伏美岳(1792m) 3回目    [伏美岳避難小屋コース]  3名 04,6,14
@ 94,9,04の「伏美岳〜ピパイロ岳」へ 
A 02,05,03の「伏美岳〜トムラウシ山〜妙敷山」へ

1時間以上にもわたるムラサキヤシオツツジの回廊と晴れ渡った日高山脈の大展望、そして、多くのうれしい出会いを楽しむ。

伏美岳避難小屋前
          (車中泊)
登山 地点下山
4:50
6:10
7:40
登山口
5合目
伏美岳
11:05
10:10
 9:15
[2:50]所要時間[1:50]
11:40  新嵐山荘(入浴)
16:00 音更着  
 中日高・北日高の核心部の展望台と言われるこの山の頂上に立つのはこれで3回目である。最初は10年前の秋、初めて北日高の山に入山しピパイロまでピストンし、2回目は、一昨年、まだ雪に覆われたGWにこの時期ならではの稜線で繋がっている両隣のトムラウシ山と妙敷山をセットにして登っている。3回とも快晴に恵まれ、非常に相性のいい山である。

 前日の芽室岳に続いて、日高デビューの「小さな写真館」の岳@札幌さんとこの山が2度目の「オジロワシの空の下で」のtaka@千歳さんの60代3人連れである。

 これ以上はないという快晴の朝を迎える。前日早く寝たためか、歳のせいか全員3時半には目が覚めている。ゆっくり朝食を摂り、それでも、4時半にはその先の登山口の駐車場へ向かう。登山口の駐車場で夜を明かした昨日の芽室岳でも先行者となった男性はすでに出発したあとである。

 朝日を真っ正面から受けて登山口を出発する(2)。この山も標高差1130mほどの山である。今日はtakaさんペースということで、彼が先頭である。このコースは、地図で見ても分かるように、1150m台地までは緩むことのない急登である。また花でも楽しみながらのんびりとと思ってスタートしたが、意外に花が少ない。3人とも名前も知らなかったナンブソウと対面する程度である。

 そうこうしているうちに、1100mを越えた辺りから、登山道の周り一面がちょうど満開のムラサキヤシオツツジの大群生となる(3)。傾斜が緩む1150台地から再び傾斜の急になる1400m附近まで、およそ1時間以上にもわたる間、ずっとまさにムラサキヤシオツツジの回廊である。これほどの一種類の花が群生して咲いているのは初めての経験である。まさに「歩いても、歩いてもヤシオツツジ・・・」の心境である。

 
 登山道の途中に大木のダケカンバが折れてトンネル状になっているところを潜ったりしながら高度を上げていく(4)。左手に妙敷山が見え、1400mから進路が真西に変わり、頂上直下まで再び急登となる。

 登山道を雪解け水が流れる頂上直下の雪渓の上からは左手に、札内岳〜エサオマントッタベツが見えてくる。頭上に見える高見のハイマツの切れ間を潜り、露岩と裸地の頂上へ到着する。迎えてくれた方は、昨日と同じ60代の男性である。まだ8時前といううれしい時刻である。

 昨日は恥ずかしがって全部を見せてくれなかった日高山脈は快晴の空の下に、惜しげもなく完全オールヌードである。南側の十勝幌尻岳〜札内岳〜エサオマントッタベツ岳とそれら抱くカール、その奥には遠く神威岳やピリカヌプリまで、札内岳の右手にはヤオロマップ岳と1839峰、エサオマントッタベツカール壁の上にはカムイエクウチカウシ山が・・・(6) 

 その右手に、昨日姿を見せてくれなかった幌尻岳と青空をバックに鋭く聳える戸蔦別岳〜北戸蔦別岳、隣の長い頂稜が特色のピパイロ岳がどっしりと・・・残念ながら1967峰はピパイロの陰のようである(7)。北側は日勝峠の向こうの山、その奥に芦別岳、十勝連峰〜表大雪の山々、東側にはニペソツなどの東大雪の山々、そして、果てしなく広がる十勝平野が・・・・。歓声を上げながら、山座同定を楽しみ、カメラに収める。

 

 いくら見ても飽きることのないそれらの大展望を欲しいままにするが、冷たい風が西側から吹き付け、体が冷えてくる。風を避けて頂上の北側の陰へ出たり入ったりしている内に、ピパイロ岳の方から縦走装備で戻ってくる男性がいる。挨拶すると、こちらの顔を見るなり「坂口さんですか?Yaです。」とのことで、またまたびっくりである。

 音更へ来てからメールのやりとりをしているが、一昨年、クワウンナイ川からトムラウシに登ったときの下山コースに選んだ扇沼山へのコル附近で初対面して以来のHYML仲間の「帯広周辺の山の花」のYaさんである。この時期しか見られないツクモグサ狙いで、1967まで一泊で行って来たとのことである。まだ、ピパイロ頂稜の向こう側の斜面はちょうど見頃だそうである。彼のHPで、芦別岳でしか見たことのないツクモグサがニペソツとこのピパイロで見られることを先日知ったばかりである。来年以降の楽しみとなる。

 まもなくして、ピパイロまで行くという北見のクーラカンリのメンバーが到着し、平日だというのに一気に賑やかな頂上となり、一緒に記念撮影となる(8)。ピパイロへ向かう一行とYaさんが去り、再び4人だけの頂上となる。

 1時間半もゆったりとくつろぎ、まだ十分時間はあるが、下山を開始する。下山の楽しみは、ムラサキヤシオツツジの回廊とやはり今日登るというメールをいただいていたHYML仲間の陸別のKoさんとの初対面である。1400m附近で二人連れが登ってくるのと出会う。尋ねると、やはり、陸別のKoさんと元上司だそうである。紹介いただいたその上司の方は私のこの春までの職種と同じ立場の方であり、お互いの知人がたくさんいて、つい、その話に花が咲く。久しぶりにこの春までの自分の仕事や立場を思い出す。彼等と別れて、ムラサキヤシオツツジの回廊を楽しみ、11時過ぎには登山口到着である。

 いつもこの山の帰りに汗を流す新嵐山荘へ向かう。その手前の展望台へ車で登り、今登ってきた伏美岳と眺める(1)。温泉ではないが、260円という格安価格でシャンプー類が備わっているきれいなお風呂である。昼食にレストランでざるそばを食べ、そこで解散となる。

目にした主な花々

ナンブソウ

ウコンウツギ

葉にくるまれたシラネアオイの蕾

サンカヨウ

ゴゼンタチバナ

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前日登った「芽室岳」


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