[61]ユニ石狩岳(1745m)〜[62]音更山(1932m)〜[63]石狩岳(1966m)
[ボンユニイシカリ沢コース] 95,8,12 天候 曇り
展望には恵まれなかったが、石狩連峰3山を11時間要してピストンする。
  
4:15 層雲峡発
登山地点下山
 5:15
 6:25
 8:30
10:00
11:15
ユニ石狩岳登山口
十石峠
プヨ沢キャンプ地
音更岳
石狩岳
16:00
14:45
13:30
12:30
11:30
[6:00]所要時間[4:30]
16:30 糠平温泉・ホテル大雪(入浴)
17:30 糠平公共駐車場(車中泊) 
 前日、層雲峡で林道ゲートの鍵の番号を聞いて、そのまま雨の心配もあったので駐車場で車中泊。
 次の朝、天候はガスが低く、予想したより良くなかったが、上空に青空がちらっとと覗く感じもあり。層雲峡から国道273号線を南下する。ポンユニイシカリ沢沿い林道に入り、ゲートの鍵を開け、登山口を目指す。
 鳴兎園
 登山口には、そこで夜を明かしたという登別の同年代の夫婦が出発するところであった。目指す山はガスで見えず。ひたすら期待を込めて出発する。20分程進むとエゾアカマツと苔むした庭園風の景観の中にナキウサギの巣穴がたくさん残っている「鳴兎園」(1)を通過。ナキウサギはもっと上の方はへ引っ越してしまったらしい。この後の岩礫帯で何度も鳴き声を耳にしたし、実際に愛くるしい姿にも対面もした。 やがて、沢いっぱいに岩や樹木が崩れて堆積している「大崩れ」と「小崩れ」を通過。崩れた岩に付けられた赤いペンキに導かれて進む。「大崩れ」で登別の夫婦連れを追い抜く。
コル付近からユニ石狩岳斜面を見上げる 
◎まず、ユニ石狩岳を目指す。
 十石峠手前のユニ石狩岳への分岐にさしかかる頃、タイミング良くその端正な姿をガスの中から現し(2)、頂上までの登山道がはっきりと見える。分岐にリュックを置き、コル付近のブッシュが濃そうなので、雨具の上だけを着け(下は、着けるタイミングを逸してしまいずぶ濡れ状態)背の高いブッシュの中に入り込む。

 コル付近はダケカンバの林で、そこを抜けて、ハイマツ帯の広い尾根をジグを切って登る。十石峠は眼下に見えるが、目指す音更や石狩の姿は見えず。頂上に近くなるに連れてガレ場が多くなり、岩礫地にはコマクサがまだ頑張ってたくさん咲いていた((3)。これだけの花は赤岳の駒草平以来で感激する。コケモモはもうすでに赤い実を付けている。登る途中ガスの晴れ間の眼下に十石峠が見える。(4)
 ガレ地に咲くコマクサ
 頂上に着いたが、再びガスに覆われ展望ゼロ。足を伝って靴の中に流れ込む水でガポガボいう靴下を脱いで絞る。凄い量である。この後、音更岳まで3回ほど同じことを繰り返す。ゴアの下を着けるタイミングを逸してしまうことは何度かあったが、靴の中まで水が伝ってきてこれだけ絞ったのは初めてである。ちょっと休んで下山開始。コルで鈴生り状態のクロマメノキの実を見つけ、立ち止まって3分はど食べ漁る。山で食べる木の実でこれが一番おいしい。
ユニ石狩岳から十石峠を見下ろす
◎次に、音更山を目指す。
 分岐でおにぎり1こと水を口にして出発。十石峠を経由するも、目指すべき音更山も石狩岳もガスで見えず。期待していたニペソツの勇姿もしかり。ひたすら目の前に続く道を黙々と進む。意外とハイマツのブッシュの濃い道が続く。枝が太く、手で掻き分けながら進む。途中、愛くるしいナキウサギとご対面。カメラを構える前に逃げられてしまう。
イチヤクソウ
 3つのピーク(帰り道で少しガスが晴れたので分かったが)を越えると道端にチシマノキンパイソウが咲いて、ブヨ沼キャンプ地に出る。ここで、2度程迷ったという登別の夫婦とまた一緒になる。そこにリュックを置き、エゾシカの足跡が続く踏み跡を辿り、プヨ沢まで下りて、冷たくおいしい湧き出たばかりの水を汲む。考えてみればこの水は石狩川の最も速い源流の一つであろう。感激ひとしおである。この沢まで下りる。辺り一帯は、お花畑でもう少し早い時期にはもっときれいな花が咲き乱れていたことであろう。今でも、チシマノキンパイソウやナガバキタアザミなどが咲いている。中に、イチヤクソウの花も見つける。(5)
音更山をバックに
 キャンプ地で一休みし、急なピークを登る。いくつかのピークを越えたところで、岩の小ピークの下の迷い道に入り、道を見失う。20分ほどろうろした後、元に戻り、元の道が直角に曲がって急な斜面に続く道を見付ける。ガスがなければ、その急な尾根が見えたであろうが、自分の周りしか見えない状態では、道を見失うのも領ける。
 
 その急な斜面を登り切るとガスが少し晴れ、音更山頂上とそこへ続く割りと平坦な岩石帯の道が見える(6)。周りの花々を楽しみながらその道を進む。登別の夫婦に再度追い付くが、私が迷っている間、直ぐ後ろまで来ていたと思ったのに、なかなか来ないので心配して、途中で休んで待っていたとのこと。申し訳なく思う。
 
 まもなくの音更山の頂上到着。目の前には、これから進む道がはっきり見える吊り尾根を隔てて険しい感じの石狩岳がガスにまみれながらもその姿を見せる。本来ならば、ニペソツ、ウペペサンケなどの東大雪の山々、表大雪、北大雪の山々の展望が広がるはずであるが、天候に恵まれない今夏は、目指す石狩岳が見えるだけでもよしとしなくてはならないであろう。


吊り尾根を越えて、石狩岳へ

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