冷水岳(ひやみずだけ)(1175m)A  八雲町(旧熊石町)
 平田内温泉コース  単独  08,9,29

今春、笹刈りが行われ、町民登山会が行われたとの情報を得て、12年ぶりに再訪


8:20 自宅発
登山地点下山
 9:20
11:05
12:10
登山口
屏風岳
頂 上
14:30
13:20
13:30
[2:50]所要時間[2:00]
15:00 平田内温泉あわびの湯
              (入浴)
17:30 帰宅
GPSトラックログ
(地形図には登山道が記載され
ていないので、、参考に!)
 遊楽部山塊の日本海側、八雲町(旧熊石町)の平田内川源流部を取り囲むように連なっている山塊を、熊石山歩会が「道南アルプス」と名付けて、15年以上にわたって、その登山道の開削・整備行ってきた。その最高峰がこの冷水岳である(1)。この山名の由来は、冷水川の源流に位置することに因るものであろう。

 熊石山歩会も高齢化と人手不足で、最近は、それらの登山道の整備もままならなくなっているとのこと。ヤンカ山、白水岳、冷水岳は、かろうじて整備が続けられているが、12年前に一周縦走した熊石岳経由の縦走路はすでに廃道化している。

  そんな中、今年の春に、冷水岳が久しぶりに笹刈りがされて、町民登山会が開催されたとの情報を得て、12年振りに再訪した。1/25000の地形図に登山道が記載されていないので、そのGPSトラックログを取ることも目的の一つであった。登山口への入口となる平田内温泉手前から、そのピークを越えなければならない屏風岳とその右奧に頭を覗かせている冷水岳が望まれる(2)

 登山口は、国道273号線から平田内温泉の奧へと続く舗装道路を3.7kmほど進んだ大きなカーブの直ぐ先の右側にある。今回は、それを見逃して、更に1kmほど先の白水岳の登山口まで行ってしまった。

 更に失敗は続く。登山口をスタートして5分ほどで林道の分岐に差し掛かる。正面は大がかりな伐採作業?でブルですっかり削られている(3)記憶では、その先の林道を進んで尾根に取り付いたはずだが、その林道も削られていて、はっきりしない。迷っていると、左側の林道に昨日登ったグループの靴跡が続いている。変だなと思いながらも、つい、それに引っ張られてその終点まで進んでしまう。彼らも間違ったらしい。戻って、記憶を辿って、ブルで伐採された端を通り、正面の尾根の取り付きを目指す。20分ほど余計な時間を費やしてしまう。

 ○まずは、屏風岳(938ピーク)を目指して

 12年前の一周縦走時の印象は、とにかく急登が多いことであった。尾根に取り付いてから、c400mほどまではトドマツの人工林の中を進む。ここからすでに急な登りが続く。

 それを過ぎると、ブナ林の顕著な尾根道となる。高度を上げていくに連れて、その葉も色づき始めている。周りの灌木や斜面の紅葉を楽しみながら登っていく(4)ずっと緩むことのない、急登が続く。

  まず最初に登山道の先に見えるピークは752ポコ。その手前の急登を越えて、ピークに立つと、次に目に飛び込んでくるのが、屏風岳(山名は地図には記載されていない938ピーク)である。その手前の登りが、この登山道の核心部である。四つん這いの登りの先も設置ロープを頼りの簡単な岩登りが続く。それを越えてピークに立つと、ピラミダルながらも荒々しい感じの冷水山と初めて対面できる(5)

 冷水岳には三角点はないが、この屏風岳には三等三角点が設置されている。その点名が、なんと冷水岳・・・ややこしい。東側には、雲石峠を挟んで雄鉾岳とその周りの山々が見える。雄鉾岳の真西からの姿も新鮮で迫力ある眺めである(6)反対側には、平田内川を挟んで、過去3回歩いている白泉岳〜南白水岳〜中白水岳〜白水岳の連なりが樹間から覗く。

○アップダウンを繰り返して、頂上へ
 
 ひと息入れて「冷水岳まで2.1km 1:50」と書かれた標識の屏風岳をスタート。前回も1時間で登っているので、そのつもりで進む。北側が垂直に切れ落ちた高度感のある痩せ尾根を進み、918とのコルへと下る。この辺りから、いくつもの小さなポコとコルの繰り返しのアップダウンが続く。しかも、尾根が広くなって、周りは笹藪となっている。今年の春に笹刈りがされたばかりで快適に歩くことができたが、作業は大変だったろうと感謝しながら登る(7)。

  右手には、渡島半島の一番狭い部分を挟んで、その両側に日本海と太平洋が見える。太平洋と日本海を眺めながら登れる山は国内でもこの付近ならではのことであろう。

  とくに、日本海側に見える毛無山が懐かしい。この山は、このたびの大腸癌発見のきっかけとなった山である(8)(昨年末に内科医であるSHOさんと二人で雪を漕いで登ったときに、「最近なぜか血圧が高いんですよね」「動脈硬化が始まっているかも知れないので、検査してみましょう」という会話がきっかけで、その検査の過程で貧血が見つかり、大腸癌発見へと繋がった)

  そんなことを思い出しながら、最後の急登を登り詰め、1時間、登山口から迷った時間も入れて2時間50分で、細長い稜線上にある頂上へ到着。

  ダケカンバの幹に括り付けられた12年前と同じ標識がそれなりの歴史を刻んで迎えてくれた(9)。頂上はナナカマドやミヤマカエで紅葉や黄葉が美しい(10)

 頂上は、登山会もあったからか、前回より広く刈り払われて、頂上らしい感じになっていた。前回は、登山道の途中の頂上といった感じであったが、今回は、その先の縦走路への刈り払いがなかったので、余計頂上らしい感じとなっている。その縦走路はどこから続いていたのかさえ分からないほどになっていた。

  頂上の少し下からの北西側には南白水岳〜中白水岳〜白水岳の連なりが(11)、頂上の北側には、前回縦走した奧冷水山〜熊石岳の先に遊楽部岳(熊石の人たちは見市岳と呼ぶ)が望まれる(12)しかし、前回はっきりと見えていた縦走路の痕跡はすっかり消えていた。さらに、東側には、ペンケ山と岩子岳とその奧に八雲町の市街地と太平洋が望まれる(13)






 いよいよ、下山。とにかく最後まで続く急な下りと屏風山までのアップダウンがきつかった。2時間ちょうどで登山口到着。

  平田内温泉あわびの湯で汗を流し、帰路に就く。相変わらずの眺めて良し、登って良しのいい山であった。今度は、SHOさんお薦めの南東尾根から山スキーで再訪してみたいものだ。

96,10,10の「冷水岳〜熊石岳〜白水岳一周縦走」へ


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