平山A(1771m)〜比麻奈山(1811m)〜比麻良山(1796m)〜文蔵岳(1755m)〜有明山(1634m)〜天狗岳A(1553m)
平山登山口(白滝コース)〜天狗岳登山口(北大雪スキー場コース)  単独  04,9,15

96,7、20の「平山〜ニセイカウシュッペ」へ
00,5,04の山スキーでの「天狗岳」へ

快晴の下、北大雪の山を中心とした360度の展望と紅葉を楽しみながら、新しい縦走路を繋ぐ。

4:40 しらたき道の駅(車中泊)
4:50 天狗岳登山口(MTBデポ)
5:10 平山登山口
登下山
地点
5:20
6:55
7:35
7:45
8:15
9:30
10:30
11:05
11:40
13:15
平山登山口(1050m)
平山分岐(休憩)(1737m)
比麻奈山(1811m)
比麻良山(1796m)
文蔵岳(1755m)
最低コル(1320m)
有明山(1634m)
(昼食休憩)
天狗岳(1553m)
天狗岳登山口(665m)
7:55所要時間
<MTBで車回収>
13:25 天狗岳登山口
(途中で車に拾ってもらう)
14:20 平山登山口
15:00 白滝温泉(入浴)
札幌へ向かう

 平山の北側の比麻良山から天狗岳を繋ぐ稜線上の長い縦走路が昨秋開削され、今年手直し整備がなされるという情報を、今春発刊された『夏山ガイド』の増補改訂版で知り、今年の計画に入れていた。ただし、その『夏山ガイド』には「縦走路の総延長約12km、約8時間」と記載されているが、カシミール3Dで沿面距離を測ったら16.5kmもあった。自分は軽量化を図り、かなりの速歩でなんとか8時間で歩くことはできたが、普通の場合は休憩も入れて10時間はみた方がいいかも知れない。

 この縦走は、登山口が約400m高く、山の標高も高い平山側からスタートするのがベターであろう。しかし、課題は18km弱ある両方の登山口の間の交通手段の確保である。2台の車があればなんの問題はないが、単独行の私はMTB(マウンテンバイク)をその手段に選んだ。当初、8/11に挑戦すべく出掛け、天候に恵まれず中止した際、下見をしたが、天狗岳登山口から10km弱の舗装道路はほとんど下りで問題はない。しかし、そこから平山登山口までの支湧別川本流林道はずっと登りで、急になる最後の4kmは多分歩かなければならないだろうと、合計2時間と覚悟をしていた。

 前日の夕方、雨の中、次の日の「全道的に晴れ」の天気予報を信じて白滝村を目指して車を走らせ、道の駅で夜を明かす。夜半までの雨も上がり、天気予報通り放射冷却で気温は3℃という寒い快晴の朝を迎える。長距離戦なので、暗いうちに行動を開始する。まず、下山する天狗岳登山口の山の家の前にMTBをデポし、平山登山口を目指す。

まずは、稜線の平山分岐を目指す

 平山登山口にはまだ一台も車がない。登山口には陽光はまだないものの上を見ると紅葉に彩られた平山稜線の斜面はすでに朝陽に輝いている(1)。雨上がりでもあり、長距離戦に備える軽量化の一環として、靴は登山靴より軽いスパイク底の長靴でスタートする。案の定、支湧別川沿いの登山道は湧水や斜面を流れてくる雨上がりの水で水浸しである。

 8年前の記憶を思い出しながら登っていく。まず最初の沢を渡る地点は「夫婦の滝」で、建設現場の足場に使う資材の橋が架けられている。次の滝は右手奥で垂直に落下する「行雲の滝」である。この辺りから沢の両側斜面の紅葉が最高潮になる。次の滝が前日までの雨で水量が多くなっている感じの「冷涼の滝」である(2)。

 さらに登っていくと紅葉に彩られた斜面を流れ落ちる沢地形と滝が見えてくる(3)。約1時間で、8年前の夏は大きな雪渓で覆われていた「第一雪渓」に到着する。さすが、雪渓は姿を消し、その下で2本の沢が合流し、その上の方は真っ赤なナナカマドの紅葉が冠のように見える。振り返ると、昨秋登った支湧別岳やニセイチャロマップ岳や右端に武利岳も逆光の中にその稜線を見せている(4)。

 前回は雪渓の上の赤いスプレーやトレースを辿ったので登山道がよく分からない。探すと合流する2本の沢の左側に近い方に踏み跡がある。その上のウラジロナナカマドの紅葉とすっきりと晴れ渡った青空のコントラストがみごとで、思わずシャッターを押す(5)。

 この辺りまで来ると、後ろ照らされる太陽で、手袋をしても冷たかった登山口付近が嘘のように汗ばんでくる。右上には、これから辿る比麻良山の紅葉斜面が広がり(6)、その先には、有明山と天狗岳が見えてくる(7)。

 「第二雪渓」に出ると、日陰になっているあちこちに霜柱が残っている。この辺りは明らかに氷点下となったようである。この高さの紅葉はすでに終わった感がある。

 やがて、稜線が近くなり、登っていくと、まず最初にニセイカクシュッペの小槍が目に飛び込んでくる。稜線に出るとそこは、平山分岐である。左手の平山頂上の右側に朝日に輝く表大雪の山々のくっきりとした大展望が広がる。この展望はこの山からしか得られない貴重な眺めである。9日前に歩いた黒岳〜北鎮岳の紅葉は、台風18号のせいかすっかり茶色になっているが、その下の方の紅葉がピークを迎えている(8)。さらに、右手前にはニセイカウシュッペの全容がやはり朝日に輝く姿が迫ってくる。ここで、まずは朝食の腹ごしらえを兼ねて15分ほどの休憩を取る。さすが、風は冷たく、今年初めてフリースを上に着込む。


つづく

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