幌天狗(1222.1m)
<南西尾根ルート> ツボ足 単独 13、5,23
4:40 浜益温泉駐車場発
5:00 幌川林道ゲート(天気待ち)
登山 | 地 点 | 下山 |
6:05
7:25
9:00
9:50 |
ゲート前
・550
△943.6
頂上 |
13:20
12:10
11:20
10:40 |
[3:45] | 所要時間 | [2:40] |
14:00 浜益温泉(入浴・車中泊)
|
この幌天狗は、増毛山地の主峰暑寒別岳の南側に連なる群別岳の南東尾根の途中のピークで、実に堂々とした山である(1)。
地図上には山名の記載はないが、三等三角点の点名が通称として定着していて、積雪期に人気の山である。また、自分も著者の一人である『北海道雪山ガイド』にも掲載されている。
増毛山塊の主立った雪山の中で、暑寒別岳、浜益岳、雄冬岳、群別岳、奥徳富岳は踏破済みだが、この幌天狗だけが未踏だった。
実はGW時期にスキーで登る予定だったが、天候が悪く諦めていた。しかし、今年は異常に雪解けが遅く、先週末に登ったという方からの情報をもとにトライすることができた。スキーは尾根に上がるまでシートラしなくてはならないので用意をしなかった。
幌川沿いの果樹園が数軒並ぶ舗装道路へと入っていく。
一番奥の果樹園のスグ先に林道ゲートがある。ゲート前は広い駐車スペースが確保されている(2)。
あわよくば、吊尾根を伝って群別岳への可能性も含めて5時にスタートする予定だった。しかし、霧雨のために、ゲート前で天候待ちをして、スタートは6時になってしまった。
スパイク長靴で、ゲートからすぐ先の分岐から雪のない廃道化した林道へ入り、尾根を目指す。上空にはどんどん青空が広がってくる。
約1時間、標高400m付近でようやく残雪が続くようになった。500m付近で尾根に乗り、
600mを超えると、疎林帯のだだっ広い平坦な尾根に出る。振り返ると青い日本海が広がる(3)。
あまりにも平坦で広い尾根に、どこを歩いて良いのか判らないくらいだ。登りは高みを狙ってばよいが、下りはGPSがなかったら大変だった。
そんな中で、ダケカンバの幼木の林の根開けの様子や(4)、青空をバックにダケカンバに絡むツルアジサイの芽吹きなどをカメラに収めて(5)、のんびりと歩を進める。
やがて、標高点745付近で、左手に、踏破済みの浜益岳が見え、正面に目指す幌天狗がすっきりとした姿で見えてくる(6)。
850m付近から徐々に斜度が増してくるが、三角点943.6mピークを越えた辺りから目指す尾根がガスで覆われてくる(7)。その先から標高点1044mまでが、このコース唯一の急登である。長靴でキックステップを刻みながら一歩一歩登っていく。登り切ったところで、再びガスが取れ、目指すピークが現れる。目の前を横切るようにハイマツ帯の尾根が遮っている(8)。その切れ間を狙って登っていき、ハイマツ帯の南側へ抜けて頂上を目指す。右下には不気味に尖った黄金山、右手の先には奥徳富岳が姿を現す。頂上が近くなって初めて群別岳が姿を見せるようになる。
頂上手前から振り返ると、登ってきた緩やかな広い尾根とその先に日本海が広がる。さらに水平線上に白い連なりが見える。石狩湾を挟んだ札幌近郊の山〜羊蹄山〜ニセコ連峰〜積丹半島の山の連なりだ(9)。スタートから4時間弱で、低いダケカンバやハイマツが頭を出す頂上に到着。写真で知っていた頂上標識もあった(10)。
最高の天候に恵まれた頂上からは、増毛山地全体の山々が見渡せる。吊り尾根越しの目の前には黒いピークの群別岳とその後ろの暑寒別岳、右には奥徳富岳が聳える(11)。当初の計画では、吊り尾根から群別岳までのピストンも考えていた。しかし、霧雨でスタートが遅くなり、この時刻からの往復4時間は厳しい。諦めてのんびりと過ごすことにした。ちなみに、群別岳への縦走は、手前のピークまでは左側の根元をトラバースして、コルからは右側をトラバースして、群別岳の黒い右尾根を巻いて登頂するらしい。
振り返って、石狩湾の向こうに連なる札幌近郊の山〜羊蹄山〜ニセコ連峰の連なりをズームで捉えてみた。眼下には浜益の市街地が見える(14)。50分ほどのんびりと過ごして、下山を開始する。
下山後、群別岳のときに同行して下さり、昨年の黄金山では登山道整備をしていた幌在住の黄金山岳会会長のWaさんのお宅へご挨拶に寄って、しばし、奥様ともども山談義に興じる。その後、濃昼岳への林道偵察をして、浜益温泉へ。