冷水岳(1176m)B
<南東尾根ルート> アルミかんじき  3名 12、3,10
A08,9,29の「夏道往復
@96,10,10の「冷水岳〜熊石岳〜白水岳循環縦走
★この山の登山道を開削し、維持管理してきた熊石山歩会は2011年に解散し、それ以降は廃道状態になっています。

5年来の念願が叶った大満足の南東尾根からの雪山登山

5:30 自宅発
7:30 見市温泉入口駐車帯      
登山
地 点
下山
 7:50
 8:40
10:10
11:10
12:00
駐車帯
275ピーク
c700
c940
頂 上
14:25
13:50
13:15
12:40
12:15
[4:10]
所要時間
[2:10]
14:45 見市温泉(入浴)   
17:40 帰宅

遊楽部山塊の日本海側、八雲町(旧熊石町)の平田内川源流部を取り囲むように連なっている山塊を、熊石山歩会が「道南アルプス」と名付けて、20年以上にわたって、その登山道の開削・整備行ってきた。その最高峰がこの冷水岳である。

 夏には2度登っているが、八雲と熊石を繋ぐ国道277号線から冷水沢川が形成する深い谷の正面に聳える厳しくも端正な山容を眺めては(1)、「いつか冬に登ってみたいものだ」と思っていた。それが現実味を帯びたのが2007年末に国道277号線を挟んで聳える毛無山に登ったときだった。そのとき同行したSHOさんが前年に登っていて、その山容と冷水沢川と浄瑠璃沢に挟まれたルートとなる南東尾根を眺めて、「いつかは自分も・・・」と思って5シーズンが過ぎていた。
 
 今回、そのSHOさんと昨年釧路から転勤してきたタニさんの同行を得て、ついに念願が叶った。

 朝5時に待ち合わせる予定だったが、不覚にも寝坊をしてしまい、45分ほども待たせてしまった。この歳まで生きてきて、寝坊して時間に遅れるということは生まれて初めての経験だった。距離的に近いので、中山峠を越えて日本海周りで八雲と熊石を結ぶ国道277号線へ向かった。

 ちょうど良い具合に、南東尾根の末端となる国道277号線の見市温泉入口の手前にバス停を兼ねた駐車帯があった。そこに車を置いて、直接尾根を目指した(2)
 
 下の方の尾根は狭くて急なので、山スキーは無理である。当初からアルミかんじきで登ることにした。

 歩き始めてまもなく、前を歩くタニさんの姿が突然消えた・・・沢を踏み抜いて、スッポリ落ちてしまったのだ。幸い足が届いたので、大事には至らなかった(3)

 その沢から崖状の急斜面をジグを切りながら左の痩せ尾根尾根に上がった。杉林の尾根を越えて、275ピークへ・・・・。そこを越えて、さらに急な尾根を登っていく。
 


 振り返ると、2007年末にSHOさんと登って、1回目の大腸癌早期発見のきっかけとなった端正な毛無山が見える(4)

 実は、その山に登っている最中に、内科医であるSHOさんに、最近何故か血圧が高めであることを話した。その原因を探るべく動脈硬化の検査を受けることになった。そのプロセスで貧血が見つかった。SHOさんの診立てで大腸癌の恐れありと、内視鏡検査を受けて大腸癌発見に至った忘れられない山である。

 その右側に通ってきた国道277号線の先に熊石の日本海が見える(5)



      
c500を越えると、尾根の幅が広くなり、傾斜も緩くなり、昨夜降ったと思われる新雪の上に快適な歩を進めることができる(6)。 
右後ろに雄鉾岳も徐々にはっきりと姿を現す(7)

      
c600で方向を西へ変えて進むと、c700でこれから越えていく850ポコの奥に頂上と夏道のある西尾根が見えるようになる(8)。 右側には、岩子岳とペンケ岳(9)


c880付近から、冷水沢川の源頭斜面と頂上部分の全容と対面(10)

 c900付近は、右側が浄瑠璃沢の源頭部となる。その崖状のところに分厚く積もった迫力満点の雪庇が発達している。途中から一部雪崩れ落ちたところも見える(11)

 そのすぐ上のc940付近で、西側へ方向を変えて頂上へと向かう。風が当たらないので、ここでゆっくり休憩し、腹ごしらえもする。

 周りの木を見たら、ここがちょうどブナの上限のようで、そこから上は、ダケカンバだけとなっている。この辺りから木々には霧氷が張り付いている。

 やがて、真西の方向に尖った山頂部が見えてくる(12)



       
頂上が近くなってくると、一面の雪原状態となる。こんなところまでスノーモービルが・・・?と勘違いするようなキャタビラ状の風と雪が造る造形が美しい(13)
真っ青な空と真っ白でたおやかな稜線とのコントラストに感激しながら頂上へと近づいていく(14)

     
スタートして、4時間10分、目の前にすっきりと連なる南白水岳〜中白水岳〜白水岳に迎えられて、頂上に到着(15)
それらをバックに早速記念撮影(16)夏に来ると目にできるダケカンバの幹に設置されている頂上標識は雪の下だった。

     
北側には、今は廃道になったが、96年に縦走した奥白水岳とその左の熊石岳、その奥には、残念ながら稜線分を雲で覆われた遊楽部岳(17)
もちろん、登りで目にしてきた南側の雄鉾岳方面や日本海などのスケールの大きい大展望を20分ほど楽しんで、下山開始。
下っていく方向には奥白水岳から続く尾根の先に岩子岳とペンケ岳、その奥に八雲市街地と噴火湾も望まれる(18)

 風の当たらない940地点で再びゆっくり休憩。太陽の光を受けて、頭の上から溶けて剥がれた霧氷の氷がバラバラと落ちてくる。

 下っていく途中のダケカンバの幹の上に、ねじり飴か割り箸に巻き付けた水飴を思わせるような雪塊を目にする。落ちてきたら大変だろう思いながら下から見上げる(19)

 雪山の下りは速い。快調に歩を進める。下の方でも、雲に覆われてはっきりと見えなかった山頂部分が見えるようになっていた。

 それにしても、期待したキタコブシの冬芽も必ず目にするウサギなど小動物の足跡も一切目にすることのない不思議な山だった。

 下の方は、雪溶けが進み、グサグサ雪となっていた。足を取られたり、急なところは崩れ落ちるような感じで下る。

 やがて、駐車帯にデポしてある車が見えて、2時間10分でゴール(20)

 これまでに道南の多くの雪山に登ってきたが、天候にも恵まれ、ルートといい、展望といい、その中でも印象的な大満足の山行だった。


 冷水沢川に懸かる橋の上から、谷の正面に見える冷水岳をカメラに収めたが、頂上のバックに白い雲があり、すっきりしなかったのが残念だった。その後、見市温泉で疲れを癒し、帰路に就いた。
96,10,10の「冷水岳〜熊石岳〜白水岳循環縦走」   08,9,29の「夏道往復

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