漁岳(1317.7m)B
[漁川コース] 2名  12,7,28
01,2,25の漁川林道ルートからの山スキー登山
03,4,6の美笛峠〜フレ岳〜小漁岳〜漁岳〜漁川林道の山スキー縦走

函館からSHOさんの同行を得て、念願の漁川からの登頂が叶った。ただし、展望無し

4:00 函館発
登山
地点
下山
 8:40
 9:40
11:30
13:10
入渓地点(510)
F1(610)
林道への分岐(750)
頂 上
16:10
----
15:00
13:30
[4:30]所要時間[2:40]

恵庭市と千歳市と札幌市の3市の境界点になっている漁岳(いざりだけ)。夏道のない山だが、『北海道の百名山』(道新)に選ばれている。札幌に近いせいもあり、雪山の入門コースとして、夏は漁川からの沢登りが定番の人気の山だ。

 漁岳の名はアイヌ語名 イチャンヌプリの「イチャン」を「イザリ」と和人がなまって漁と当て字したのが由来だ という。アイヌ語の「イチャン」は(サケやマスが卵を産むところの意)。

 過去、山スキーで2回登っているが、夏の漁川からの再訪は長い間の念願だった。今回は、函館からSHOさんの同行を得て、念願を叶えることができた。

 函館を4時に出て、支笏湖畔を目指す。支笏湖から真駒内へ抜ける国道を走る。漁川を渡る奥漁橋を渡った左側に広い駐車スペースがある。そこで準備をして、広い河原へ下って入渓。目指す先の漁川は残念ながらガスに覆われて見えない(1)

 低い砂防ダムを9個ほど越える。その辺りで、先に出たご夫婦と見られる二人連れに追いつく。やがて、川幅が狭くなり、深い釜や小さな滝が現れる。

 575付近からは、薄い茶緑色の岩盤の上を流れる美しいナメが続く。沢登りでもっとも惚れ惚れとする箇所だ。50mほどヒタヒタと快適な歩きを堪能する(2)。それを越えてしばらく進むと、釣り人に会って驚く(3)

 やがて、両岸が迫って来て、滝の出現を思わせる雰囲気となる。610で目の前にのこの沢の一番の核心部と言われる10mほどのF1と紺碧色の釜が現れる。ここには、昨年まで30年間も大木の流木が引っかかっていたらしい。それが今年なくなったいたことは情報で知っていた。ここを直登する強者もいるらしいが、自分はあっさりと左側のルンゼ状の崖に設置されている鎖とロープを利用して登る。急ゆえに怖さもあり腕の力も結構必要とした(4)。SHOさんは、直登を試みたが、結局諦めて同じ所を登ってきた(5)

 610のF1を越えて安心して進んだら、625で、深い釜を持った1mほどの滝が現れる。参考にしたganさんの本には「右からへつって上がる」としか書いていない。岸の水の中をへつろうとしたが、一箇所どうしても足が届きそうもない所がある(6)見渡してみたが、両岸は高い崖で囲まれていて、高巻きできそうもない。

 SHOさんは、手前の急なちょっとボコボコした岩盤を登り切って、木に掴まりながら横へトラバースした。しかし、ホールドになりそうな部分もなく、自分には滑りそうで怖くてそれができない。地形的に上からのロープは無理だが、横からでも、落ちたときの命綱としてロープを出してもらった。

 案の定、予想的中・・・3歩目ほどで、足の掛かりが悪く、滑って深い釜の中へドボン!・・・しかし、命綱のお陰で下半身から左肩の辺りまでの濡れで済んだ。ロープが垂直になる所まで移動して、引き上げてもらった。結局、自分にとっては、ここが一番の核心部だった。もし、単独で来たら、ここで引き返さざるを得なかっただろう。

 なんやかんやと30分ほどの時間を要したが、後ろから来るはずの夫婦連れはやってこなかった。どうやら、F1のところで諦めて引き返したらしい。

 その先でも、ハプニング発生・・・・テン場のある640二股を660二股と勘違いして、ganさんの本の「660二股は右へ」という記述にしたがって右へ進んでしまう。10分ほど進んで、どうも様子が変だとGPSで確認したら、間違っていたことに気づく。640二股で地図で確認し、ganさんのその前後の記述を良く読めば防げた間違いだった。結局戻って25分ほどのアルバイト・・・・。

 平凡な渓相を750まで進むと、左側にピンクテープがぶら下がり、そこにははっきりとした踏み跡が付いている。ここが、右岸林道との合流点だ(7)帰りはここから上がって林道へ出る予定だ。車でここまでやってきて、ここから登る人も多いらしい。確かにF1やドボンした釜を通らなくても済むお手軽ルートのようだ。


 900mを越えた辺りから1150m付近までは次々と滝が出現する。925付近の下に流木が引っかかった15mほどの滝は、中段のテラス状の所までその流木の右を登ると、両側に設置ロープがあった。自分は、左を高巻く方を登り、SHOさんは右の直登できるロープの方を登った(8)。次の樋状の10mほどの美しい滝は、右を直登(9)


 1100m付近の先にも赤茶けた岩盤の間を流れる樋状の長いナメ滝が続く。ここは流れの中の足場を探しながら直登していった(10)。沢の両岸にはミソガワソウが咲いている。今時季沢登りをすれば良く目にする丈の高い花だ(11) ここを登り切ったら、水流も少なくなり、滝もなくなったこの先には小さな沢の合流点が続くが、進む方向にピンクテープがぶら下がっていて心強い。やがて、涸れ沢となり、両側から笹が覆い被さってくる(12)

 
 笹のトンネルを掻い潜って登っていくと、目の前が急に開ける。笹藪の中にはっきりとした踏み跡が見える(13)そちらから声がして男性2人と女性2人のグループが下りてくる。土曜日なので、もっと多くのグループが登っていると思ったが、我々も含めてわずか2パーティとのこと。
 登山道もどきのハイマツの中を抜けると、最近色塗りされたと思われる頂上標識の設置された3回目の頂上へ到着(14)。頂上の下には、雪山ゆえに気づかなかった小さな「漁岳神社」と刻まれた鉄の鳥居と石の祠があった(15)


 残念ながら、周りはガスに覆われ、登ってきた沢地形以外には、ときおりガスの中から姿を現す本峰より10mほど高い北峰(16)と右下の湖面を見せるオコタンペ湖のみだった(17)

私の姿がいっぱい写っているSHOさんのページへ

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