8日目 2004、10,12 24番 (曇り時々晴れ) <35.6km> トータル <232.9km>
<ペンション サウス・ショア>5:15→(35.6km)→
24最御崎寺(ほつみさきじ)
→(0km)
→
14:00
<室戸岬最御崎寺遍路センター>
○空と海だけのまさに空海の道をひたすら室戸岬を目指す
宿に着いてからHPの更新作業があるので、常に宿には遅くとも16時には着きたい。今日は、およそ36km先の室戸岬にある24番の最御崎寺までの予定である。1時間4km計算として、最低でも9時間、昼食タイムと参拝を入れて10時間は必要であろう。そこで、暗い内に出発することにする。
5:15,ヘッドランプを付けて宿を出る。向かいのコンビニで朝食のパンとスポドリを買い、昨日に引き続き国道55号線を歩き始める。昨日の海沿いの道はリアス式海岸で、風光明媚な景観が楽しかったが、
今日ははるか彼方に見える室戸岬まで、変化のない海岸線が続くだけである(1)。
6:25,
水平線を覆う雲の上からようやく朝陽が顔を出す。その光線が左側の道路の壁に自分の遍路さん姿を映し出す(2,3)。
この前後、次の室戸市の集落までの10kmほどは、山が海岸まで迫っていて人家も全くないところである。
7:30、途中海岸へ下る道を見つけ、波打ち際で朝食(パン)を摂りながら休憩する。まさに目の前は空海の名前のとおりの空と海だけである。
周りには北海道では目にすることのない貝殻がたくさん落ちているので、子供に戻って貝殻集めをして、カメラに収める(4)。
国道に戻って前を見ると、昨夜夕食時一緒だった2歳年上の姫路のKoさんが休んでいる。私より15分あとに出たとので、その後、昼食時まで相前後して歩く。本人は謙虚であるが、なかなかの健脚である。
8:00,室戸市へ入るが、依然として人家なし。
途中の道端でハイビスカスの花が咲いている。これまでは鉢植えしか見たことがないので、南国に来た感を強くしうれしくなる(5)。
このほかにも、リュウゼツランやお化けのようにでかいオモトの仲間も自然に見ることができる。
8:30、ようやく佐喜浜という集落へ入る。ここは国道に平行している旧土佐街道を歩く。
家の軒先にとげとげのたくさんある貝殻を下げている家が数軒あるので、聞いてみると、「バラの貝といって、魔よけです。」とのことである(6)。
11:30,次の
椎名の旧土佐街道の町並み(7)
の端にある食堂でエビとすり身のフライ定食を食べる。これがボリューム満点で、非常に美味いのに、わずか700円なのがうれしい。
○ようやく室戸岬、ゴールは標高165mの急な山の上
この辺りまで来ると、ずっと遙か彼方だった室戸岬がすぐ目の前である。
岬を回り込む手前に真っ白で大きな空海(弘法大師)の「青年大師像」が建っているのが遠くから見える(8)。
そこを越えると、室戸岬である。時間的余裕もあるので、その岩の間を縫うように設けられている乱礁遊歩道を巡る(9)。
遊歩道から国道に出ると、ちょうど遍路道の参道入口である。岬の灯台より上の標高165mにお寺があることは知っていて、覚悟はしていたが、およそ35kmも歩いてきた後のわずか675mで海抜0mからのこの標高差はきつい。
ほとんどがジグを切って続く石段の急登である。とても一気に登ることができず、途中一回休んでしまう。
14:30,15分ほどで、
最御崎寺の山門の前に建つ(10)。
今日はこの境内の中にある室戸岬最御崎遍路センターに泊まる予定なので、ここがゴールである。境内では小学生が写生をしていた。
参拝と納経を済ませ、その裏にある遍路センタへ行く。まだ新しい4階建ての立派なホテル並みの大きな建物である(11)。
なのに2食付きで5,985円というのもうれしい。チェックインして部屋に落ち着き、
室戸岬灯台(12)
を見るために山門まで行くと、Koさんが到着したところである。
コインランドリーで洗濯をして、久しぶりに大きな風呂に入り、疲れを癒す。湯船で函館の知人にそっくりな人と一緒になり、まさか思いながらも挨拶するとやはり別人であった。それにしても二人とも個性的な顔立ちをしているのに、髪の毛のウエーブのかかり方や白髪の状態までそっくりで、見れば見るほど同じ人に見えてしまうのである。強いて言えば言葉が違うくらいである。
○夕食時、盛り上がってしまい、HPの更新は翌日の早朝に
隣の部屋のKoさんと
夕食(13)
に下りる。
隣の席が先ほど風呂で知人と間違った人をリーダーとした車遍路の5人連れである(14)。
この方は72歳というが、豪快なのに、細やかな気遣いに溢れ、頭の切れが鋭く回転の非常に速い人である。顔を見ただけでその人が大体分かると豪語していたが、本当に私の性格の特質などをずばっと当てられてしまう。
岡山県のKaさんという方で、橋本龍太郎元首相の地元後援会会長の肩書きの名刺をいただく。本職は会社の社長さんらしい。すっかり意気投合してしまい、ビールをご馳走になり、勧められるままに飲んでしまう。まさに人間味溢れた切れ味鋭い政治評論家である。
HPの更新も気になり、KoさんとそのKaさんを食堂に残して途中で部屋に戻るが、とても更新作業ができる状態でない。途中までの状態に「明日の朝まで待ってください」という断り書きを入れてアップして、20:00〜3:00まで爆睡してしまう。
○支出
スポドリ・パン460円、昼食(エビ・すりみ定食)700円、スポドリ150円、缶ビール270円、瓶ビール500円、コインランドリー300円、宿代5,985円<合計8,365円>
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