35日目 2004、11,08 (晴れ)  66〜70番   <28.5km> トータル<942.8km>    

<民宿岡田>6:45→(5.0km)→66雲辺寺→(9.4km)→67大興寺→(8.7km)→68神恵院→(0km)→69観音寺→(4.5km)→70本山寺→(0.9km)→16:00<ビジネスホテル・ウエストブレイス>(豊中町本山甲)

○讃岐路に入り、88ヶ所中最高地点にある雲辺寺を目指す。
 昨日の境目トンネルから今日の66番雲辺寺までは徳島県であるが、遍路道の分類上は讃岐路に入っていることになっているらしい。

 6:45、宿のお接待で、昼食のおにぎりを2個いただく。お遍路宿らしい心遣いがうれしい。とりあえず、同宿の男性3人は道の説明を詳しくしてくれる宿のご主人に見送られて、朝靄の中を一緒にスタートする。

 まずは、標高900mにある88ヶ所中最高地点の雲辺寺を目指す。宿がすでに、標高240mにあるので、5kmで標高差660mの登山モードである。しかし、肝腎の山道は2kmだけである。

 舗装道路を1kmほど歩き、山道へ入る(1)。ひんやりした早朝の林の中の空気が美味しい。途中でTaさんが遅れるが、本人の希望もあり、京都の男性と二人で先に進ませていただく。

 2kmの山道を楽しんだ後、再び舗装道路に出る。目の前にこれから目指す雲辺寺のある山が見える。アンテナの手前の平らなところがその場所らしい(2)。

 8:15,宿を出て1時間半で、66番の雲辺寺へ到着する(3)。周りの紅葉がきれいである。境内の水は名水とかで、「せっかくの名水です。手など洗わずに飲んでください。」と書かれてある。汗をかいた後だけに美味い!

 太師堂の右側の道沿いに、五百羅漢の大きな石像が、まさに土地が広いからこれだけ並べることができるであろうが、凄い迫力である。これだけ大きい石像の五百羅漢を見るのは初めてである(4)。

○66番大興寺を目指して、長い坂を下る
 雲辺寺を出て、稜線沿いの道を北に進む。途中から雲海に覆われた池田方面の展望が広がる(5)。最高地点の910mのアンテナの手前から山道となり、長い尾根下りが続く。

 周りの紅葉はほとんど散って、落ち葉の絨毯の道となる(6)。ガサゴソと蹴散らしながら歩くのも楽しいものである。途中から、これから下りていく観音寺市の町が見えてくる(7)。急な下りの山道を4.3kmで、みかん畑の中の車道に出る。

 休耕田の中に、玉葱がむき出しのままびっしりときれいに並べられているのが目に入ってくる(8)。よく見ると上から芽が出ている列とそうでない列がある。

 植え付けでもないし、何だろうと思って下りていくと、ちょうど肥料を撒いていた農家の人がいたので聞いてみる。「種を採るんです。芽の出ているのがオンタで、芽の出ていないのがメンタです。これから芽が伸びて、花が咲き、実がなって、種を採るのは1月頃です。」とのことである。初めて見た光景であるが、北海道でもこのようにして玉葱の種を採るのであろうか?それにしても、玉葱にもオスとメスがあるのであろうか?

 大興寺の直ぐ手前の道に停車している車から男性が下りてきて、トランクを開けて、「どうぞ食べてください。もぎたてですから美味しいですよ。」と言ってみかんを2個いただく。11:10,67番大興寺に到着する(9)。

○さすが讃岐うどんの本場
 大興寺を打ち、どこかで宿でいただいたおにぎりを食べようと思って歩き続けるが、適当な場所がない。町の中に入っていくと、手打ちうどん屋を見つける。まさに讃岐うどん本場の一番先の店である。

 中へ入ったら、主人が客の目の前で懸命にうどんを打っている姿もいいが、もの凄い混みようにびっくりする。空席がほとんどなく、30人以上はいたが、メニューの値段にもびっくり。種類ごとに中、大、特の3種類があり、一番高い天ぷらそばの特でさえが440円である。この辺りが人気の秘密なのであろうが・・・。

 思わず、値段に吊られて天そばの特を注文するが、出された丼をみてこれまたびっくり。丼も天ぷらもでかいが、うどんの量も完全に2人前はあろうかという量である。しかし、うどんも腰が強くダシも美味しく、これまで食べたうどんで一番であった。さすが讃岐うどんの本場である。宿でもらった2個のおにぎりをどうしようか迷うが、どちらもしっかり食べてしまった自分にもびっくりである。

 さらに、料金を払って外へ出たら、レジの女性が玄関から出てきて、100円差し出し、「これわずかですが、お接待です。お気を付けて最後まで歩いてください。」と言ってくださる。ありがたい心遣いにジーンと来る。腹一杯胸一杯である。思わず、「ありがとうございます。これまで食べたうどんで一番美味しかったです。」とお世辞抜きの正直な気持ちが出てしまう。

○スーパー健脚大師様Taさんとと再び同行二人 
 うどん屋を出たところに、ちょうどスーパー健脚大師様Taさんがやって来る。そこから1週間振りに同行し、68,69,70番を打つ。彼は69番までが今日の予定だったらしいが、こちらに付き合って70番まで打って同じ宿に泊まることになる。彼は足を痛めて右足を引きづりながらの歩きであるが、ゆっくり歩くと余計痛いそうで、歩くペースがちょうど私と合うのである。

68番神恵院と69番観音寺は同じ山門を潜り(10)、同じ境内に68番神恵院69番観音寺の2つのお寺が存在し(11,12)、それぞれに本堂と太師堂やほかのお堂もある。しかし、納経所は一緒であるが納経料は2ヶ寺分である。

 いただいたパンフレットを見たら、七宝山観音寺神恵院と称し、奈良時代に日証上人が開山したと伝えられる。いろいろな歴史を経過し、明治元年の神仏分離により、四国88ヶ所唯一の一寺二札所の霊場になったらしい。それにしても、この境内にある楠の大きさにはびっくりする(12)。

 さらに4.5km先の70番本山寺で今日の打ち止めにする。ここの本堂は1300年に建立されたとのことで、国宝になっているが、そばの五重塔もすばらしい(13)。

 16:00ちょうどにその1km先のビジネスホテルウエストブレイスに到着する(14)。このホテル、こじんまりとしているが、まだ新しくて、とても快適な部屋でもあった。宿に入って、まず直ぐ側のスーパーに行って、缶ビールや明日の朝食を調達してくる。

 さらにうれしいのは、同じ経営の下のレストランの値段の安さである。おかずが別に2品付いた豚カツ定食が600円で、サラダが250円、安い300円のコーヒーが食後ということで200円である。

○支出 
賽銭200円、納経料2,500円、お茶150円、うどん440円、缶ビール&サンドウイッチ&柿ほか1,235円、夕食1,050円、ホテル料4,800円<10,375円>

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