赤 岳(719.2m)/上ノ国町
 <宮越内林道コース>   2名、 07,8,11

6時間半に及ぶほとんど藪の林道跡と強烈なネマガリダケの藪漕ぎ山行

5:00  函館発
6:30  松前石崎線ゲート
8:00 上ノ国・宮越駅
     (宮越内林道へ)
登下山地   点
 8:40
 9:00
 9:30
 9:40
11:50
12:20
13:15
14:50
15:00
林道決壊地点
林道分岐@
林道分岐A
小沢取り付き
頂上着
頂上発
林道跡へ
林道分岐@
林道決壊地点
[6:20]所要時間

 上ノ国町の宮越内川の上流部にある700m台の地味な山である。登山の対象とするのは、700m以上の山狙いの物好きな我々くらいのものであろう。積雪期のアプローチは難しいので、以前から林道を利用した藪漕ぎ登山の計画をたてていた。

 今回も、函館へ転勤して間もない道内700以上の山完登狙いのKoさんと同行である。当初は、松前の大千軒の南側に聳える袴腰山と八兵衛山の計画で家を出たが、アプローチとなる松前石崎線は、昨日の雨量が制限を超えていたために?松前側の最終人家の先にある土木現業所のゲートが閉じられていて、敢えなく計画変更。

○赤岳の東側を南北に走る林道跡からアタック

 20日前に下見をしておいた上ノ国の赤岳へ向かう。宮越駅前に私の車を置いてKoさんの車で宮越内川沿いの林道へ入る。下見時に決めていた10kmほど先の林道決壊地点地点まで進む。

 林道決壊地点の直ぐ手前の土場跡に車を置いてスタート。着いたときはガスで覆われていた赤岳がスタート時にはその姿を現してくれた(1)赤岳の近くを通る地図記載の林道は、北側を巻いて東側の頂上直下まで伸びているものと、さらにその東側を南北に通過するものの2本がある。当初は前者を利用するつもりだったが、林道歩きが5km以上もあるので、短い後者を利用し、下山は、余裕があれば隣の大岳も視野に入れて、前者を利用することにした。

 20分ほど先の分岐を左に入る。予想していたより藪で覆われていてすでに廃道化している。30分ほどでさらに分岐へぶつかる。ここは右へ進むのだが、直ぐそばで車の音がする。地図を見ると、その直ぐ東側に林道が通っている。これを利用すれば30分の短縮になったのにと気づかなかったことを悔しがる。

 10分ほどで、取り付く予定の小沢へ到着。計画はこの小沢を詰めてあわよくば上の林道跡へ出て、さらに頂上へ繋がる尾根を登る予定である。すっぽりと藪に覆われて普段は水は流れていないような小沢だが、今朝方までの雨で予想より水量が多い。私はスパイク長靴だから構わないが、登山靴のKoさんはそのままじゃぶじゃぶと漕いで歩く(2)
 
 10分ほどで源頭にぶつかり、それを右から巻くように緩い尾根に乗る。しかし、直径が3cmほどのこれまで目にしたことのないようなみごとな太さと丈が我々の2倍以上はある密度の濃いネマガリダケ林が行く手を阻む。進む先はまったく見えない。見えるのは足元の地形だけである(3)当初はこのルートを登る予定はなかったので、ルートをGPSにも入れてきていない。頼みはKoさんの500山を越える藪山の経験に基づく足元に覗くだけの地形の読みと判断力と勘である。私は彼の掻き分けてくれた後を懸命に着いていくだけで精一杯である。帰宅後、GPSのトラックログを見ても、全く無駄なルートを採っていないのに驚く。

 途中、期待していた林道跡にぶつかるが、微かにその痕跡を残すだけで、それも10mほどで尾根の右下に消えている。しばらくハードな山をしていなかったせいか、この辺りから心拍数がパンク状態になり、休憩を何度も取ってもらう。途中で地図は落とし、休憩時に顔を拭いたときに外した眼鏡は見当たらなくなる。地図はKoさんも持っているので困らないが、眼鏡はいくら探しても見つからない。ひょっとすればその前に休んだところかも知れない。この濃い藪では戻って探す気にもならない。なくてもそれほど支障のない眼鏡なので諦めて前進する。

 標高650mを越えて急な細い尾根になると、藪が浅くなり少しは楽になる(4)小沢に突入して2時間以上も要して、ようやく頂上へ到着。細長い頂上ではあるが、周りが樹林で覆われて展望はほとんどない。方向的にこの次に登る予定の大岳が見えるだけである(5)

 ここですることは三角点探しである。これもみごとにKoさんが草や苔に覆われた中から見つけ出す。点名は「赤嶽」という二等三角点である。周りを鋸と鉈できれいに刈り払って写真に収めるのが恒例の儀式である(6)

○北側の急斜面を下り、微かに痕跡を留めるだけの藪の長い林道跡を辿る

30分ほどで下山開始。北側の急斜面を下り、下を通っている林道跡へぶつかる予定である。急斜面の藪の下りは楽である。藪に掴まりながら転げるように下ると、まもなく沢の源頭にぶつかる。ここで、冷たくて美味しい水をたらふく飲んで、さらに空いたペットボトルに詰める(7)

 今度はその小沢を下る。藪を漕がなくていいので楽なのがいい。しかし、そろそろ地図上の林道跡へ出るころであるが、その林道跡が良く判らない。ここもKoさんの勘と地形の読みでみごとに見つける。

 その後は、5km以上はある藪で覆われた林道跡を辿る。時間的にすでに遅いので、この途中から考えていた大岳は、明日別ルートからのアタックに変えて、そのまま下山を続ける。スタートしてから6時間半ほどの林道も含めてほとんどが藪漕ぎ登山のゴールである。全身汗でずぶ濡れの衣服を着替えてさっぱりする。

○下山後は林道探索とプチ宴会

 まだ時間があるので、まず途中から大赤岳への林道へ繋がっているらしい林道を進んでみるが、途中でそれが繋がっていない(歩道では繋がっているが車は走行不可)ことが判明して戻る。次に、明日の予定の大岳の直ぐ西側まで伸びている林道への道を探索する。しかし、宮越の市街地から6.5kmほどの地点で土砂崩れにぶつかる。あすは、そこから8km以上はある林道歩きを決めて、上ノ国町市街地にある花沢温泉を目指す。

 200円という入浴料がうれしい花沢温泉でさっぱりした後、そのそばの花沢公園の駐車場で夜を明かす予定で、スーパーに買い物に出る。今晩の献立はラム肉のしゃぶしゃぶである。もちろん、それにビールとワインを加えて、駐車場そばの東屋でプチ宴会に突入(8)1kgの肉と野菜が空きっ腹にあっという間に収まってしまう。

 同じ頃、そこへ自転車で道内旅行をしている男性が到着。全国あちこち旅をしているらしく、四国遍路も3回も回っているとか・・・いろいろな旅の話で盛り上がり、20時頃には車の中で就寝体制に・・・・・。

翌日の上ノ国町の「大岳」へ


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