はじめに

いつごろからだろう・・・「退職したら、四国88ヶ所を巡る歩き遍路の旅をしてみたい」と漠然と考えたのは・・・?

我が家は真言宗でり、父の代から3代続く長男の名前の一字の「弘」は、
弘法大師に因むらしいが、信心深いわけでもない。

登山の延長上で、知らない土地を自分の足で歩く旅をしてみたい。
歴史の浅い北海道では感得できない古い歴史や文化・風土にじっくりふれてみたい。

そこに、
今から1200年前に、42歳の厄年の修行の場として、人々の災難を除くために、
この88ヶ所の霊場を開いたという弘法大師の足跡を辿る四国遍路があった。

 しかし、
まさか、それが、3年前に逝った妻の菩提を弔う旅になるとは・・・。

この際、温故知新の出会いと感動を求め、
自分を振り返る歩き遍路1200kmの祈りの旅に出よう!

計画・準備
<計画づくり>
 時期的には、日の長い春から初夏が理想的なのであろうが、とりあえず、退職後、まずどっぷり浸かってみたい山三昧の生活を楽しみ、10月からスタートするつもりで、準備を進めてきた。

 その間、本を読んだり、いろいろネットで調べたりして、予備知識を蓄え、モチベーションを高めてきた。出発のひと月ほど前に取り寄せた『四国遍路ひとり歩き同行二人』(へんろみち保存協力会)の『解説編』には、必要な「へんろの取り組みガイド」が詳しく掲載されているし、別冊の『地図編』には、歩き遍路に適したコースの詳細な地図や遍路が利用できる旅館の一覧表や霊場までの距離などが掲載されていたので、それをもとに、計画づくりと準備に取り組む。

 基本的には、@全コース歩き遍路に徹すること、A宿泊は旅館や民宿の利用、B結願とお礼参り後に和歌山県の高野山への参詣も含めて40日以内・・・・・の計画とする。

 せっかくの機会なので、このwebの愛読者とのコンタクトも持ちながら、自分の貴重なリアルタイムな記録を残すためにも、トータルで2.5kgほど重くなるが、ノートパソコンと携帯電話を繋いで、宿で毎日の「旅日記」のモバイル更新をしたいと考え、その準備もする。

<一番悩んだ靴>
 遍路用品の必要なもの(金剛杖、菅笠、白衣、輪袈裟、納経帳、納札など)は向こうへ着いてから購入することにし、装備は登山用品を中心に最軽量で準備する。ただし、一番悩んだのは、毎日30〜40km、トータルで1200km以上の歩きに耐え、マメなどに悩まされたくない靴である。山道もあるが、全行程の7割以上は舗装道路だそうである。軽登山靴の人が多いらしいが、あの堅い底で舗装道路を歩く辛さはごめん被りたい。

 そこで、いろいろネットで探している内に、遍路用にMIZUNOで開発したウォーキングシューズ(フリーウォークOD400GTX)を見つけた。ゴアテックスを使用し、くるぶしまで包むミッドカットタイプの靴である。果たして、この靴の履き心地はどうであろうか?


巡拝の手順
<霊場での作法・手順>
● 門前にて一礼し境内に入る
● 水場で口と手を清める
● まず本堂から参拝 
    @ 納札を所定の箱に入れる
    A ローソク(1本)と線香(3本)を立てる
    B 賽銭を入れる
    C 合掌して読経
    D 一礼し退去する
● 大師堂を参拝(本堂と同様)
● (他のお堂を参拝)
● 納経所で朱印帖(掛け軸)に墨書朱印してもらう
● 門を出て一礼し寺をあとにする
     
<読経>
◇一般的な勤行次第によると、13ものお経があるらしい。
しかし、これといって決まった次第はなく随意であるが、般
若心経と宝号は欠かさないのが普通であるとのこと。

私の場合は、下記の3つでスタートすることにする。

@ 般若心経(はんにゃしんぎょう)  1巻
A 光明真言(こうみょうしんごん)   3返
B 宝号(ほうごう)    3返

いざ四国へ
いざ、四国へ  2004、10,4  函館〜徳島 (晴れ)  スタート準備

函館空港発 9:30→10:50 羽田空港 12:50 →14:05 徳島空港→(バス)→徳島駅→(JR)→板東→16:10<民宿阿波> 

 午後には四国の地を
 羽田で乗り換えて徳島空港へ。天候は晴れ、23℃と汗ばむ陽気、さすが四国である。空港からバスで徳島駅(1)へ。シュロの街路樹と建物の瓦屋根や常緑樹の庭木、さらに吉野川を渡って、四国に来たという思いを強くする。さらにJRで鳴門市板東駅へ。乗った列車は通学列車で高校生の会話を耳にするが、話し方が関西系統のなまりで非常に柔らかい感じがする。これから最低でも35日間は乗り物に乗ることがないと思えば、降りた列車が妙に愛おしい。

 ○最初の民宿へ
 「四国第一番」の石柱が立つ霊山寺(りょうぜんじ)の参詣通り(2)に面したこじんまりとした民宿阿波(3)に到着。老夫婦が迎えてくれる。

 遍路用品を揃える
 直ぐ近くの霊山寺で、遍路用品を揃える。金剛杖、白衣、朱印用白衣、菅笠、輪袈裟、納経帳、納札、山野袋、数珠、経本・・・・〆て19,705円也(4)。宿に戻り、10枚ほどの納札に住所・氏名・願い事を記入する。 このビニール製の山野袋は結構大きくていろいろなものがたくさん入るので、ウエストポーチが不必要になる。

 夕食、そして・・・。
 入浴後、5:30夕食。今日の泊まりは4人だそうだが、到着が遅れているとのことで、一人で食べる。日常的な和風料理であるが、結構お腹がきつくなる(5)。しかし、なぜか飲む気にならず、珍しく久しぶりの休肝日。明日雨が降らなければいいが・・・。窓を開けたままでも寒くなく、庭で鳴き続ける虫の声が美しい。

○支出 
 航空料金 38,350円(特割7チケットレスで20,400+ 17,950)、昼食680円、バス430円、列車260円、遍路用品19,705円 宿代6,500円 <合計 65,925円>



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