百軒岳(772.3m) [松前町/福島町] 
 <仮称・百軒林道ルート>  2名 07,07,22

数日前に函館へ転勤してきた道内700m以上の山完登を目指すKoさんと一緒の林道探索で見つけたルートでお手軽登山
 
登山
地 点
下山
14:00
14:40
取付き地点
頂    上
15:15
15:00
[0:40]所要時間[0:15]


 大千軒岳から白神岬に続く中央分水嶺上に聳える700m超峰のひとつである(1)(仮称百軒林道途中から撮影)。山名の由来は、大千軒岳が金山で栄えたときに、この山中にも家が多くあったといわれているが、定かではない。

 この山は、北隣の袴腰岳とともに残雪期での登頂を考えていた。しかし、すでに残雪期に登っている別々の2名から「地形図には載っていないが、百軒岳の北側の稜線上を立派な林道が越えていて、それが百軒岳の東側を通っている」と聞いていたので、その林道がどこから続いているか判ると、夏の登頂も可能ではない・・・と考えていた。

○道内700m超峰完登挑戦中の超人Koさん登場

 まだ誰もいない北海道内の700山ほどある700m以上の山完登に挑戦中で、すでに600山近くを踏破している札幌のKoさんが、このたび函館に転勤してきた。これまで、道央の方で何度か同行している方である。引っ越してしてわずか5日目にして早速お誘いが来た・・・・それも、前夜である。「明日、二人ともまだ登っていない上ノ国の大赤岳、赤岳、大岳の中でやれるところをやらないかい?」とのことである。

 道南の75山ある700m超峰のうち、彼の未踏は37山だそうである。ちなみに、自分は19山残している。もちろん、いずれも登山道のない藪山ばかりである。ここ数年、彼の挑戦に刺激されて、「自分はせめて道南だけでも・・・」と思ったいたが、単独では難しいことと、残っているのはどこも奥深い山ばかりなので諦めかけていたところに、願ってもないその本人が助っ人ととして登場である。

○林道探索ついでの思わぬ楽勝登山

 早朝4時に出て、上ノ国町湯ノ岱へ向かう。しかし、雨模様なので登山は諦めて、この松前半島の山で二人ともまだ登っていない10山のアプローチルートの画策に狙いを変えての林道探索をする。大赤岳、赤岳、大岳は入れる林道の最後まで進み、それぞれの取り付き地点を確定して、海岸線へ出て松前に向かう。黄金山、木無山、神ノ山のルートと取り付き地点を決め、さらに、大千軒岳新旧登山口へ通じる松前石崎林道へ入り、八兵衛岳、前八兵衛岳、袴腰岳、百軒岳へのルート画策をする。これには、地形図に載っていない林道(経営道)が載っている数年前に手に入れた現森づくりセンターの経営地図が大いに役立つ。
 
 その経営地図を基に、情報として仕入れていた「百軒岳と袴腰岳の間の稜線を越えて、百軒岳の東側へ延びる地形図には載っていない林道」へ、その基点となっている茂草大曲林道の途中から入ってみる。現在も森林整備作業で使われている快適な林道である。確かに、中央分水嶺を越えて百軒岳の東側の頂上から一番近いところで直線距離で200mほど、標高差110mのところを通過している。

 幸い、天候が回復したこともあり、「せっかくだからやりますか?」という彼の提案に異存はない。雨上がりの藪漕ぎなので、びしょ濡れは覚悟の上である。水の流れていない小さな沢地形の入口に車を置いて、その沢地形に取り付く(2)。沢の中の瑠璃色のサンカヨウの実が美しい(3)。しかし、その沢はわずか50mほどで源頭にぶつかり、その後は背丈を越す深くて強烈な笹斜面の藪漕ぎである。しかし、ネマガリダケでないのが幸いである(4,5)

 せいぜい30分もあればと思っていたが、沢地形が短かったのと、密度の濃い笹藪に意外と手こずり、沿面距離にして230mに、40分を要して頂上に到着。



 こんな頂上に夏に登った物好きな者は、三角点設置者と我々二人くらいのものであろう。藪を掻き分けてその三角点を探す。

 狭い頂上なので直ぐに見つかった。Koさんのいつもの儀式とのことで、その周りの笹や灌木をきれいに鋸で切り払う。私は三角点の頭が出るように周りの土や木の葉を踏んづける。頭を現した三角点は三等三角点であった。その前で記念写真を撮って、しばし休憩(6)

 少し経つと、周りのガスが取れてきて、津軽海峡側の展望が広がり、岩部岳などの知内山地と知内市街地が姿を現す(7)しかし、それ以外はガスに遮られたままである。南隣の周防堂山や今年の冬に登った檜倉山や松倉山、さらには、大千軒岳も近くで眺めたかったが、そうは行かなかった。

 20分ほどで下山開始。登りの痕跡を探しながら下るが、下りはやはり速い。15分ほどで林道に出てしまった。汗と雨上がりの露でびしょ濡れの衣服を取り替えて車の中へ。その後、袴腰岳の頂上付近へ突き上げている沢沿いのこれまた地形図にない林道を入ってみる。

○この日、二人で画策した残り9山のルート(残雪期はアプローチが大変な山ばかり)※メモ代わり

赤岳(715m)〜宮越内林道の直線にして4kmほどの道路決壊地点から、林道歩きで終点から頂上まで直線200mほどの藪漕ぎ
大岳(775m)〜赤岳への林道の途中から、沢地形を利用して1.2kmほどの藪漕ぎ、または、小森地区の林道が最終地点まで入れれば、頂上まで300mほどの藪漕ぎ
大赤岳(734.9m)〜湯ノ岱地区から入る上ノ沢右股沢沿いの林道の最終地点から200mほどの藪漕ぎ、ただし、上ノ沢右股沢の入口分岐のゲートが閉じているので、その鍵を調達するか、繋がっている宮越内林道からのアプローチ。
黄金山(785m)〜もっとも奥深い山、頂上から直線距離で1.6kmほどまで延びている石崎川左股川沿いの林道は13km手前の早川地区で土木現業所のゲートで閉じられている。MTB利用と沢登り・藪漕ぎしか手はないであろう。(1泊2日?)
神ノ山(735m)〜北面から頂上を巻くように突き上げている原口川の5kmほどの遡行。
・木無山(871m)〜奥末川沿いに延びている林道から7.5kmほどの奥末川遡行か、北側の石崎川の支流・右赤井川遡行(5kmの林道歩きと5kmほどの遡行)
前八兵衛岳(704.3m)〜海岸の小鴨津川林道終点から入渓し、7kmほどの小鴨津川遡行か、茂草川8kmほどのの遡行(1泊2日?)
八兵衛岳(790.5m)〜頂上の南側を巻くように続いている地形図にない林道から、最短で400mほどの藪漕ぎ
・袴腰岳(814.7m)〜大千軒岳登山口への道から、地形図にはない小鴨川沿いの林道を入り、終点付近から1.8kmほどの遡行。または、百軒岳への林道の最短距離1.2kmからの沢地形を利用した藪漕ぎ。 


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