石山(106m)・天狗岳(220m)・大平山(364m)・高山(355m) <上ノ国町>
単独 18.5,15〜16
上ノ国町の登り残していた薮山の中の低山4山を登った。

 
 
○石山(106m) <登り30分、下り15分> ※18,5,15の記録

 この山は、上ノ国町中須田の市街地のすぐ裏にある採石場跡の山だった(1)登ってみて初めて分かったのだが、GPSトラックログに囲まれている部分は、削られて噴火口のようになっているが、地形図にはそれがまったく反映されていない上に、頂上の位置が空中に位置していた中須田の道々から眺めた茂刈山手前が石山だが、噴火口を抱いたような山容になっている(2)

 まず最初に、地形図を見て途中にある三角点も気になり、北西尾根を登るつもりで取り付いた。三角点のあるところは平になっていたが、三角点は見つからなかった。そこから上の崖の縁を登ったが、笹薮が濃い上に、狙っている方向でないので、断念して戻った。


 車の所まで戻って、奥に続く道の跡を辿った。古い機械などが放置されていた(3)。崖の右側の人工的な尾根に取り付いて登って行った(4)


 振り返ったら、中須田地区とその向こうに上ノ国市街地と日本海が見えた(5)。尾根を登り切り、薮の向こうの一番高い杉林を狙う(6)
 その林に到着してGPSを見たら、頂上はそこではなく、その西側に位置していることになっている。しかし、そこには高いところはない。そこから、GPSを見ながら頂上を求めて平に削られた地形の薮の中を右往左往。結局、地図上の位置は存在しなくて、崖の先の空中にあることが分かった。


 地図上の頂上はこの崖の左側の空中になっている(7)。GPSトラックログをみても、崖の上を歩いたのに、頂上は踏んでいない(8)
 予想するにここの地図は、採石場の初期のもので、その後は古いままになっていて、現在の地形が反映されていないのではないかと思われる。全国を含めて1000山ほど登って来たが、このような経験は初めてである。この記録を国土地理院に送るつもりだが、ある意味面白い探検もどきの山だった。

○天狗岳(220m) <登り1時間、下り45分>


林道部分も含めたログ(※クリックしてください)

 この山は江差町と上ノ国町の境界稜線から少しだけ上ノ国町側に位置する山である。江差町の椴川林道から分かれ、廃道化している竜巻の沢林道を進み、境界稜線を越える地点から稜線上を西へ進んだ(9)。 上ノ国町の道の駅で夜を明かし、天の川橋手前から天狗岳を眺める(10)


 竜巻の沢林道は、橋の向こう側が決壊していて、通行止めとなっている(11。北海道では道南でしか見られないキブシの花も咲いていた。この木は楊枝、染料などに使われるらしい(12)


 竜巻の沢林道は、このように一部笹に覆われているところもあるが、概ね薮は気にならなく、踏み跡も続いている(13)。右側の谷を挟んで天狗岳が見える(14)。
 林道跡は源頭部を巻いたところで境界稜線を越えている。その地点から、林道と別れて稜線上を西へ向かう。


 稜線上にはヒバ(ヒノキアスナロ)が多く、このように群生しているところもある(15)。稜線上は、期待した通、薮も薄く、鹿道や踏み跡ができていた(16)


 シラネオアイの群生もあり(17)、その端っこに久しぶりに目にする白花のシラネオアイもあった(18)


 頂上には、まだ新しいイワタと書かれたピンクテープが結ばれていた。これは、多分、道南の全山踏破に取り組んでいる岩田先輩のものに違いない(19)ここには三等三角点(点名・勝山)があるはずだが、いくら探しても見つけられなかった。
 下山後、0.4kmほど奥にある「桧山古事の森」の「ひばモデル林」を見た(20)

○大平山(たいへいざん)(364m) <登り35分、下り20分>

林道部分も含めたログ(※クリックしてください)

この山は、中須田地区の天の川を挟んだ南側に位置し、頂上にNTTのアンテナ施設が立っている山で、その施設までは車道がある(21)。その車道へ繋がる林道は、天の川の左岸の小森集落から南へ登って行く林道である。 非常に快適な林道を走って行くと、アンテナ施設が立つなだらかな山頂部が見える(22)

 友人のも〜さんから、「この山に、海岸の洞窟からこの大平山まで繋がっている洞穴があり、龍神が通っていたという伝説がある。」とのコメントがあり、検索したら、確かにあった。
 「大平山の洞穴は、現在窪みになっているらしい」との記述があった。自分が登ったルートの頂上手前に大きな窪みがあり、それを回避して登った。もちろん濃密な笹薮で覆われてはいたが、その窪みがその洞穴ではないかと思われる。


 この林道は、大平山の西側を通り、峠を越える手前に、NTTの管理道路が、折り返すように頂上に向かって続いていた。まだ現役の管理道路で、ゲートも閉じられていた(23)ゲート前に車を置いてスタート。一面密度の濃い笹で覆われた右の高いところが頂上である(24) 車道から直接頂上を狙えば良かったのだが、もしかしたらNTTの施設から刈分け道か踏み跡でもあるのではないかと期待して、施設まで進んだ。 
 

 しかし、期待はみごとに裏切られ、強烈な薮漕ぎを強いられた。150mに20分も要した(25)。頂上には木が生えていないので、ピンクテープは笹の茎に結ばれていた。しかも、同じようなところが3ヶ所も・・・3人が同じことをやったということか?(26)
  物好きな人間は自分だけではないのだと、自分でも呆れてしまう。ここにも三等三角点(点名・泰平山)があるはずだが、一応探してみたが、濃密な笹やぶでは、飛び出していない限り見つけることは無理である。
 下山は、直接管理道路を目指して下ったら8分で道路に出た。下って行くと管理道路部分の草刈り作業が入っていた。

○高山(355m) <登り20分、下り10分>


林道部分も含めたログ(※クリックしてください)

 この山は、大平山と大安在川を挟んだ真西に位置する山で、頂上直下の西側を通っている。林道ゲートもなく、簡単に登れ留山だった(27)大安在川の南側の農道から続く孫八高山林道を進む(28)る。


進む先に目指す高山が見えた(29)。頂上へ直接取り付いても良かったのだが、高度差の少ない林道の標高の高い方から取り付いた(30)
 北側斜面の笹やぶはそれほど濃くないが、尾根に上がると、濃密な薮だった。尾根に上がったあと、何を勘違いしたのか、方向感覚が狂ったのか、頂上と反対側へ進んでいた。その濃い薮を2倍ほどの距離を漕いで頂上へ到着。


 ここにも、ピンクテープがぶら下がっていた(31)三等三角点(点名・高山)があるはずだが、一応しゃがんできょろきょろして見たが、とても見つかりそうもなかったので、あっさり諦めた。
 今回の上ノ国の4山はいずれも三角点が見つかられなかった。

 次は、高山の南西にある丸山(点名・汐吹)を考えていた。海岸の国道から地形図上に点線があるので、そこから登るのが正解なのだろうが、もっと楽なコースはないかと、その山の北側に付き上げる小安在川沿いの木ノ子林道へ入ってみた。  しかし、奥は荒れた林道で、戻ることにした。
 国道へ出て少し走ったら、車の下から変な音がする。見たら、左前のタイヤがパンクしていた。サイドに直径4cmほどの削れたような傷があったので、林道の崖崩れの岩にでも擦ったのだろう。今の車になってから9年目になるが、パンクは初めてだった。ジャッキを掛けて、タイヤのボルトを回そうと体重を掛けたら、サイドブレーキを引いてあったのに、車が後ろへ下がり、ジャッキが曲がってしまった(32)
 万時窮す。早速JAFを要請。ところが一番近いところで厚沢部町とのこと。1時間ほど待った。タイヤ交換もしてくれた。帰りは湯ノ岱温泉に入って、5時半に帰宅。
 
 前日に登った木古内町の「富山・屏風山・丸山・焼山」へ戻る

「北海道山紀行・目次」へ   HOME

inserted by FC2 system