幌内山(蘭越町)(841.6m)         単独(山スキー) 05,5.05

今シーズン最後の山スキー登山で、噴火湾の展望を楽しむ。

 6:30 日高町
10:30 林道入口
10:40 除雪終点 
登山
地点
下山
10:40
11:05
12:50
除雪終点
尾根取り付き
頂   上
13:35
13:20
13:00
[2:10]所要時間[0:35]
14:15 豊浦温泉しおさいの湯(入浴)
18:00 帰宅

GPSトラックログ(80kb)
(登り〜赤 下り〜青)
 この山は、道道32号(昆布〜豊浦線)を挟んで東側の昆布岳と対峙する山塊の盟主である山容にもどこといった特徴もなく、のっぺりとした目立たない山であるが(1)(豊浦町新富から撮影)、一等三角点の山でニセコ連峰や噴火湾の展望もよく、緩斜面の長い尾根がスキーに適しているせいか、冬期間から残雪期にかけて結構多くの人に登られている山である。
 
 山名の由来は、ペンケ幌内川の源流に位置することによるのであろうが、北海道には地形図に載っている同じ名前の山がこのほかに3山ある。幌内川もあちこちにあるので、その山名の由来はみんな同じであろう。
 
 道南に近いので、何かのついでに登ろうと思っていて、なかなかその機会に恵まれなかった山でもある。たまたま、5/3〜5の北日高山行の最後の日に糠平山と雁皮山を登る計画であったが、天候が悪いのと林道に雪がなかったので諦めて、帰路の途中で急遽この山に登ることにした。

 ルートは道道32号(昆布〜豊浦線)の立川から少し豊浦寄りに進んだ、パンケ幌内川沿いの林道から入る。林道入口に林道の名前が書かれた看板があるが、消えてしまって読むことができなかった。幸い、材木の切り出し作業のために林道の除雪が進んでいて1.8kmも車で入ることができた(2)しかし、作業が行われている平日であれば、車の置き場所に困るほどの狭い除雪の仕方である

  その除雪終点の200mほど先にも2台の重機が入っていて、道路に土が被っているので、その地点までスキーを担いで歩く。まもなく送電線の下を潜って、パンケ幌内川沿いの比較的斜度のある林道を登っていく。川沿いにはエゾノリュウキンカがあちこちに咲き、春の雰囲気を漂わせている。

 右側の尾根に取り付けばあとは頂上まで緩い尾根続きなのだが、その道沿いの斜面が南斜面のせいか雪付きが悪く、なかなか取り付くことができない。取り付き地点を探しながら標高300m地点まで進むと右から沢が合流し、その先に雪の付いた緩やかな尾根の末端が見えてくる(3)

 そこから取り付くことにするが、その先の地形が複雑で、雪がまだらに残っている状態で、なかなかすんなりと尾根へ上がらせてくれない。残雪を繋ぎながら登っていく。途中スキーを脱いで崖を登るところもあったりで、350m付近でようやく尾根に乗ることができた。

 さらに、400m付近で当初辿るはずの尾根に合流することができた。あとは頂上までまっすぐ尾根の中央を進めばいいのである。それにしても、この標高で緩やかな幅広の尾根にもかかわらず、生えている木はダケカンバの疎林だけである。きっとかなり以前に伐採をしたまま植林がされていないのであろう(4)

 振り返ると、昆布岳がその鋭峰を見せ、左手に噴火湾が見える。その向こうに駒ヶ岳が姿を現す。羊蹄山やニセコ連峰は雲の下であるのが残念である。

 二日連続の山行の翌日で、疲れが溜まってきているのか、斜度がそれほどないのに、息が上がり、ときどき休むことが多くなる。

 地形図上の646付近から見て、頂上と思われた台地状の斜面を登りきって頂上到着と思ったが、さらに奥に白く小高い雪見饅頭のような丸い丘が現れ、こちらが頂上であることが判って、よくあることだがちょっとがっかりする(5)

 最後の斜面を登り切ると、あとは間違いなく頂上である。結構多くの人に登られているようで、スキーの古いシュプールが残ってはいるが、尾根の上にも頂上の木にもテープの一つも着いていないのが不思議な感じである。

 頂上からの展望は正に一等三角点の山である。360度遮る物がない眺めは絶品である。太平洋側の噴火湾、日本海側の雷電海岸が見え、周辺の山々もすべて見渡すことが出来る。北西側には昆布岳と右奧に尻別岳、左奧に徳舜別岳・ホロホロ山、オロフレ山などが見える(6)。噴火湾側は天候もよく、すっきりとした海岸線と恵山岬から横津連峰、駒ヶ岳、雄鉾岳、遊楽部山塊、頂上部が雲に覆われた狩場山塊などがはっきりと見えるのがうれしい(7)ということは、これらの方からこの山が見えるはずであるが、山容に特徴がないので、よく分からないのかも知れないこれで、ニセコ連峰や羊蹄山が雲で覆われていなかったら最高である。この展望と、帰りの疎林帯の滑りがこの山の魅力なのであろう。

 それらの展望を楽しみながら、遅い昼食タイムにする。下りは今シーズン最後の滑り納めとなるので、大いに楽しもうと思うが、雪が腐り、汚れていてブレーキが掛かったり、急に滑ったりで、前後のバランス保持で疲れてしまい、楽しむところではない。ただ安全に速く下ることを考えてノンストップで滑り降りる。登りで1時間45分も掛かった尾根取り付き地点までわずか20分で下ってしまう。これだから山スキー登山は止められないのである。

 あとは、川縁の春を楽しみながら林道を15分でゴールインである。豊浦側へ抜け、途中から初めて眼にするこの山の全容を眼にする。豊浦温泉しおさいの湯で汗を流し、帰路に就く。



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