神威岳(1601m)ソエマツ岳西峰(1610m)   登り〜神威岳夏道 下り〜ソエマツJP南西尾根
  2人  03.8/6〜8(2泊3日)

94,6,12の「神威岳」へ

3泊4日の予定で南日高の神威岳〜ソエマツ岳〜ピリカヌプリ縦走に出掛けるが台風10号に追いかけられ、ソエマツ西峰で断念し、エスケープルートを下り、増水した沢の渡渉を繰り返し、何とか下山。これまでの12年間の山行で、心身共にもっともハードな山。

8/5
 15:00 函館発
 20:40 三石町鳧舞(泊)
8/6
 7:00 三石温泉駐車場
 9:00 添松林道終点(車1台デポ)
10:00 神威山荘(車1台デポ)
登山
地点
10:10
10:40
12:35
13:15
16:10
神威山荘(3609
420二股
尾根取り付き(800)
(昼食・休憩)
神威岳頂上(1601)泊)
[6:00]所要時間
8/7
登山
地点
 5:30
 6:50
 8:40
 9:20
11:10
12:55
[7:25]
13:30
13:45
14:00
14:30
15:00
15:10
16:00
16:30
神威岳頂上(1601)
1361ピーク
1468ピーク
1300m最低コル
1397ピーク
1560mJP(テン場)
[所要時間]
(昼食)
<撤退決定>
1560mJP(テン場)
(泊準備)
ソエマツ西峰(1610)
頂上コル手前
(Oさん下山待機)
1560mJP(テン場)(泊)
[11:00]総所要時間
8/8
下山
地点
 5:15

 9:30
11:00
12:30
1560mJP(テン場)
(南西下降尾根)
ソエマツ川513地点
 〃    404地点
添松林道終点(350)
[7:15]所要時間
 13:00 添松林道ゲート
 14:00 (鍵待ち)
 15:30 静内町(眼科医院)
 ※そのまま静内に泊。
8/9
眼科で再診後、帰宅。 

GPSトラックログ
神威岳〜ソエマツ岳間の断面図
 今回台風の影響で途中断念したピリカヌプリ・・・まさにアイヌ語で「美しい山」の意であるが、自分にとっては、『北海道の百名山』(北海道新聞社)で唯一登り残している山で、これを登ると、全山単独踏破した『新版 北海道百名山』(山と渓谷社)と合わせた「北海道『百名山』118座」完登となる念願の山なのである。

  この山へのアプローチは、普通、大雪のクワウンナイ川とともに北海道を代表する名渓のヌビナイ右股沢からと、残雪期のトヨニ岳から一般的である。しかし、高所恐怖症の自分には、前者は何も掴まる物のないトラバース地点の通過が無理と判断。後者は残雪期の山中泊の装備は持っていない・・・ということで、体力勝負の「神威岳〜ソエマツ岳〜ピリカヌプリ〜西尾根(ソエマツ川574地点)」(3泊4日)をFu@京都さんから提案され、昨年から温めていた計画である。

  後半の天気予報はよくないが、この時期を逃すと今年はもう機会がない。たまたま、この計画を知ったという見知らぬ『やぶやま探訪記』のyanさんという方から、最悪の場合のエスケープルートの情報提供もいただき、GPSへ入力しての決行となった。この情報のお陰で、結局は、今回の日高管内に莫大な被害をもたらした台風10号から逃れての無事下山に繋がったのである。

 パートナーは、これまで、同じような山行スタイルを積み上げてきて、昨年、お互い初めての「野塚岳〜オムシャヌプリ〜十勝岳縦走一泊縦走」「知床岳一泊登山」と2度のハードな山にご一緒した「山の時計」のEIZI@名寄さんである。気心も知れ、私を遙かに越える体力・精神力頼みで今回の同行を昨年からお願いしていたのある(1)。

 8/5、15時に自宅を出て、今春まで同僚で三石町に転勤したMiさん宅に泊めてもらい、8/6、午前7時に三石温泉の駐車場でEIZIさんと待ち合わせる。まずは、元浦川沿いに神威山荘への林道へ入り、下山するソエマツ川沿いの添松林道に入る。途中から、神威岳〜ソエマツ岳間の稜線が見える(2)。ゲートから10km地点が林道終点である。そこに彼の車をデポして、神威山荘へ回る。そこへ私の車を置いて、神威岳への夏道を辿る。

 私は9年振り、EIZIさんは3年振りの神威岳再訪であるが、今回は3泊4日の縦走装備なので6時間の予定である。登山道となるニシュオマナイ川(地図のシュオマナイ川は誤り)は、以前より河原が狭くなって荒々しくなっているような気がする。最初の渡渉地点は以前は靴を濡らすことなく渡った覚えがあるが、今回は二人とも靴を脱いで渡る。

  歩いているうちに、なぜかビールの匂いがして、リュックの底が濡れている。変だと思って歩いていて、尾根取り付き地点で確かめると、なけなしの一本の缶ビールが何かの衝撃で破裂している。リュックの中がビール浸し、後ろを歩く飲まないEIZIさんはその匂いだけで酔ったとのこと。
 
  前回と同じに尾根取り付き地点を見逃し、100mほど先まで行って戻り、昼食を摂り、40分ほど休憩。それぞれ5リットルほどの水を汲む。私はそのほかにスポドリ3.5リットルも背負っている。その後の標高差800mの急な尾根のきついこと・・・1839峰へ行ったときの縦走装備でのコイカク夏尾根もきつかったけど、今回の方がきつかったような気さえする。高度計の数字が上がるのだけが楽しみの登りである。上から、60代の女性が一人下りてくるのにびっくりする。

 1400mを過ぎるとやや傾斜が緩くなり、1500mで主稜線に乗る。荒々しく頂上直下まで突き上げるニシュオマナイ川の源頭がガスの中から右手に見え(3)、左上には丸い頂上が見える。神威山荘か予定通りの6時間で、ナキウサギの声に迎えられ頂上へ(4)。

 二人きりの頂上でテントを張る。着いたときはガスの中であったが、日が暮れるころは少しガスが晴れ、果たしてあの急な稜線を登れるだろうかと不安になるくらいの尖った双耳峰のソエマツの頂上(5)やピリカにプリ、反対側の中の岳やペテガリなどが見える。


 翌朝8/7、快晴。朝焼けの下にこれから目指すソエマツ岳とピリカヌプリが浮かぶ(6)。一面の雲海の上に朝日が昇る(6,7)。北は長い東尾根を延ばしたペテガリや1839・・・遠くエサオマン辺りまで丸見え(8)、南は楽古岳辺りまで・・・・。西側の山に写る「逆さ神威」まで拝み、至福の朝を迎える(9)。

 しかし、夜からは雨予報である。当初の予定は2日目がソエマツ、3日目がピリカ、あわよくば西尾根を下り574地点までの計画の変更を余儀なくされる。それでは、「12時間以上かけてもその日のうちにピリカまで行こう。そして、3日目は雨の中の下山のみ」と決めて、出発。




   


つづく

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