ絶対登れない斜度になる。やがて、ハイマツが現れて、それを潜り抜けたら、頂上だった。スタートして3時間20分だった。
目の前にスケール感の大きな広がる狩場山塊がど〜んと広がっていた。左はフモンナイ岳手前の1249ピーク、中央に盟主狩場山、右には尖峰のオコツナ岳。ここは、まさに狩場山塊の山懐に抱かれた小さな頂といった感じだ(12)。
意外と広さがあり、下から見た尖峰の上という感じはないが、小田西川側は、急崖となっていて、高度感がすごい(13)。季節が早いといろいろな花が咲いているようだ。
この山には三角点はないが、海の方を振り返ると、この尾根の下の579.7ピークが見える。こちらには三等三角点(湯ノ崎)が設置されているようだ(14)。
日本海をバックに1枚(15)、さらに、山をバックに1枚(16)
最後に別れがたく、じっくりと山を眺める(17)。35分ほど休んで下山開始。
下りも、低木や笹に掴まりながら、後ろ向きなってどんどん下る。1時間15分を要した登りを半分以下の35分で下り、川に下り立った。ゴーロ帯の歩き辛い川は、なるべく河畔のヤブを多く歩いたが、登りも下りも同じ時間だった。遡行も尾根も非常にワイルドでハードだったこともあり、所要時間の割には非常に疲れた感じだった。
帰りは、茂津多海岸温泉で汗を流し、疲れを癒した(18)。運転も往復320kmで6時間ほど掛った。それにしても、山容といい、ルートといい、登り応えのある、記憶に残る1山だった。