元山(522m)C〜笹山(611m)D〜八幡岳(664.5m)B <江差町/厚沢部町/上ノ国町>
7:30 自宅発
登り | 地点 | 下山 |
8:35
9:05
9:20
9:30
10:20
11:30
11:10 |
登山口
元山分岐
元 山
元山分岐
笹山
八幡岳分岐
八幡岳 |
12:35
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11:55
11:25 |
[2:35] | 所要時間 | [1:10] |
13:00 繁次郎温泉(入浴)
15:00 帰宅
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上ノ国町と厚沢部町の境界線上に位置する「八幡岳」は、大千軒岳・古部岳とともに北海道最古の一等三角点の山で、その昔、マナスル登山隊長だった日本山岳会会長・今西錦司氏も登ったことのあるという由緒ある山である。この山と笹山を結ぶ縦走路ができたのは、2001年である。
また、元山と八幡岳の間にある笹山は、江戸時代に開かれた道南五大霊場(ほかに太田神社、門昌庵、奥尻賽ノ河原、恵山賽ノ河原)のひとつである笹山稲荷神社が祀られ、道内では珍しい山岳信仰の山である。参道もあり、昔から信仰登山が行われてきたらしい。これら3山は、厚沢部町から眺めると、
江差の市街地の後ろに、北東から南西に連なって見える(1)。
ここの山は、早春の花の種類も多く、早く咲き始めるのが特徴である。そこで、8年ぶりにchiさんを誘って8年ぶりに3回目となる3山循環縦走にトライ。
江差の中歌地区から豊部川とその上流のサダサ川沿いの道を進むと、突き当たりが登山口である。水道施設より先は、相変わらず雨裂が入った林道だった。
登山口に着いたら、顔見知りの多い「北登会」という20人グループが先着していた。また、我々より後に到着したご夫妻からご挨拶をいただいた。江差のHYML仲間のIさんご夫妻で、お名前を存じ上げて10数年経つのにようやく初対面が叶った。Iさんご夫妻とは元山で再び会ったが、元山〜笹山と回ったようだ。 「北登会」は、逆に笹山〜元山と回ったようで、こちらが笹山へ登っているときにすれ違った。
○まずは、花々に癒されながらも急登が続く元山へ
元山登山口からスタート。このコースは、緩むことのない急登が頂上まで続くが、足下には花々が多く、それらをカメラに収めながらの登るので、それほど疲れは感じない。
このほかに、終わりかけのカタクリ、エゾエンゴサク、アズマイチゲ、キクザキイチゲ、エンレイソウなどが道端を彩る。
最初の急登に体が慣れたころ、斜度が緩み、30分で元山分岐へ到着。さらに元山までは急な尾根登りだが、上の方は草原状の山で、過去この時期より早いときに、2度イワナシの花を目にしているので、探しながら歩いたが、花は見つからなかった。後で登って来たIさんご夫妻に聞くと、数日前に来たときには目にしたとのこと。やはりもう終わってしまったらしい。
分岐からの急な登りを15分で草原状の頂上到着(8)。Chiさんは、この山は初登頂とのこと。
眼下の江差の町や鴎島、右下の林立する風力発電機、海岸線のずっと奥のまだ雪で覆われた遊楽部岳などを眺めながら5分ほど休憩(8)。
○急なアップダウンの続く2つのピークを越えて笹山へ
頂上には点名が元山の三等三角点が設置されている(9)。これから縦走する方向を眺めると、越えなくてはならない2つのピークの先に笹山が見える(10)。
分岐コルまでの急な下りを終えたと思ったら、今度は、ずっと虎ロープが設置されている。しかし、この道もまさにフラワーロードで、辛さを感じさせない。しかし、過去に方向を変えて2度上り下りしているが、こんなに急だとは思わなかった。 1つ目のピークを越えて再び下り、2つ目の567ピークへ登り返し、さらに下る。
笹山とのコルの手前から、名前通りの笹斜面が続く笹山への登山道がくっきりと見え、その左奥に八幡岳が見える(11)。コル付近でオオサクラソウを目にする(12)。
笹山へ登って行くと、上から登山口であった「北登会」の20名が下りて来た。確かにこの間は、登り返しの斜度からしても、反対回りの方がずっと楽な感じだ(13)。
笹山の手前から越えて来た2つのピークと元山を眺める(14)。この辺りには、蕾を膨らませたタカネザクラ(チシマザクラ?)がたくさんあった。
予定より早い1時間45分で、5回目となる、笹山稲荷神社が祀られた笹山に到着(15)。この神社は、鰊漁で栄えた江戸時代から 山岳信仰と結合、霊場として多くの信仰を集めていた。特に鰊漁業の守護神として松前藩の祈願所とされ、当時の藩の信仰も厚かったらしい。毎年6月1日がこの神社の例祭で、その日は一日中“大漁万作家業繁栄”を祈願する多くの信仰者で賑わっていたとのことだが、最近は参拝者が少なくなったらしい。
真の頂上は、神社の裏の岩場の小高いところだが、「神のお告げです。これより奥には登らないでください」と書かれた立て札が立っている(16)。踏み跡はあるようだが、まだ真の頂上へは立ったことはない。
○まだ芽吹いたばかりのブナ林の中を八幡岳へ
笹山を後にして、八幡岳へ向かう。八幡岳分岐からは厚沢部町と上ノ国町の境界稜線上の歩きとなる。この山域は「笹山風景林」となっているが、メインはここのブナ林のようだ(17)。
まだ芽吹いたばかりのブナ林の中の歩きとなるが、いつもこの時期に来ているので、新緑や黄葉のときは歩いたことがない。次回は、夏か秋にでも歩いてみたいものだ。ただ、ここのブナは幹に黒い苔が張り付いて、ブナ特有の木肌の美しさがないのが残念だ。また、花は終わりかけのカタクリくらいのものだった。
スタートして、2時間35分で、八幡岳に到着。ずっとChiさんに前を歩いてもらったが、ペースが速いなと思いながら付いてきた。案の定、前回の単独行の記録を見たら3時間だったので、それよりかなり早いペースだった。山頂は笹が広がっていて、狭くなっていて、頂上標識も支柱が折れて倒れていた。それをてで支えながらの記念撮影。右手前は一等三角点(点名・八幡岳)(18)。
春霞ではっきりとしないが、南側には大千軒の手前の山々や北側の乙部岳が見える。8年前には目にできた反対側に続いていた上ノ国目名林道から続く登山道は、痕跡すら認められなかった。
○下山
昼食を摂りながら10分ほど休憩し、下山開始。あとは、登山口を目指すだけであるが、笹山分岐からは、神社まで続く林道を下る。この林道は、例祭のときにジープが上り下りするらしい。
高度を下げていくと、八幡岳への縦走路ではまだ開いていなかったブナが柔らかな新緑の葉を広げている(19)。やがて、笹山参拝道との分岐を通過(20)。
さらに下っていき、尾根の上に続く林道と別れて、急斜面のトドマツ林の中にジグザグを切って続く参拝道を下ってゴール。登山口には、まだ「北登会」の車があった。
帰りには、繁次郎温泉(大人300円、65歳以上150円)で疲れをとって、帰路に就いた。