[88] 富良野西岳(1331m) [沢コース〜スキー場コース] 96、9、29

秋晴れの富良野盆地と見渡す限りの山々に別れを惜しむ。

登山沢コース
5:50
6:25
8:35
登山口
尾根取付き
頂上
[2:45]所要時間
下山スキー場コース
 9:55
10:45
11:40
頂上
リフト終点  
登山口 
[1:45]所要時間
12:00 新富良野プリンスホテル
              (入浴) 
20:00 帰宅(函館)
昨日の夕方、ここから見える形が一番よさそうな富良野の北の郊外から日没寸前の富良野西岳をカメラに収め(1)、スキー場の下のゲートボール場の駐車場で車中泊を決める。
富良野市郊外からの富良野西岳
次の日、 これ以上の天候はないだろうと思われる秋れの朝を迎える。日の出とともに、朝靄のべールを脱ぎ始める富良野スキー場の隣に聾える富良野西岳を眺めながら、登山口になっている新富良野プリンスホテルの駐車場に車を置いて出発する。
 
 朝日に輝く白いホテルの横から赤く染まる紅葉の富良野西岳の頂上部が見える。リフト下を潜り、スキー場の下を横切る作業道を進みながら、上を見ると北の峰の左側に立つ岩峰の横に十六夜の白い残月がぽっかり浮かんでいる。
 
 林に入るとまもなく沢沿いの道に出る。初めは林の中の単調な道を淡々と登るが、沢の幅が狭くなるにつれて、川岸や岩の上に続く踏み跡となる。右岸、左岸と何度も徒渉しながら進む。濃い緑色の苔むした岩と紅葉の中を流れる清流が爽やかである。

 1時間ちょっとで「仙人の泉」に到着。昨日、原始ケ原の下りで見た「天使の泉」と同じように伏流水がぽっかり穴の中に顔を出しているといった感じである。喉を潤し、水を汲んで一休み。 さらに10分程で「金鉱跡」の標識が目に入る。見ると岩の中に人工的に掘ったと思われるトンネル状の空間がある。それを覗き込みんでみるが、土砂もなく、誰かがきれいにしたのかと思うほどである。
 稜線から頂上岩塔を仰ぐ
 そこからまもなく沢と別れ、尾根に取り付く。下から見上げて予想していた通り、かなりの急斜面をジグを切ってどんどん高度を稼ぐ。ようやく稜線に出ると、まさに出来秋の富良野盆地が広がり、それを挟んで初冠雪に覆われた大雪連峰と十勝連峰が爽やかな秋空の下にくっきりと望まれる。思わず足を止め、それらの展望を楽しむ。
 
 だんだん傾斜が緩くなり、紅葉が鮮やかになってくる。陽射しは暖かいが、西風が強い。そんな頂上への稜線を登って行くと、突然目の前に本谷をこちらに向けて、この角度から見る姿が最もいいのではないかと思われる芦別岳がそのアルペン的山容を 現す。その形といい、現れ方といい、前天狗と天狗岳の稜線から姿を現すニペソツ山に対面したときと同じような感動を覚える。
 
 その雄姿にほれぼれしながら登って行くと、まもなく右上に目指す頂上部が姿を現す(2)。稜線を詰めて行くと、まもなくして、前日富良野市の北側から見るとぽっこりと突き出た岩塔に見えた頂上に到着。白い岩が露出し、周りが切れ落ちる岩壁になっている。もちろん誰もいない。頂上からの芦別岳方面の眺望
 
 南側には芦別岳から布部岳までの連なり(3)、はるか西側には暑寒別岳や羊蹄山までもが、北側には大雪・十勝連峰、そして東側には目高連峰とまさに360度の大展望である。良く見ると布部岳の横に少しではあるが、崕山の白い岩峰が覗いている。
 
 それらの素晴らしい展望を楽しみながら、お湯を沸かし朝食をとる。余りの天候の良さと展望の広さに下山するのが惜しい気になり、帰りの車の運転も気になるが、珍しく1時間半近くものんびり寛ぎ、それらとの別れを惜しむ。誰も登ってくる気配もなく、下山することにし、スキー場コースヘと下る。
スキー場斜面からの富良野盆地と十勝連峰 
 新コースであるスキー場コースは、まず、1236コブとのコルを目掛けて急斜面を下るが、登りの沢コースと違って、笹薮をきれいに刈り払って作られたコースらしく、快適な道である。コルを過ぎた辺りで、一人で登ってくる65歳位の老人に出会う。間違って向こうのスキー場の方から登ってきたそうである。かなりの距離であろう。
 
 その後、スキー場のリフト終点までの30分程は、登りに辿った急な頂上への稜線を右手に見ながらのはとんど標高差のない快適な紅葉の稜線歩きである。リフト終点で、休憩している40代の男性に出会う。そこからは、ワールドカップのダウンヒルコースをどんどん下るだけである。ゴンドラ終点からは周りが紅葉のコースの中に続く作業道を辿って、富良野盆地や大雪・十勝連峰を眺めながら(4)、真下の富良野プリンスホテルを目指してのんびりと下る。
 
 ゴルフやテニスのまさにリゾート気分でごった返ししている中を、ただ一人山歩きスタイルで駐車場へ到着。着替えて、ホテルの風呂で汗を流して、およそ8時間の帰路に就く。

超おもしろいJAJAさんの「富良野西岳の山日記」へ

 「北海道百名山紀行」目次へ  次へ「坊主山」  HOMEへ


inserted by FC2 system