風不死岳(1102.5m) 大沢ルート(登り)〜楓沢ルート(下り) 
  単独  02,06,4 
久しぶりに単独行特有ワクワク・ドキドキ感に酔った、登山、下山ともにワイルドで野性味たっぷりのマイナーなルートを楽しむ

93,9,19の「樽前山〜風不死岳」のページへ
 
5:30
自宅発 
 (国縫〜伊達間高速利用)
登山大沢ルート
 8:28
 9:10
 9:45
10:45
11:11
11:20
大沢登山口
F2チェックスチンの滝
F4
北尾根下岩場
北尾根
頂上着(昼食)
[2:52] 所要時間
下山二の沢ルート
12:20
13:00
13:24
14:25
15:02
15:30
15:48
頂上発
風不死岳登山口
二の沢分岐
F2高巻き
F1高巻き
紋別橋
大沢登山口
[3:28]所要時間
[6:20]総所要時間(昼食時間を除く)
大沢登山口
 2年前の11月に苫小牧市山岳連盟の事務局長をされているI氏からオフミ登山のお誘いを受けたが参加できず、その後、詳しいルートや滝の高巻き方の説明と地図をメールで送っていただき、大沢ルートのF1〜F4の滝の写真と高巻き方を載せている彼のHP(ぜひこのページを見て私の時の残雪に埋まった滝と比べてください)を印刷しておいた。また、最近相互リンクを結んだ北広島の若者TAM氏のHPにもこのの大沢ルートの記録も載っていて、参考にさせていただいた。今回は、それらを頼りに、代替休暇となった平日ということもあり、2年越しの念願のマイナーでワイルドそうなルートを楽しみに単独で挑戦することにする。 

 支笏湖畔の大沢橋の300mほど手前(西側)の作業道跡入り口に「大沢登山口」と書かれた小さな標識が立っている(1)。そこに車を置いて、ルート状況から岩の上と残雪など登山道でないところを歩くことが多いであろうとの予想からスパイク長靴を履いて出発し、その作業道跡を進む。踏み跡の状況からして結構多くの人が歩いているようである。
砂防ダムを越えて沢へ
 5分ほど進むとペンキで大きな矢印の書かれた砂防ダムにぶつかる(2)。作業道はここで終わっている。その手前に「登山者のみなさんへ」という看板が立ち、注意点が書かれてある。「へルメットロープを・・・」とのことである。どちら持っていない自分は少々胸が痛む。その砂防ダムを越え、岩がゴロゴロした涸れ沢の中の岩を伝い歩きながら進む。周りは鬱蒼とした暗い林である。
F2チェッククストンの滝
 30分ほど進むと水流の音が聞こえ、やがて沢を埋めた残雪が現れる。その残雪の上を歩いているうちにF2のチェクストンの滝が目に入ってくる。F1は知らないうちに通過してしまったらしい。振り返ると支笏湖の湖面が覗く。F2の滝も残雪で埋められて、名前の由来となっている狭い沢に大きな岩が詰まっている滝の頭が見える位である(3)。その10mほど手前の左岸にロープが掛けられている。見上げるとかなりの急勾配で、ロープを頼りにかなり上まで登ってから、やはりロープがあるから歩けるであろう急斜面のトラバースが始まる。眼下の沢を覗くと目がくらみそうな落差である。再び急な斜面に取り付けられたロープを頼りに下り、高巻きは終わりである。
F3と左側の高巻き
 まもなく、今度はF3の滝が現れる。やはり雪に埋まって頭の部分だけが見える程度である。ここは右岸の草付きの岩斜面を巻く。よく見るとその小さな水流の中に細いロープが設置されているがロープは無くても登れそうである(4)。

 さらに15分ほどすると、この沢で最大のF4の滝が見えてくる。夏には15mもある滝で高巻きも大変なところらしいが、ほとんど残雪に埋まっていてその勇姿が見られないのが残念である(5)。そのせいで高巻きに使う左岸のルンゼをその手前の涸れ沢と勘違いをしてしまい、距離にして150mほど登ってから、間違いに気づく。I氏に確認の携帯電話を入れたら外勤とのことで連絡がつかない。戻って、滝に近づいていくと半分ほど残雪に埋まったルンゼとロープが見えてくる。夏なら大変なところらしいが、ロープも使わずにあっけなく越すことができた。 
 雪に埋まったF4
 あとは特に難しいところも無いような広い残雪に埋まった沢地形を登って行く。その辺りから北尾根に抜けるトラバース地点を探しながら登って行くが、それらしいところが分からない。2カ所ほど急な沢地形が合流するが、一番右側の方を進む。上を見ると、トラバースしないで、まっすぐ北尾根に向かっている急な草付き斜面の左側ににずっと続いている赤いテープと微かな踏み跡に導かれながら、登って行く(6)。どんどん傾斜が増し、雪が溶けてまもないせいもあるのかザレ場のようなところもあり、夢中に登っているうちに進退極まり一歩一歩足場を刻んで怖々突破したりしながら、北尾根の下に見える岩場をめがけて登っていく。
北尾根に向かう草付き斜面
 F4を越えて1時間ほどで、北尾根下の岩場の下に到着する。北尾根に出るにはその岩場を突破しなくてはならないのだが、高所恐怖症の自分には到底無理である。腰を落ち着け眼下に広がる支笏湖を眺めながら思案した結果、左側の木が生えている岩尾根に取り付くことにする。
ガスの中の頂上
 木が繁茂して真下が見えず、掴まることができる木があれば怖くはない。あとは体力勝負である。藪を漕ぎ、木に掴まりながら登っていくと古い赤いテープを1本見つける。自分と同じことを考える人もいるということで、安心して無理やり登っていくと北尾根の登山道に飛び出す。そこではコヨウラクツツジの群落が迎えてくれた。ここまでは張りつめた緊張感と無我夢中の登りが終わり、ほっと一息つく。

 整備された北尾根の道を進むと5分ほどであっけなく9年ぶりの頂上へ到着する(7)。頂上には3人の先客がいる。早速I氏に電話を入れるがまだ外勤中とのこと・・・まもなく向こうから携帯に電話が入る。無事到着を知らせることができて一安心である。「トラバース地点が分からないでまっすぐ詰めてあの岩場に出たらと思って心配していたんです。」とのことである。さらに、「二の沢へのルートが分かりづらいので、これから休暇を取って合流しますか?」と言われ、そこまでしてもらわなくても彼からいただいた詳しい地図と説明があるので、「もし分からなくなったら、また電話します。」とお断りする。

 頂上からは、太平洋側はガスで覆われ、展望は北側の支笏湖が見えるだけである。昼食を摂り、先客とお喋りしながら1時間ほど休憩する。
 
 下山(楓沢ルート)へつづく

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