[42] 知床硫黄山 (1563m) [硫黄川コース]  94,8,8(月)

4:15 知床キャンプ場
5:15 登山口着
登山地 点下山
5:25
6:00
6:45
7:45
8:00
登山口
新噴火口
硫黄川分岐

頂 上
11:15
10:30
10:00
9:10
9:00
[2:35] 所要時間 [2:15]
11:50 登山口発
17:00 日勝峠清水ライイン
19:30 信田温泉(入浴)
22:40 帰宅(八雲)

早朝の硫黄岳当初の計画は、羅臼岳から知床硫黄岳までの一日での縦走であったが、ガスで目指す羅臼岳も見えないこともあり、計画を止め、まだ登っていない知床硫黄岳単独のピストン登山に切り替える。早朝の硫黄岳を目指し(1)、海岸線の道を走る。
 カムイワッカ湯の滝を過ぎてまもなく登山口。登山届けではすでに一人が入山している。 初め樹林の中の割りと急な道を進むとまもなく展望の利くところに出る。眼下には湯の滝カムイワッカ川が見える。岩塔が多くなり、焼け焦げたような火山岩の裸地が広がり、あちこちに噴気口から噴気が立ち上ぼっている中をペンキの標識に導かれて進む。この辺一帯を新噴火口というらしい。ちょうど表面に朝日に輝く目指す硫黄岳頂上が望まれるのがうれしい。(2)
新噴火口付近から頂上を仰ぐ
  後ろにオホーツクの海を背負い前には頂上までハイマツに覆われ硫黄山の頂上が見える。この辺から知床連山の上に黒い雲が懸かり始める。頂上はまだ覆われていない。涼しい風が吹く。 やがて、ハイマツ中心の樹林帯の中にに入る。足元はハイマツの太い根や岩が続く。

 その尾根から硫黄川の涸れ沢へ下り立つ。今度はこの涸れ沢を頂上直下の肩まで登り詰める。涸れ沢だと思って登って行くとやがて水流が現れる。水は硫黄くさいかなと思い恐る恐る口にする。しかし、冷たくておいしい。雪渓の雪解け水であろう。沢の両岸は崖になって迫り、大滝、小滝、滑滝や岩場が続き、雪渓があったりと結構変化とスリルのある沢である(3)
硫黄川を埋め尽くす雪渓を行く
 肩の見える頃、間違って沢に続くガレ場の方の踏み跡を登っている。上を見ると登って登れないわけではないが、かなりの急斜面だ。変だなと思っていると、下から「今日は」を声が掛かる。先に入っていた人らしい。「こっちのほうにペンキの跡がありますけど。」と言う。地図やガイドブックで確かめてみるとどうも間違っているらしい。その人の方を見ると踏み跡の道も見える。 感謝して、慌てて斜めにトラバースして、正規の道に戻る。同じような足跡があることから見ても、間違いは多いのだろう。

 岩山風の頂上を右上に見ながら、段々傾斜を増してゆく沢を白っぽい火山灰に覆われた肩と称される尾根まで登り詰める。そこで、さっきの人に追い付く。三島市から来た人だと言う。沢の反対の方はウブシノッタ川へ続く大きな崖である。 あと20分位という岩峰状の頂上を目指して火山礫のザレ場の急な尾根をペンキの標識を目安にして先になって進む(4、本からの転載)。このころからガスが下の方から覆い始めてくる。

これまで越えてきた稜線をバックに頂上への(本から) 頂上直下は過去に転落死亡事故もあったというまったくの岩登り状態である。高所恐怖症が顔を出し始める。しかし、ガスのせいで下や周りがあまり見えないのとペンキの標識が親切に登りやすい所を選んでくれていることもあり、何とか登頂に成功。 ところが、運悪くガスが知床連山を覆い尽くし、展望が利かなくなる。雌阿寒のようなこともあるだろいうと朝食をとりながら、毎年のように北海道の山に登りにくるという三島の人と話しながら晴れるのを待つ。時折晴れ間が覗くも、羅臼岳の頂上部が見えるだけ(5)。縦走予定だったコースは完全に海の方からの雲海に覆われている。縦走を止めた諦めがつく。
雲の向こうに頭だけ出す羅臼岳
 晴れるのを諦め、先に何にも見えないガスの中を下山開始する。雪渓の水が割りと多く最初に流れ出している地点で、こっちが頂上直下を登っているとき、知円別岳の方から肩を目指して下った行ったパーティが昼食をとっていた。その中の一人が声を掛けてくる。大雪ででも会ったパーテイかなと思っていると、「失礼ですけどお名前は?」と来た。なぜ名前を聞くのだろうと思いながらも、名乗ると「やっぱり」と言う、良く見ると、昨冬、職場に体験交流実習に来た東京学芸大学のワンゲル部の一人・K君である。このようなところでの感激の出会いに、他のメンバーも喜んでくれ、ミルク紅茶を御馳走になり、暫く話して別れる。

 新噴火口付近でようやくガスから抜け出す。その高さで海の方から知床連山全体に黒い雲がずっと覆っていた。カムイワッカの方を見ると道路にかなりの車が駐車している。望遠鏡で川を見たら、水泳パンツを履いて遊んでいる観光客の姿がうじゃうじゃ見える。

 下山し、着替えて車の中で一休みし、カムイワッカの人込みを避けるように(あんなに人がたくさんいなかったら、少し登ってみようと思っていたが)一路帰路に就く。 途中、清水辺りで泊まって、跡、1日休みがあるので、明日芽室岳でも登って帰ろうかとも思ったりしたが、途中山にはどこも雲が掛かったいたこともあり諦め、今日中に走れるところまで走ることにして、斜里、美幌、津別、陸別、足寄、士幌と南下し、清水のドライブインで夕食をとり、石勝樹海ロードを抜け、由仁?の信田温泉で汗を流すべく寄る。ところが、狭くて、込んでいる上に、湯も茶色で少なく、上がり湯で頭だけを洗い、早々に上がる。

 途中眠くなったり、疲れを感じたらそこで夜を明かそうと考えているうちに、ふとんの上で寝たいという願望もあって、約11時間後に家に着いてしまった。3日連続の登山の後の11時間の運転には、自分の体力に自分で感心してしまう。

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