樹海峰(1231.4m)[北大雪] 
 <北面直登沢ルート>   4名 06,8,20

雪山のルートしか情報のなかった大雪湖のそばに聳える名前の気になる山へ沢ルートから

5:35 大函駐車場発
    (ニセイチャロマップ林道)
5:40 林道決壊地点(車デポ)
登山地   点
下山
5:45
6:15
6:45
7:15
7:45
8:05
林道決壊地点
沢出会い(700)
890二股
990二股
源頭(1150)
頂  上
9:55
9:30
9:05
8:50
8:35
8:25
[2:20]所要時間[1:30]
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 樹海峰(じゅかいほう)・・・響きのよい山名がずっと気になっていた大雪湖岸のすぐ北側に聳える山である。情報はいくつかあるが、いずれも雪山の大雪湖側からのルートばかりであった。ところが、今年これまで4回ほどの沢歩きで同行の機会に恵まれた函館出身で高校の後輩に当たる札幌のヤマさんからの誘いを受けて早速地図を広げてみた。10日ほど前に登った屏風岳のときに入ったニセイチャロマップ林道の途中から頂上のすぐ下まで突き上げている易しそうな沢が目に入る。大雪湖側から登るよりずっと斜度も緩く滝もなさそうである。私たちの屏風岳に刺激を受けた彼は前日に屏風岳に登り、翌日にこの山へ登るつもりであったらしい。

 翌日に札幌で会議が入っていたこともあり、二つ返事で同行する。メンバーは、屏風岳で一緒だった札幌のチロロ3さんと北見からわざわざ函館の松倉川遡行にもやってきたKuさんを含めた4人である。前々日からの大雨で前日の山は中止とした札幌のヤマさんの家に集合した3人は、Kuさんと落ち合う前泊予定の層雲峡大函観光駐車場を目指す。

  気になるのは、2日前から続いた大雨である。途中の石狩川は増水して茶色の濁流が渦を巻いて流れている。しかし、我々の入る沢は、ニセイチャロマップ川を渡渉しなくても済む上、短い沢なのでそれほど影響はないだろうとの見通しである。前日のうちに林道と沢の状況を偵察に向かったが、1kmほど入った地点で林道が決壊していてそれ以上の車での走行は無理であった。2km弱の林道歩きを覚悟し、トイレ、水道、テーブルなどが完備した駐車場にテントを張る(1)

 天候も回復気味の朝を迎え、車で1kmほどの林道決壊地点まで入り、手前の広場状のところへ車をデポする。さらに2km弱の林道を歩き、橋を渡ってまもなく、我々が取り付く北面直登沢の出会いへ到着。なんと、右岸に期待してすらいなかった林道が見える(2)

 その林道はすぐに分かれていたが、沢の左岸にも古い林道跡が続いていたのでそれを辿る。途中、削れてなくなっていて、沢の中を歩くこともあったが、その林道跡は890二股まで続いていた(3)

 林道は890二股から左へ続いていたが、我々が進むのは大きなフキなどに覆われた右股である。その沢地形の上には稜線も見えている(4)ブッシュを掻き分けながら沢の中やその岸の鹿道状のところを進む。斜度は増していくが幸い滝はまったくない。

 990二股は左へ進む。1050付近まで水流があり、湧水地点で冷たく美味しい水で喉を潤す。水流が消えてすぐに源頭地形にぶつかる。その付近から古い林道跡がジグを切って頂上方向へ延びているので、それを辿り、その終点から藪に突入する。

 5分ほどで、笹で覆われた南東尾根に乗る(5)振り返ると端正な形で見えるはずの10日前の屏風岳は雲の中であった。笹薮を掻き分けて進むとまもなく頂上へ到着する。

  三角点を探すが、これまでの経験から、過去に刈り払われた痕跡から笹薮が少し低くなっているところを足で掻き分けたら案の定二等三角点(点名・保呂加)が姿を現した(6)近くの枯れた木の幹に冬にでも来た登山者が付けたであろう赤いテープが数本巻きついていた。

  樹海峰の名の通り、周りは木で囲まれ、展望は南側だけが広がるだけである。大雪湖の上流の方は見えるが、表大雪の山々は残念ながら雲の中である(7)

 笹薮の中の三角点を囲んで20分ほど休み(8)、下山を開始する。登りのルートをそのまま辿り、10時前には車デポ地点へ到着できた。ヤマさんのお陰で、名前が魅力的であった一山を思いがけずあっさりと制覇できたことに感謝する。

 時間的な余裕が十分あるので、私の提案で、情報では、1100m超峰でありながら30分ほどで登れ、高度感と展望がすばらしいといわれる近くの「岩山」へ向かって、石北峠へ向かう国道39号線を走る。
 

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