石狩岳1967m) 
 <シュナイダーコース>   単独  13,7,24
@95,8,11の「ユニ石狩岳〜音更岳〜石狩岳」へ
A06,8,6の「石狩沢〜石狩岳〜川上岳〜ニペの耳〜ペテトク沢」へ

まだ登っていないシュナイダーコースから十石峠コースへと周回予定だったが、悪天候のため、石狩岳のピストンに終わる

4:00 幌加除雪センター発
登山地   点
下山
4:30
5:10
7:00
7:30
登山口
尾根取り付き
稜線分岐
頂 上
10:15
 9:40
 8:15
 7:45
[3:00]所要時間[2:30]

石垣山(愛別町)へ 
 石狩川の源流にちなんだ石狩岳。語義は様々な説があるが、上川地方ではアイヌ語の「イシカラペツ」を「美しく作りたる川」と伝えているという。

 最初は、95年に12時間近くを要してユニ石狩林道からユニ石狩岳〜音更山〜石狩岳をピストンした。2度目は06年、非常に易しい沢という情報が多い石狩沢を遡行して登り、登山道を辿り、川上岳〜ニペの耳と廻り、ペテトク沢へ下る循環縦走をした。したがって、メジャールートである「熊ころがし」という急坂で有名なシュナイダーコースはまだ歩いていなかった。

 そこで、今回は、シュナイダーコースを登り、石狩岳〜音更岳〜ユニ石狩岳と歩いて、十石峠から下る周回の予定だった。しかし、夜を明かした幌加除雪センター駐車場から登山口へ向かう段階で山はガスで覆われていた。ユニ石狩岳は諦めて、石狩岳と音更岳だけでシュナイダーコースを往復することにした。しかし、下山し始めたら霧雨になったので、結局、石狩岳だけのピストンに終わった。

 登山口へ着いたら、4:30前なのに、本州ナンバーの車が2台。一人がスタートしたところだった。準備をしていると8名ほどのガイドツアー一行が到着(1)

 スタートしてまもなく、凄い名前の「天狗神弁慶霊」の祠があった(2)登山道が流され、新しく付け替えたらしい登山道の入口に移設されたようだ。

 笹原の中に続く音更川源流部二十一の沢沿いの平坦な道を進む(3)30分ほどで、渡渉地点にぶつかる。幸い倒木を利用して渡ることができた。

 



 渡渉してまもなく、「石狩岳4.5km」「シュナイダーコース開削25周年 1986,9,15 足寄山友会」と書かれた表示板が設置されていた。ここが急登尾根の取り付く地点だ(4)86年に25周年ということは、61年(昭和36年)に開削されたということになる。当初は縦走路のエスケープ路として造 られたらしい。それにしても、以前からこのコースの命名の由来は興味があるが良く分かっていないらしい。同じシュナイダーコースという急なゲレンデ名が野沢温泉スキー場にある。これはシュナイダーというオーストリアのスキー選手に因んだものであるが、彼は登山家でもあったらしい。この急なゲレンデに因んでの命名かも? 尾根に取り付いてまもなく、ハクサンシャクナゲの花に迎えられた(5)


 いよいよ、標高差850mを直線距離2kmで登ってしまう超急峻ルートへ取りかかる。尾根に乗るまでの950〜1100は急だったが、尾根に乗った地点から1200までは緩やかだ。その後、1300辺りから本格的な急登が続く。道内で最もキツイとされている日高のコイカクシュサツナイ夏尾根を縦走装備で何度も登り下りしている自分にとっては、それほどキツイとは思わなかった。むしろ岩やハイマツの根っこなどをよじ登る変化と高度をドンドン稼いでいくことが楽しかった(6〜9)ただ、1400辺りからガスの中に入り、展望がまったくないのが非常に残念だ。高度計の変化だけが楽しみだ。途中で先行の三百名山巡りの岡山と倉敷の男性を追い抜く。特に急いでいたわけでもないが、速いと感心される。


 ガス中の左上にうっすらと石狩岳へ続く稜線が見えてくる。もう少しだ(10)。スタートして2時間30分、1770mの稜線分岐に到着(11)。ガスに覆われた見えない頂上を目指す(12)


 周りは何も見えないので、どうしても足下の花だけが楽しみである。ザレ場に咲くコマクサ(13)、崖状の東斜面を覆うエゾツツジとチングルマの綿毛などなど・・・(14)

 ちょうど3時間、何も見えない頂上へ一番乗り。速い人は3時間半で登ると聞いていたが、3時間で登ってしまった。自分でもびっくり・・・69歳、健在なり!

 この頂上の少し先にここより1m高い本峰があり、うっすらと見えているが、過去2回そこにも立っているので、今回はパス。三角点標石のような石が岩の上に立てられていたが、この山には三角点はない。隣の音更山に一等三角点がある。

 何も見えないので、腹ごしらえをして、15分で音更岳を目指して来た道を戻る。三百名山巡りの2名の男性と出会う。自分は3回目だが、初めてこの山に登り、再訪することがない方にとって何も見えないのは気の毒だ。自分も三百名山巡りは展望のない山は極力避けてきたことを思い出し、「ニペソツ岳だけは天気の良いときに登ってください」と頼んで別れる。

 稜線分岐まで戻ってきたら、霧雨が降ってくる。何も見えない中濡れながら音更岳まで行っても楽しくないので、カッパを着て、そのまま下りることにした。下り始めて20分ほどでガイドツーの一行が登ってきた。「もう戻ってこられたのですか?トレイルランでもしているようですね」と感心された。靴はトレランシューズだったが、走ってはいない。

 2時間30分で下山。いずれ、天気の良いときに十石峠のコースから登り、ユニ石狩岳〜音更岳〜石狩岳〜シュナイダーコースと周回する楽しみが残った。

 天気が良ければ、まだ入ったことのない野天風呂の岩間温泉にでもと思ったが雨脚が強くなってきたので止めて国道へ出る。国道へ出たら青空が覗いて太陽も照っていた。しかし、山は濃いガスで覆われたままだった。 



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