6日目 2004、10,10  22番〜23番 (晴れ)  <35.3km>  トータル <172.7km>

<民宿山茶花>7:00→(0km)→22平等寺→(19.7km)→23薬王寺→(15.6km)→15:50<民宿杉本>

○30℃の中、ひたすら国道55号線を歩く
 昨日の納経時刻に間に合わなかったので、まず宿を出て隣の22番の平等寺に向かう。本堂への階段がやたらと急なお寺である(1)。7時前なのに、すでに数人の参拝者がいる。納経を済ませ、なくなった蝋燭を買って、宿に戻り、リュックを背負い、寺を背中にする道を進む。国道55号線に出た地点が4.8km地点であり、そこまでをちょうど1時間で抜ける。途中、きちんと手入れがされている竹林を目にする。真ん中になにに使うのか分からないめのこコトタンの樋状のものが上から続いている(2)。他の竹林ではレールのようなものが見られるがどんなことに使うのか見当が付かない。(後日、これを読んだ読者から、掲示板に、「これはタケノコを運ぶための樋やレールです。」との書き込みがありました。)

 その後は、結構アップダウンの激しい国道55号線をひたすら歩く旅である。山中の道が多く、特に見るものがなく単調で精神的に参ってくる。6日目にして初めてトンネルを潜る。最初のトンネルは広い歩道と頑丈なガードレールが設置され、外のように明るいので、「さすが遍路さんを大事する四国!」と思ったが、それはここだけであとは、ほとんどガードレールもなく、中には歩道もないところがあった。

 いろいろな距離標識が減っていくのが楽しみな歩きである。だいたい休憩も入れて1時間5kmペースで歩いたようである。ところどころに遍路休憩所が設けられているのがうれしいが(3)、一定の距離ごとなら歩くペースに合わせて使えるが、そう都合はよくできていない。

○観光客でごった返す薬王寺とオールセルフのうどん屋
 阿波路最後の23番薬王寺に近づくと左の高台に初めてお城を目にする。名前は分からないが、地名からすると日和佐城であろうか(4)?ここは道端の看板を見ているとウミガメが卵を海に来るので有名な海岸のようである。

  11:30、約20kmを4時間で、薬王寺に到着(5)。この寺は日曜日ということや、観光地ということもあり、これまでの寺にはなかった観光客の参拝者が非常に多い寺でびっくりする。これで、阿波路「発心の道場」の寺は終わりである。いわゆる、一国打ちが終わったのである。しかし、明日は寺のない阿波路をひたすら歩かなくてはならないのである。

 寺を出て、昼食に近くのセルフの手打ちうどん屋で天ぷらをたくさん乗せたうどんを食べる。このセルフ、うどんをお湯で湯がくところから汁を入れることろまで徹底したセルフであるのに驚く。

 当初の予定ではそこから約20km先の鯖大師遍路会館まで歩く予定だったが、今日は疲れが残っているのと、やたらと暑いことと、15.6km地点の牟岐駅付近にAUショップがあるとのことなので、そのそばの民宿杉本に宿泊予約の電話を入れる。

 ペースを落とすことなく、しかし、時々休みながら再び国道55号線を歩く。牟岐町の境界までは概ね登りである。おまけに凄く暑いが、せいぜい25℃くらいかとおもっていたが、その町境界線の峠に設置されている温度計を見たら、なんと30℃である。びっくりしてその場に荷物を下ろして座り込んでしまった。この時期に30℃を経験するとは思わなかった。おまけにその休憩中に蚊に腕を刺されてしまう。

 その後は下りだけの7kmである。疲れてくると下りも山道を違って舗装道路は結構辛いものである。前を見るとカートにたくさんの荷物を載せて菅笠を被った男性が歩いている。よく見ると上半身裸である。追い付いて挨拶し話しかけたが、仙人みたいに髭を生やした老人で、耳が遠くて全然会話が成り立たないので、そのまま追いこして前を進む(6)。

 15:30、牟岐駅の手前にAUショップを見つけ、携帯電話を見てもらうが、修理には数日掛かるし、かなり使い込んでいるので新調した方がいいと勧められ、そうすることにした。その後、民宿杉本に向かう。まだうれしい16:00である。早速HPの先日までの2日分をアップし、その後、今日の分の更新作業に取り掛かる。

○菅笠は歩き遍路のステータスシンボルか?
 お寺へ着くと、車や貸し切りバスのお遍路さんが圧倒的に多いが、その中には菅笠を被っている人はまずいない。車の中やバスの中では邪魔で被っていられないであろうし、その必要もないのである。その中で本当に数少ない菅笠スタイルの人はすべてと言っていいほど、リュックを背負った歩き遍路である。

 それにしても、この菅笠、なかなか優れものである。雨のときは上からビニールで覆うと、雨合羽を着るだけで顔から肩の周りは雨に濡れることはない。また、今日のように日差しの強い日は日陰になるので涼しく感じる。それになんと言っても軽いのがいい。

○支出
 賽銭80円(20×2×2)、納経代1.000円(500×2)、蝋燭300円、昼食(天ぷらうどん)540円、スポドリ300円、おやつ、果物、缶ビール545円、クスリ2080円、ビール1本400円、宿代6,500円 <合計11,745円>

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