浜益御殿(1038m )〜浜益岳(1258m)  幌林道ルート(スキー登山・同行者1名)  
 00,5,05
 林道から緩やかな長い尾根を辿り、スケールの大きな増毛山塊の山々の展望を楽しむ
5/4
 18:45 幌廃校前林道入口待合せ
 19:00 車デポ地点(標高200m)
    (車中泊)
5/5
登山 地点下山
5:10

5:35
6:15
8:25
10:10
車デポ地点
 (徒歩)
スキー着脱地点
533ピーク上
浜益御殿
浜益岳
13:00

12:40
12:15
11:45
11:15
[5:00]所要時間[1:45]
14:00 浜益温泉( 500円)
    (入浴・車中泊)
浜益岳コース概念図
  この山も夏道のない山であり、この時期が日帰り可能の最高の条件ということで、計画した山である。これまで3度浜益御殿まで行ったことがあるが浜益岳はまだというこの冬から春にかけ4度目の同行登山となりすっかり山スキーの師匠となった札幌のSaさんと浜益村字幌の廃校なった学校の前を通る林道入り口で待ち合わせる。
 
 林道を雪のあるところまで詰めて車をUターンする際にSaさんが雪に突っ込んでしまい動けなくなる。幌の町まで牽引ロープを借りに下りる。飛び込んだお店のご主人が親切にあちこち電話を掛けて、牽引ロープを借りて下さり、わざわざ現場までついてきてくださった。(なんと、その方は帰宅してから偶然判明したのであるが、『北海道の百名山』の「群別岳」の執筆者の渡辺千秋さんだったのである。)私の車で牽引し無事脱出、大いに感謝する。安心してSaさんのテントの中で遅い夕食とビールとワインで1時間ほど歓談し、私は車で9:30には就寝。
 
 夜明けとともに起床。周りはガスに覆われているが、夜中には星が出ていたので、上に行ったらガスから抜けるであろうと5:00に出発すべく準備する。しかし、なぜか私のシールが粘着力が落ちていてさっぱりくっつかない。彼の「ガスで暖めてみたら?」との助言で早速やってみる。見事粘着力復活。もし、一人だったら諦めていたかもしれないと思うと、感謝・感謝である。予定より少々遅れて標高200m地点から林道をスキーを担いで25分ほど歩きスキーをつける。
 浜益御殿への斜面から望む浜益岳(左)
 そこからさらに林道を40分ほど歩くスキー状態で進み 533ピークを巻くと、浜益御殿に続く緩い尾根の末端の広い平らな場所に到着する。途中、野鳥に詳しい彼からトラツグミの奇妙な鳴き声を教えてもらたっりしながらのんびり歩く。いつの間にかガスから抜け快晴状態となっている。
 
 そこからはダケカンバの広い緩やかな尾根斜面をいろいろなお喋りしながら横に並んで登って行く。まさにのんびりと春の陽気を満喫しながらの歩きである。途中の林の中の緩やかなピークにテントが一張り。森林限界を抜けると、右手に目指す浜益岳がゆったりと待っている(1)。群別岳は残念ながらその陰になって見えないようである。左手には雄冬岳が見える。そんな展望を楽しみながら、二人ともTシャツ1枚になり、汗を掻かない程度のペースで登り続ける。さらに途中の笹藪の陰にテントが一張り。浜益御殿のすぐ下で上からスキーで下りてくる3人に出会う。「浜益岳の下にテン張って、群別岳まで往復してきた。浜益岳から片道2時間強」とのこと。スタートして3時間15分で浜益御殿に到着。
 
 この浜益御殿山頂は、江戸時代に開削された浜益と増毛を雄冬山塊を越えて結ぶ「増毛山道」の最高地点で、明治39年に北海道の道路の最高地点を示す一等水準点が埋石された地点だそうである。
 浜益岳の頂上斜面へ向かう
 リュックとスキーを脱いで、一面雲海の上に広がって連なる暑寒別岳を中心とした循環縦走が可能な雄大に広がる増毛山塊を眺めながらのんびり寛ぐ。浜益岳までのルートを眺めるが、最後の詰め以外だだっ広い平坦な稜線歩きで、2時間はかからないだろうと予想し、ゆとりのある日程になりそうで嬉しくなる。
 
 15分ほど休んで、いよいよ浜益岳を目指して、まずシールをつけたまま直滑降で浜益御殿の斜面を下り、のっぺりと広がる平坦な尾根をこれまたのんびり進む。雪でいじけたダケカンバの幹があちこちから頭を出しているのがおもしろい。途中に先程下りてきた3人のもの思われる雪のブロックで風よけを作ってテン張った場所が残っている。
 
 そんな雄大な中を歩くスキー状態で1時間、いよいよ浜益岳の斜面に取り付く。最後はすっきりとしたピラミダルな浜益岳頂上直下から望む群別岳の鋭鋒頂上斜面が嬉しい(2)。その頂上への急斜面に取り付くと、今まで目にすることのできなかった群別岳の鋭峰が飛び込んでくる。まさに、天狗岳を越えて対面するニペソツとの対面と似た感動がある。群別岳は等高線から見ても、この方向から眺める形が一番鋭さが顕著のようである(3)。そこから群別岳までスキートレースが続いているが、かなりのアップダウンが続く厳しい尾根伝いで、果たして彼等の言う2時間強で行けるであろうかと思われるルートである。
 
 スタートしてちょうど5時間、最後の急斜面をジグを切って誰もいないハイマツが繁る頂上へ到着。幌天狗から群別岳までのナイフリッジ状の尾根も見え(4)、暑寒別岳の荒々しい姿もまた見応えがある(5)。側には辿ってきた長い尾根と雄冬岳が見える(6)。Saさんは、リュックを置いて休む間もなく写真撮影に余念がない。まもなくして、スキーをリュックにくくり付け、我々が辿った隣の浜益岳に直接続く尾根を登って来たという男性が到着。「同じ5時に出て、1番乗りだと思ったのに残念」と言って、10分もしないうちに慌ただしくスキーで下山して行った。
 群別岳から幌天狗までの細い尾根
 食事をとりながら1時間ほど寛ぐうち、双眼鏡で眺めていると禁止区域のはずなのに、暑寒別岳の方からスノーモービルの一団がこちらへ向かって来るのが見え、静かな山にその爆音が響くようになる。あっというまに浜益岳の北側を通過し、雄冬岳の方へ向かっている。そんなところへ長靴スタイルの3人の男性が、さらに、やはりツボ足の2人の男性が到着。賑やかになってきたので、いよいよ、長い滑降が楽しみな下山開始である。下り始めた途端、なんと単独の女性がツボ足で頂上に到着する。頂上からの急斜面を二人とも気分良くターンを刻み、アッという間に平坦な尾根に下りる。あとは、浜益御殿まで歩くスキー状態である。それでも、登りに1時間30分掛かったところを30分でちょっと浜益御殿をトラバースしてその下に出る。           
 頂上からの以外と荒々しい暑寒別岳
 あとは、下りのみの広い緩やかな心地好い滑降が楽しめる斜面のみである。二人ともスキーはお手の物である。二人ともこの下りが楽しみで登っているようなものである。雪の腐り具合もそれ程でなく、前後しながら思い思いのシュプールを刻んでドンドン滑り下りる。わずか30分で登りに2時間以上要した 533ピーク上に到着。そこからはだらだらの林道滑りであるがときどき林の中をショートカットして、雪のなくなるところまで下る。スキーを担いで20分、雪解け水が流れる林道を歩いて車のデポ地点に到着。
 合計10時間ほどを予想しての早発ちであったが、車で入れる距離が短かった割りには8時間弱で済み、しかもほとんど疲れの残らない山であった。林道を抜け、昨夜お世話になったお店のご主人にお礼を述べて、浜益温泉を目指す。
 浜益御殿とその前後の辿ったルートと雄冬岳(右)
 二人とものんびり温泉に漬かり、ビールを飲みながら休憩室で寛ぎ、Saさんは4時すぎに帰路に就き、私は明日のピンネシリに備え、この温泉の駐車場で夜を明かすつもりなので、さらに温泉に入り直し、食堂でビールとラーメンの夕食にし、6時すぎには車の中で眠りに就く。               


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