久しぶりの好天に、この時期ならではの函館市の通称下海岸と呼ばれている津軽海峡に面した登山道のないマイナーな低山3山を藪漕ぎで一気に登ってきた。(
3山の位置関係の地図はこちらから)
○釜谷富士<西尾根ルート>
9:40 墓地上
登り | 地点 | 下り |
9:45
9:50
10:15 |
車デポ
尾根取り付き
頂 上 |
10:35
10:30
10:15 |
[0:30] | 所要時間 | [0:20] |
石山へ移動
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函館市(合併前の戸井町)の
釜谷漁港から眺めるとみごとに尖った山がある。これが地元の人が昔から親しみを込めて「釜谷富士」と呼んでいる山である(1)。地元の戸井西小学校の校歌にも歌われている山だが、地図には山名も記載されてはいないし、登山道もない。
呼称に「富士」の付くの山は全国で322座もあり、北海道には16座だそうで、その中のひとつに数えられている。それらの山を登って歩く富士マニアの間では有名な山らしい。ただし、ネット上のデータには、標高がなぜか228mとか237mなどの記述が見られるが、地図上では243mである。
登山道のないこの山に登るには、残雪期かすっかり木の葉が落ちたこの時期しかないと思っていた。しかも、端正に見える南側の尾根は急で苦労しそうなので、西尾根からと決めていた。
西側から見ると同じ山とは思えない形である(2)。
西尾根に取り付くために バイパスの戸井西小学校の手前から山へ向かう道を入る。墓地の西側を通るとまもなく、立ち入り禁止となり、ゲートが設置されているので、その手前に車を置いてスタートする。。
その先の道を少し進み、西尾根の根元から尾根に取り付く。
藪は薄く、カシワの木の尾根である。ところどころに鹿道と思われる踏み跡も見られる(3)。
だんだん尾根は狭くなり、その踏み跡がはっきりとしてくる。
やがて、私の苦手な細い岩稜となり、頂上が見えて手くる。灌木があるから歩けるが、西側の高度感はかなりのものである(4)。
頂上は岩峰の上でとても落ち着かず、腰を伸ばして立つことも出来ない。頂上には祠でもあるかと思っていたが、そればかりか一切の人工物も表示物もなかった。しかし、
函館山までの海岸線の展望がみごとである(5)。
休むような雰囲気でもないので、直ぐに引き返す。細い稜線は登りより下りの方が怖い。いろいろ見てみたが、この山に登るにはこのルート以外は急斜面ばかりで、取り付くところも見当たらない。
わずか、往復1時間足らずの山であったが、多少のスリルもあり、藪はほとんど気にならない印象に残るいい山である。
下山後、次の予定の通称・石山へ向かう。
○石山<南西尾根ルート>
登り | 地点 | 下り |
11:00
11:20
11:30
11:40 |
車デポ地点
斜面取り付き
南西尾根
頂 上 |
12:15
12:05
12:00
11:45 |
[0:40] | 所要時間 | [0:30] |
清水山へ移動
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この山は、やはり地図上に山名が記載されていないが、
合併前の函館市と戸井町の境界上の358ピークを地元の人は「石山」と呼んでいる(1)(右ピーク)。この山に登ろうと思ったのは、HYML仲間の銭亀沢育ちのSHOさんから子供の頃に遠足で登ったことがあると聞いたからである。
登る前に林道入り口近くのお宅に寄って聞いてみたが、昔は手前の三角形の茶色に見える観音山経由で登山道があったらしいが、今は全くその痕跡すらないとのことである。なお、石山の由来は頂上に岩がゴロゴロしていることによるらしい。
藪漕ぎの距離を少しでも短くするためには、この山の東側を通って蛾眉野へ抜ける林道を進み、奥の境界線上の東尾根から登るのが一番楽なようである。しかし、その林道も昔は車で抜けることはできたが、今は無理とのことである。案の定、林道を進むと南西尾根の末端までしか車は入れなかった。
そこから尾根に直ぐ取り付くのは藪こぎが長そうなので、そのまま林道を奥まで歩いて進み、当初は東尾根の取り付きまでと思って歩き出したが、途中から尾根に取り付くことにした。
急な尾根だが、藪も腰下でそれほど濃くなく。ときどき鹿道のような部分もあり、10分ほどで尾根に乗ることができた。尾根上は腰丈ほどの灌木と笹藪だが、
上に進むほど少しずつ浅くなってくる(2)。
頂上は、下で聞いた通り、苔むした大きな岩がゴロゴして、なぜか70cmほどの鉄管が立っていた(3)。周りにはツツジの木が多い。
頂上からは、汐首岬の手前に先ほど登った釜谷富士(4)、津軽海峡を挟んでの下北半島、函館山市街地と函館山、横津連峰、恵山など360度の展望が広がる。しかし、どこを見ても、昔登山道があったという痕跡は見当たらない。
下り始めたときは、この尾根を末端まで下りようと思ったが、下の方は結構藪が濃そうなので、登って来たところと同じルートで下った。
○清水山<豊原神社ルート>
登山 | 地点 | 下山 |
12:50
13:15
13:40 |
豊原神社
尾 根
頂 上 |
14:05
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13:45 |
[0:50] | 所要時間 | [0:20] |
GPSトラックログ |
この山は豊原町の後ろに聳える山で(1)、今回の3山のうち、この山だけが地図上に山名も掲載されて、二等三角点も設置されている山である。
神社の下の農家の前で作業をしていたおばあちゃんに登山道の有無を聞いたら、「昔だったら、向こうの牧草地の縁から道があったんだども、今は誰も登る人いねぇから、ねぇと思うよ。」とのことである。
神社の境内に車を置かせていただく。
神社の後ろからまっすぐ登るのが一番近いのだが(2)、かなりの急斜面で、下部は笹藪が濃くて直接取り付く気がしない。牧草地の縁沿いに、もしかしたら昔の道の痕跡でもあればと探しながら南東側に進む。沢地形を登ろうかとも考えたが、急なので止して、もう少し奥まで歩いてみた。しかし、道の痕跡は見つからない。そこで、神社の後ろよりは斜度が緩く、藪も薄そうな斜面に取り付き、トラバース気味に登っていく。
下から見えた沢地形の東側に明らかに昔の道の痕跡らしい掘れた部分がまっすぐ尾根へ向かって続いている。案外、下から続いているのかも知れない。、そこを辿って尾根に乗る。
尾根の上は、胸丈ほどの濃い笹藪で、道の痕跡はなくなっていた。藪を掻き分けながら登っていくが、ここも高度を上げて行くに連れて藪の丈が低くなり、
枯れススキの繁茂する地点から頂上が見えるようになる(3)。
頂上には明らかに刈り払われたところがあるので、そこを覗いたら赤いペンキの塗られた木杭と埋まって頭を出していない三角点が見つかった(4)。頂上からは、石山と同じような360度の展望が広がる。
北側には三森山と蝦夷松山・雁皮山の間に横津岳と袴腰岳が(5)、西側には函館市街地と函館山などが広がる(6)。
下りは、途中まで同じ尾根を下り、途中から神社の真後ろを狙って、笹や木の幹に掴まりながら、急斜面を下る。下から見たよりは藪は薄かったが、下の方へ来たら、笹藪が濃く、蔦類に行く手を阻まれたが、頂上からわずか20分で牧草地へ出ることができた。