39目 2004、11,12 (雨後晴れ)  88番   <12.3km> トータル<1,063.9km>    

<ながお路>7:00→(12.3km女体山越え)→88大窪寺→13:30(コミュニティバス)→志度町→14:46(高速バス)→19:30<ビジネス旅館ナニワ>(大阪難波)

○結願(けちがん)前の登山モード女体山越え
 7:00、いよいよ最後のステージの開始である。まずは、前山にあるおへんろ交流サロンを目指して、霧雨の中の県道3号線を1.8kmほど歩き、その側を通る遍路道へ入る。今日で四国の土を踏むのも終わりかと思うと、一歩一歩をじっくり、ゆっくり歩みたくなる。しかし、道沿いの鴨部川の崩壊がもの凄い状態で、女体山越えの山道が心配である。

 8:20、前山おへんろ交流サロンへ到着する(1)。9時からの開館であるが、すでに開いている。お茶をご馳走になり、資料展示室をざっと見せていただきき、今日で結願する予定だと話すと、「四国八十八ヶ所遍路大使任命書」なるものと、可愛い遍路バッチをいただく(2)。

 館長さんから女体山越えの道の様子を聞く。予定は、サロンから林道を800mほど進み、左の来栖神社へ繋がる道からの遍路道で女体山を越える予定であるが、サロンとしてはあくまでも国道利用を勧めていると言う。

 こちらの登山の実績を話し、館長さんから概ね崩れている箇所と状況を聞く。逆打ちの人で通って来ている人はいるとのことである。あくまでも自己責任ということで、危なかったら戻るし、無事着いたら電話をするということで出発する。
雨も上がったが、昨夜洗濯したズボンを汚したくないので、カッパの下だけを履いて、ズボンはリュックに入れる。

 昨夜、掲示板にoriaiさんからいただいた情報をもとに、サロンの前の道を800mほど進み、標識に従い、左の橋を渡り、来栖神社前経由の遍路道へ入る。川沿いはあちこち崩壊が凄い状態であるが、歩くのには支障はないし、ずっと舗装されている。右手にこれから越える女体山と思われる山が見える。

  遍路地図上の標高250m地点から林道と別れて、遍路道に入る。途中何カ所か崩れているが、それほど危険だと思うところもなく(3)、多和神社経由の林道の遍路道と合流する太郎兵衛館の上に出る。その手前のピークから女体山の頂上が見える。コル付近には林道の白いガードレールも見えている(4)。

 林道の「従是女体山頂まで1,138m」の標識の分岐から木の土留めの階段が続く遍路道を進む。次に林道を横切る地点に通行止めのテープが張られ、「この上で完全に道が流失していますので、林道をご利用下さい。」という小さな張り紙がある。

 一応、その状況をこの目で確かめて、ダメなら戻ろうとそのまま進む。200mほどして、急斜面をトラバースする地点の道が足下から谷底まで崩れている。ここは以前にも崩れたらしく、新しい土留めが少し残っている。かろうじて、5mほどであるが、山側に靴の幅が掛かるくらいの足場が残っているので、右手斜面の灌木に掴まりながら通過する(5)(写真は通過後撮影)。

 確かに誰にでも勧められる箇所ではないし、まだ崩れる可能性が大きく、いずれはその上の斜面を灌木に掴まりながら高巻きする必要が出てくるが、そうなると、ますます危険になるであろう。

 そこを越えるとあとは崩壊箇所はなく、そのまま標高776mの女体山山頂を目指す。頂上直下は岩尾根となり、山屋にとっては美味しい場面である(6)。

 10:15、いろいろな石碑の建つ女体山頂上に到着する(7)。その後ろに遍路休憩所もある。女体山の隣に11mほど高い矢筈山があり、そちらへの登山道もあるが、大窪寺への道を下ることにする。林道を横切るが、下りてきた女体山への道に通行止めのテープが張られている。

 やがて、展望台に出る。ここからは右手に矢筈山(8)、左手に大窪寺の後ろに聳える迫力満点の岩山が見える(9)。さらに眼下には大窪寺が見えている(10)。

 
○ついに結願の88番大窪寺
 10:45、10/5にスタートして39日目(正味36日)にして、念願の88ヶ所巡りのゴールの大窪寺に到着する。カッパの下を脱いでズボンを履き、遍路装束に身を固め、最後の参拝と納経を済ませ、記念写真のシャッターを押してもらう(11)。

 菅笠と金剛杖は、本来は高野山をお詣りした時点で納めるとのことなので、ここでは納めずに持っていくことにする。門前に下りて、土産物屋を兼ねたうどん屋でビールと打ち込みうどん(味噌味の鍋焼きうどんと同じようなもの)で祝杯をあげる(12)。バスは13:30なので、まだ2時間近くもあり、その上の喫茶店でPCを開いて、画像処理や今日の旅日記の更新作業をする。

○バスを乗り継いで、大阪の難波へ
 大窪寺の前から、さぬき市コミュニティバスに乗り、大阪までの高速バスの乗り場のある志度町まで戻る。1時間も乗ったのに100円といううれしい料金である。さらに、明日高野山へ行くのに便利な、四国〜淡路島〜本州を繋ぐ大阪難波までの高速バスに乗る。

 南海電鉄の難波始発の高野山行きの明日の一番電車の切符を買い、さらにその後の東京までの新幹線の切符、さらに14日の朝一の羽田から函館行きの航空券の手配も済ませ、19:30、南海電鉄なんば駅の近くのビジネス旅館ナニワに落ち着く。

○支出
賽銭40円、納経料500円、昼食(打ち込みうどん&ビール)1,200円、コミュニテイバス代100円、高速バス3,400円、夕食1,050円、宿代(素泊)4,200円<合計10,490円>

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