696.3峰(点名・河汲沢(かっくみさわ) <北斗市> 
<上河汲沢川林道〜東尾根ルート> 山スキー 単独 2010,1,04

2010年登り初めの山として、単独山スキーで登った展望の山

7:00 自宅発
7:45 上河汲林道除雪終点
登山
地 点
下山
 8:00
 8:20
 8:55
10:00
10:45
----
10:50
除雪終点

261ポコ
491ピーク
696.3峰
(休憩)
700ピーク
12:00
11:55
11:45
11:30
11:15
11:00
10:55
[2:50]
所要時間
[0:45]
12:30 せせらぎ温泉(入浴)
13:50 帰宅
 この山は、旧大野町(現北斗市)市街地の後に毛無山と並んで聳える無名峰である(1)頂上には二等三角点(点名・河汲沢)が設置されているが、本峰はすぐ北隣の700mピークである。
 
 2010年登り初めの山として、函館平野のどこからでも目に付くこの山を選んだ。最近は函館近郊では未踏の山が少なくなり、無名峰でも目に付く山や登高意欲をそそられる山に足を延ばすようになった。

 登山道のない山は、雪山の方が楽なので、地図とにらめっこしながら自分なりのルートを考えるのがおもしろい。この山は誰が見ても、江差へ抜ける国道227号線沿いの北斗市中山地区の上河汲沢川右岸の東尾根を辿るのが妥当だろう。既に登っているSHOさんやSaさんも同じコースを採っているようだ。ただ、下の方は細かい沢が入り組んでいて、尾根がスッキリとしないのが心配だった。

○まずは491ピークを目指して

 国道沿いに「松前藩の番所跡地 毛無山山道入口」の看板の立つ上河汲林道へ入る。下河汲橋を渡るとすぐに除雪終点で、広く除雪がされている。その先に夏は立派な舗装道路が続いている(2)

 ルート上には、極端に細くて急なところがないので、山スキーのみで挑戦することにした。スキーを着けないでツボ足で入ってみると、膝上までスッポリ埋まったが、スキーを着けると足首ほどしか埋まらない。ラッセルはそれほど苦労しないで済みそう。

 林道を650mほど進み橋を渡ってすぐ、古い林道跡を利用して右岸の尾根に登る。そこには牧草地が広がっていた。その中を真っ直ぐ進む。正面に取り付く左側の尾根と491ピーク、さらに、その上に続く緩やかな尾根、そして、その先の奧に頂上らしきピークも見える(3)

牧草地の上まで行くと右側から林道が上がってきていて、それがその先に続いている。それを辿ると、広い水道施設(貯水施設)に出る。そこで、林道は終わっている。その先から尾根に取り付くのだが、小沢が複雑に入り組んでいる。うまい具合に赤いテープが付いた作業歩道のような地形を見つけ、それを辿ると、狙っていた標高点261に乗ることができた。

 やがて、トドマツの人工林に入っていく。地形を読みながら、急な登りを避けて尾根に少しずつ近づいていく。c350付近でトドマツ林を抜けて尾根に乗る。樹間から、函館平野の展望がときどき得られるようになる。

 c350からはブナの尾根を辿ることになるが、地図上で見たよりは幅広で、スキーでの登りには支障はない。c400〜450付近は斜度が緩み徐々に幅広の快適な尾根となる(4)491ピーク直下で再び急になるが、幅が広いので大きくジグを切って登る。右手に、木地挽山が見える(5) 北側が断崖になっている狭く尖った491ピークに恐る恐る立つ。ここまでで、ちょうど2時間である。


○斜度の緩んだ尾根を辿って展望の頂上へ

 491ピークからは、目の前に次の尾根が目に飛び込んでくる(6)コルへ下って、その尾根に取り付くが、見た目よりは急ではなく、ほとんど直登できた。折れた幹の上の雪坊主(7)や青空に映える樹氷など(8)を楽しみながら、快調に高度を稼いでいく。



 c600を越えると、緩やかで幅広となり、見通しが利くようになる。左手に函館平野の全貌が広がる。実は、この山で一番期待していたのが、この眺めである(9)

 やがて、目の前に目指す頂上がすっきりとした形で現れる(10)。頂上には立ったが、しかし、ここが最高峰ではない。そのまま休まずに、コル越しの150mほど先に見える4mほど高い700峰を目指す(11)

 このピークは、地図上で700mの等高線がくるりと円を描いて記載されているピークである。三角点はより展望の良い手前のピークに設置したのであろう。


 

  ここまで来て、初めて北西方向の展望が得られる。雲が低いので遠望は利かないが、低い雲の下に隣の毛無山(12)や二股岳〜三九郎岳〜四九郎岳(13)さらに、西側には設計山、雷電山、袴腰山などが見える。天候がよければ、もっと奧の展望が広がるはずである。この時点では駒ヶ岳も雲に隠れて見えなかった。

 それらの展望を楽しんだ後、南側の展望が広がる696.3峰へ戻り、シールを外して、昼食タイムとする(14)

 谷を挟んだ目の前に、石灰岩を掘り出している峩朗鉱山が見える。この眺めは、この山ならではの新鮮なものである(15)その奧に当別丸山が見え、その右手には年末に登った681峰(通称・釜谷岳)と桂岳も見える。

 二つのピークを合わせると、360度の展望が得られ、登山道のある毛無山よりはずっと眺めの良い山だ。こんなに展望のよい山だとは思っていなかったので、とてもうれしかった。

やがて、それまで姿を隠していた駒ヶ岳までが姿を現してくれて大感激(16)しかし、横津連峰は、七飯岳は見えたが、その上は雲に覆われたままであった。

○呆気ないが快適な下山

 もっと天候がよければ、もっと遠望が楽しめるロケーションなのだが、これだけ見えれば申し分ないだろう。いよいよ、楽しみなスキー下山開始。雪がたっぷりあって、それも堅くないので思いっきり滑りを楽しみたいところだが、単独なので、怪我をしたら大変・・・慎重に下る。

 それでも、上の方や491ピークの下の疎林帯では気持ちの良いターンを刻むことができた(17)491ピークは、手前のコルから急な南斜面をトラバースしてかわす。尾根の下の方は樹林が煩くなるので、楽しむと言うわけにはいかない。水道施設の下からは林道を辿って、登りの1/4ほどの45分でゴールイン。これがスキー登山の一番のメリットだ。

 スタートしてからちょうど4時間のピッタリ正午だった。天候と展望と雪質にも恵まれ、今年初登りの山としては大満足だった。300円のせせらぎ温泉でのんびりと疲れを癒す。



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