カムイヌプリ
(746m) [幌別ダムコース] 98,11,8
枯れ葉の詰まった道を登り、雪化粧の羊蹄や室蘭と登別の町を眺める。
3:00 自宅発
登山
地点
下山
6:30
7:10
7:45
登山口
カムイヒュッテ
頂上
8:50
8:30
8:10
[1:15]
所要時間
[0:40]
来馬岳登山口へ移動
摩周岳の別名と同じこの山と来馬岳は、日帰り可能の山でまだ残っていた登別の山である。 この山に登るには
三つの動機
があった。
まず一つ目は、一昨年、「日高に燃えて〜日高山脈65座踏破の軌跡」という本を自費出版された登別在住の登山家・神原照子さんからも勧められていた山でもあり、その約束を果たすこと。
二つ目は、いつも「墨絵のスケッチ」を送ってくれる浅地氏に先を越され、その絵を送られていて、それをアップすすること。
三つ目は、このホームページを見てメールをいただき、その後メール交換をしていただいている登別のK氏との無線の交信目的である。それらをきっかけに、もう夏山シーズンも終りに近いこの時期に、来馬岳と2山セットで訪れてみた。
当初、11月3日に予定していたが、悪天候のためにこの日に延期する。天気予報もバッチリで、前日早く寝て、3時家を出て、長万部から高速に乗り、白々と夜が明ける中、登別市内に入る。 国道36号線から、「川上公園」(幌別ダム)の道路標識にしたがって、カムイヌプリを目の前に見ながら快適な道を進む。幌別ダムの横から登山口への林道に入り、行き止まりが駐車場も整備された
登山口
であった。 まだ、車は1台もない。 以前は、登山口はもっと手前にあり、15分くらい歩いて、一つの尾根を乗り越したところのここが1合目だったところらしい。(『夏山ガイド』には、「尾根を乗り越す珍しいコース」との紹介がある。)
6時30分、ちょうど太平洋から昇ったばかりの朝日を背に登山口へ入る。すぐに小さな沢を石伝いに渡り、落ち葉の詰まった岩の露出した道を進む。およそ1ケ月ぶりの山で、ひょっとすれば、今年最後の山行になるかもしれない歩きがうれしい。
目を上げると目指す頂上が朝日に輝いて招いている。ときおり目に飛び込んでくる散り遅れの紅葉の精一杯のサービスもまたうれしい(1)
。
そんな沢ぞいの晩秋の登りを楽しみ、丸木橋を渡ったりしながらトドマツ林を抜けると、
「最終水場」
に出る。そこは、ちょっとした広場になっていて、テントが数張り張れるように整地までしてある。そこで、沢とは離れ、傾斜も急になり、ダケカンバ林に入って行く。
すっかり葉の落ちた白い幹と細い梢の茶色がセピア色のモノトーンの世界を演出している。6合目で、そんなたたずまいの中にマッチした立派な
カムイヒュッテ
が現れる。前には手作りのテーブルと椅子が4台ほど設置されている。
無風の上、非常に暖かい。その椅子に腰掛け、静かな晩秋の雰囲気と小鳥の囀り楽しみながら10分程休む。少し登ると尾根道に乗る。振り向くと、朝日に眩しい幌別ダムと登別の町並みと太平洋が広がる。
8合目の下で、その尾根の突端ともいうべきところに岩場が突き出ている。そこを躱すのかと思ったら、その
岩場
の割れ目をロープと鎖を頼りに登るようになっている。この道を付けた方々の、このようなちょっとした遊び心がうれしい(2)
。そこから9合目までは、細い急な痩せ尾根の上を進むが、9合目から頂上までは、ダケカンバの幼木の白い幹が林立する中に黒い道が真っ直ぐ伸びる緩やかな登りである。
いよいよ
頂上
到着である。一番先に目に飛び込んできたのが白鳥大橋である。あちこちの工場の煙突からまっすぐ上る煙が室蘭の町らしい。
その左側には幌別ダムと幌別の町(絵)
。右手には、稜線伝いに、4年前に水元沢コースから辿った登山道がくっきりと見える室蘭岳、
後ろには、頂上から山ひだを雪化粧した羊蹄山(4)
など、 360度の展望が広がる。次に目指す来馬岳は稜線に雲を背負った形で見えている。
8時、前夜のメールにいれておいたK氏との無線交信の時間である。しかし、家を出てくるときにメールを開けてみると返事が入っていなかったので多分無理だろうと思うが、コールを入れてみるがやはり返答がない。諦めてさらに10分程休み、下山を開始する。
岩場の上で、年輩の男性が一人で登ってくるのと出会い、その後、10人以上の人と出会う。どの人も異口同音に「もう登ってきのですか?」「こんな時期に、こんな天候に恵まれてうれしいですね。」と挨拶される。
登山口を後にして、
来馬岳の登山口へ移動最中
に携帯電話がなる。やはりK氏からの電話である。こんなこともあるだろうと、メールに携帯電話の番号も入れておいたのが効を奏したわけである。「昨夜、帰宅が遅かったので、先程メールを開けてみたら・・・」とのこと。感激のメールフレンドとの初めての声だけではあるが、直接の初会話である。11時過ぎに外出するとのことなので、初対面の楽しみは先延ばしにして、来馬岳からの11時の交信を約束して車を走らせる。
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