[75]東ヌプカウシリ山(1252m)[白樺峠コース]96,9,6
   
苔むした盆栽風の林を抜け、広大な十勝平野を眺望する

8:50糠平キャンプ場発
9:00然別湖
登山地点下山
9:20
9:55
登山口
頂上
10:40
10:10
[0:35]所要時間[0:30]
11:30菅野温泉入浴    
20:40帰 宅 (函館)
早朝の西クマネシリ岳を下りて、糠平キャンプへ戻り、登山口から頂上を望むテントをたたみ、然別湖畔を通過し、東ヌプカウシリ岳へ向かう。標高は1200mを越しているが、登山口となる白樺峠が1000m近くあり、標高差も少なく散歩程度で登られる山である。梅沢俊氏が『北港道百名山』に選んでいる以上、何かいいこともあるだろう、帰り道でもあるの登ってみることにする。

 この辺の山は、自然保護か観光開発かでもめている士幌高原道路のルートになっているところである。確かにナキウサギの生息地でもあるし、回りの道路が結構整備されきたことから考えても生活道路としても観光道路としてもそのメリットは薄いなと思いながら、登山口に当たる白樺峠の路肩の駐車帯に車を止める。
 
 ウェストバックにウィルソンとバナナを1本誌め、カメラを手に持ち、Tシャツのみの空身で出発。ちょうど3人達れのおばさんグループが出発するところであった。その人達のお陰で、自分が駒止湖の方へ行く道を登山道だと勘違いしていたことに気付く。良く見ると、笹原の中に山に真っ直ぐ向かう細い道がありその先に目指す山が見える(1)。助かる。
 苔むした暗い林を抜けて
 笹原を過ぎると、アカエゾマツとトドマツの混じる針葉樹林へと入って行く。林床は、岩が一面苔に覆われ、薄暗く、しっとりとした盆栽風の庭園状態が続く様が魅力的である(2)。ところどころにエゾムラサキツツジが咲き、道端には清楚なヒメイチゲがしおらしい姿を見せている。それらの雰囲気を楽しみながら、結構急な登りを詰めて行くと次第に明るくなり、白い幹が目立っダケカンバの稜線に出る
 
 緩やかな稜線の道から振り向くと、オブタテシケ山への途中にある石垣山と同じような、岩石を積み上げたようなまさにその名も岩石山が見える。この山が士幌観光道路のトンネルが掘られる予定の山である。この辺の山は似たようなロックガーデン風の地形があちこちに見られる。まさに、ナキウサギの生息地として絶好の環境である。
 頂上からの十勝平野の眺望
 のんびりと明るい稜線を進むと頂上に着く。東大雪の山々や然別湖などは他の山に遮られて見えなかったが、反対側を振り向くとちょうど覆っていたガスが晴れ、広大な十勝平野独特の畑地のモザイク模様が広がっている。この二日間、目にすることができなかった展望だけにすごくうれしかった。まさにこの山の魅力の一つは「十勝平野の展望台」であろう。暖かくもっとのんびりしたかったが、ハエが煩いのと日光を遮るものがないので、早々に下山する。下山後ガイドブックを見たら、頂上の南斜面への踏み跡を辿るとロックガーデンがあるという。良く読んでからスタートすれば良かったと悔やむ。
 
 然別湖温泉で汗を流したくて、戻ったが、最初にいったホテルは清掃中、もう一つのホテルは入浴だけのお客さんは断っているとのこと、仕方なく、ちょっと遠回りになるが、昨日の菅野温泉に回って入浴する。

 鹿追町で手打ち蕎麦の昼食をとり、日勝峠を越え、美笛峠を越え、大滝村できのこ丼を夕食にし、計画通り3山を登覇し、東大雪完全制覇の満足感に痩りながら、8時間30分掛けて帰宅する。


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