母衣月山(ほろつきやま)(503.5m)(寿都町/島牧村)G 
 南尾根ルート    単独  08,5,22

ネマガリダケ林を掻き分けて、寿都の弁慶岬へ落ち込む月越山脈の最高峰、一等三角点の山へ

登山地点下山
13:25
13:55
14:20
タケノコ園ゲート
林道分岐
頂 上
15:20
14:50
14:25
[0:55]所要時間[0:55]
16:20 寿都温泉ゆべつの湯(入浴)
18:30 道の駅シェルプラザ・港(車中泊)

 寿都町の弁慶岬へ落ち込む山並みを月越山脈という。れっきとした山脈名が地図に載っていることすら不思議なくらい延長10kmほどの緩やかな山並みである。その最高峰がこの母衣月山である(1)登山道はないが、一等三角点の山で、日本山岳標高1003山にも選ばれている由緒ある山だ。

  以前から気になっていた山であった。ネット上での冬の記録はあるが、夏の記録は見当たらない。頼みは、地図上に記されている頂上の近くを通過している点線(林道跡)だけである。

  黒松内から島牧へ抜ける道々537号線の最高地点がこの月越山脈の南端を通っている。その地点から山へ向かう林道分岐を目指す。晴れてはいるが、周りの黒松内岳、狩場山、大平山は霞んでボヤッとしか見えないのが残念。林道分岐から少し入ると、月越タケノコ園の入口になっていた(2)

  あと30分でタケノコ園は閉鎖されるらしい。車はそこに置いて行くように言われる。管理人からタケノコ園の地図をいただく。その説明では母衣月山はタケノコ園の中にあるような話であったが、こちらの地図では、その8番地点の林道分岐からタケノコ園を抜けて北側に進み、更にその奧のはずである。とりあえずは、林道とその近道を教えてもらってスタート。タケノコ園は迷わないように刈り払い道や林道の交差点に地図と番号札が設置されている。






  近道となる刈り払い道を通り、快適な林道へ出て(3)8番地点の林道分岐まで30分で到着。そこから北側に向かう林道へ入ると、直ぐ左手に、明らかに現在人が住んでいる比較的きちんとした掘っ建て小屋がある(4)電線も引かれていないのにTVアンテナもある。よく見たら廃車の軽四トラックの荷台に発電機が設置されていた。また、今も使われているボンゴ車もあった。この様な人里から遠く離れたところに住んでいる人はどんな人なのだろう。

 林道は直ぐその上で廃道になり、ネマガリダケで覆われ始める。それがだんだん濃くなり、背丈を遙かに越す。それらを掻き分けながら前進する(5)

 ところどころに分岐があり、間違った方向に進んで戻ったりしながら、とにかく頂上方向に向かう林道跡を選択して強引に進む。

 やがて、一段と高くなっている地点にイチイの木が1本立っているところへ到着。そこが頂上かと思ったが、三角点がない。GPSで確認したらそこは頂上ではなく、手前のピークであった(6)


 
その先は、一面の背丈を遙かに越すネマガリダケの海である。そのさきに微かに高く見えるところが頂上らしい。距離にして200mくらいのものであろう。ここまで微かに続いた林道跡はもうない。意を決して潜り込もうとしたが、もう一度高いところからじっくりその海を眺める。よく見たら、頂上へ向かって一直線にやや低いところが認められる(7)

 ひょっとしたら一等三角点の山なので、測量のために利用した古い刈り払い道の跡かも知れない・・・と期待して、そちらへ潜り込む。見た目には周りのタケ藪と変わらないが、足元をよく見ると微かに古い踏み跡の痕跡が認められる。それを外さないように掻き分けながら進む。その先に、明るく開けた一等三角点(点名・幌月)の設置された頂上があった(8)

 頂上の周りは背丈を遙かに越すネマガリダケ林の穴の中状態で、全く展望はない。一等三角点が泣く山である。むしろ、イチイの木が生えている前ピークの方が展望が利く。

 長居も無用なので、5分ほどで下山開始。足元には登りでも目に付いたタケノコがニョキニョキ頭を出している(9)その気になったら、わずかな時間で背負いきれないほど採れる状態だ。しかし、家へ帰るのは3日後。今採ってもどうにもならない。しかし、「採って!採って!」と言われているような状況に、誰かにあげてもいいと思い太めなのを選んで50本ほど採ってしまった。

 途中の林道から、かろうじて寿都港と市街地を覗くことができた(10)あとの遠望はガスで全く見えないのが残念。

 車に乗ってから、タケノコをゆうパックで送ることを思いついて、黒松内郵便局へ向かう。明日の午前中に届くとのことなので、留守番中の妻へ送った。このことを採るときに思いついたら、もっとたくさん採れば良かったと後悔したが後の祭り。

 ゴージャスな寿都温泉ゆべつの湯に向かう。入浴後、TVで相撲を見て、携帯からブログ更新をする。その後、今晩の車中泊地の蘭越道の駅シェルプラザ・港へ落ち着く。夕食は、ウドの芽やタケノコをたくさん入れたインスタントそばで大満足。


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