登下山 | 地点 |
8:30
9:00
9:05
9:30
10:00 |
南口登山口
頂上着
〃 発
西口登山口
南口登山口 |
[1:30] | 所要時間 |
国道230号線沿いを札幌に向かう際、定山渓を過ぎてまもなく嫌でも目に飛び込んでくる恐竜の背中のような岩稜を剥き出しにした山である(1)。別名は観音岩山、昔は五剣山とも呼ばれたらしい。
13年前の4日後に登っているが、そのときの写真をうっかり別な山の写真で上書きしてしまい、唯一写真のないページになっている。前日の会議と会合の帰りにようやく再訪が叶った。
今回は、中央口から登って西口へ下るコースを考えて行ったが、八剣山トンネルが開通していて以前と様子がすっかり様変わりしている。しかも、地図もガイドブックも持たなかったこともあり、中央口登山口を見つけられずに、あちこち走り回って、
ようやく、13年前と同じ南口登山口を見つけてスタート(1)。
いきなり岩の露出した急登を登り、台地上の所へ出ると中央口からのコースと合流する。新緑の広葉樹林の中の岩のゴロゴロした道を辿ると、頂稜岩壁の基部に出る。その末端を巻くように方向を変えて、岩稜の上を歩いたり、
垂直に切り立った岩壁の基部を巻いたりしながら登っていく(3)。
岩稜に、例年ならまだ目にすることのないムラサキヤシオツツジがすでに咲いているのに驚く(4)。13年前に登ったときにはまだ早春の花が真っ盛りだったのだが、今年はどこの山も2週間ほど花が早い。
やがて、細い岩稜の上に出る。東側の末端まで明らかに人の歩いた痕跡が認められる(5)。帰宅後地図を見たら、その岩稜の上を通るコースもあるようだ。そこへ先行者が降りてくる。ごく当然のような顔をして、その岩稜の上をスタスタ末端へ向かって歩いていく。「いつも、こっちを通るんですよ。さっきまで、頂上の向こうの細い岩稜の上も歩いてきました」とのこと。高所恐怖症の自分には腰を伸ばして立つことすら出来ないのに、凄い人がいるものだ。
ここまで書いて、通院のために中断し、何気なく「癌春日記」(ブログ)の方を覗いたら、「八剣山のげんごろう」と言う方から下記のようなコメントが入っていた。 「sakagさん、初めまして。八剣山のげんごろうと申します。去年から山登りを始め、sakagさんの山行記録を本当に参考にさせていただいています。11日に八剣山登ってこられたとのことで、もしかしたら時間は9時前くらいですか?山頂直前でお会いして、稜線を歩いていった者です。勘違いだったらごめんなさい。」・・・実に奇遇というか、絶妙のタイミングというか・・・まさに、この山で出会った方は、この人だけである。時刻もピッタリ・・・間違いない!
西口コースとの分岐から、嫌でも岩稜の上を歩かなければならない。
誰も見ていないので、腰を曲げたまま這うようにして頂上へ続く岩稜の上を歩く。ここは、右側が木が生えていて急でなく幅も広いので、まだいいが、垂直に切れ落ちた左側は見ることができない(6)。
スタートして30分、13年前とは違う標識に迎えられて狭い頂上に到着。
眼下に広がる箱庭のような眺望は好きなのだが、垂直に立ち上がる薄い3枚の岩塔のスリル満点の高度感が恐ろしい(7)。さっきの人はこの上を歩いたとのこと・・・見るだけでもビビッてしまう自分にはいくら金を積まれても、殺すと言われても出来ない芸当だ。
360度の展望が広がるのだが、このような頂上は尻がムズムズしてノンビリできない。リュックも下ろさずに、
マルバシモツケの咲く岩稜の向こうのまだ雪で覆われた余市岳や手前の定山渓天狗岳方面(8)やあちこちの写真を撮って、そそくさと下山開始。
西口コースの分岐から下り始めてようやく尻のムズムズ感がなくなる。当初は急な尾根下りだが、やがて、静かなしっとりとした広葉樹林帯に入っていく。13年前は早春の花真っ盛り状態だったが、
今回はニリンソウとシラネアオイとエンレイソウが目立つくらいである。中に、やけに濃い感じのシラネアオイを見つけ、もしかしたら八重咲きかと思って近づいてみたが、花びらは4枚だった(9)。
やがて、西口登山口に出る。振り返るとウルトラマンの頭のような尖った岩塔が見える(10)。
ちょうど花盛りのサクランボ農園や畑の中を通って、
トンネルの西側へ(11)。前回は、トンネルがなく、ルートでもない崖崩れの高度感満点の豊平川の川岸の上を怖々通って、南口登山口へ戻った。今回は、その恐怖はないのだがトンネルの中を歩かなくてはならない。異常に寒い全長670mのトンネルを抜けて、右に続く道を歩いて、一周登山のゴールイン。
南口から頂上まで約30分、頂上から西口登山口までが約30分、両方の登山口の間が約30分・・・ちょうど1時間半のお尻ムズムズ登山が終わるが、やや物足りない感じは否めないし、時間的余裕もある。一昨年末に奧手稲山から山スキーで縦走した迷沢山へ、改訂版の『夏山ガイド』に紹介されている夏道から再訪するつもりで、そちらへ向かう。