袴腰岳(1108m)F  [新中野ダムコース]A  単独  04,10,01
96,10,26の「袴腰岳」(新中野ダムコース)   97,11,13の「横津岳〜袴腰岳」
00,6,11の「横津岳〜袴腰岳」    02,10,26「HYMLオフミ登山」
03,9,23「紅葉の横津岳〜袴腰岳」  04,3,7の山スキーでの「横津岳〜袴腰岳」

廃道寸前のところ有志2〜3人が10日間ほど掛けて刈り払いと整備をして、みごとに蘇った登山道を8年ぶりに再訪。
 
 8:00 自宅発
登山地点下山
 8:55
 9:40
10:15
第2登山口
三角山
頂 上 
12:10
11:30
11:00  
[1:20]所要時間[1:10]
13:00 帰宅 

 この山は、函館の町を挟んで、函館山の向かい側に連なる横津連峰の一つで、函館市の最高峰でもある(1)。この山への登山道は、函館市の中野ダムの奥からのこの「新中野ダムコース」と、1997年11月に「努(ゆめ)の会」が昔の縦走路を整備した横津岳からの「巴スカイラインコース」の二つがある。 函館の街や函館山が見下ろせ、駒ヶ岳や羊蹄山、遠くは本州の岩木山などが見渡せる一等三角点の山である。

 このコースの登山道は、最近横津岳からの巴スカイラインコースから登る人が増えてあまり利用されなくなり、廃道寸前の悪名高き登山道となっていた。それを憂いた七飯町在住の登山愛好家のYaさん(私の20代の頃の職場の山の師匠)とWaさん(熊石の白水岳や冷水岳の登山道開削者の一人)が中心となって、今夏7月から9月に掛けて10日間ほど機械を持ち込み、笹の刈り払いと標識などの整備をし、みごとな登山道に蘇った。そのことを、Yaさんから直接聞いていたので、その苦労を垣間見、感謝することを目的に、このたびの山行となる。
 
 本来の登山口は、新中野ダムの上の林道を進み、アメダス観測点のところである。そこもきれいに刈り払われて快適な登山口となっている。平日だというのに、すでに函館ナンバーと札幌ナンバーの車が2台停まっている。登山道を覗くと、きれいに刈り払われている。今回は、その先の林道をさらに車で進み、第2登山口から登ることにする。しばらく進むと、途中2ヶ所の林道分岐に黄色の板に黒字で「袴腰岳→」と書かれた標識が設置されている。これも彼等が新しく立てた標識のようである。正規のアメダス観測点からの登山道から林道へ出たところと、これまで迷いやすかったそこから第2登山口までの林道の三叉路やその先にも新しい標識が立っている。
 
 第2登山口からいよいよ登山道へ入る(2)。このコースを歩くのは8年ぶりである。初めはトドマツ林の植林地の中を登っていく。20分ほどの登りでひと汗書いた頃にトドマツ林を抜け、714地点の広い平坦地に出る。林床に笹がなくすっきりと伸びたダケカンバ主体の明るい林である。その幹に絡むツタウルシの紅葉が美しい。

 その林を抜けると、一面笹で覆われた広い尾根となり、三角山への急な登りになる。振り返ると函館の町並みが見えてくる。この笹斜面の登山道に彼等の刈り払いと刈った後の笹をきれいに端に寄せての丁寧な作業が偲ばれる。
 
 そんな彼等の苦労に感謝しながら高度を上げていくと三角山と呼ばれる889ピークに到着する。函館の町並みや函館平野、津軽海峡が眼下に広がる絶好の休憩ポイントである。生憎、低い雲が立ちこめ、眺望は限られている(3)。

 いったんコルまで下るが、前回は、ここから朝露に濡れた丈の高い笹が道を覆っていて、雨具の下を着けてその中を掻き分けながら進んだ記憶があるが、今回は彼等の丁寧な整備のお陰で、そのような必要はまったくない(4)。コル付近はこのコース唯一のブナ林であるが、そこを抜けると低いカエデ類の黄・赤・オレンジ色の紅葉が美しい(5)。上から年輩の男性が一人下りてくるのと出会う。聞くと函館の方のようで、札幌ナンバーの方は直ぐ上を登っているようである。

 その上はずっと笹薮の中に白いダケカンバの点在する急斜面である。前回は、この斜面をトラバースする道は笹が覆っていて、足下も滑って非常に歩きづらかったのを覚えているが、今回は快適な幅広の道が続く(6)。左手の笹斜面の上に頂上が見えるようになる。

 函館市と南茅部町の町境界線の稜線へは、尾根から稜線上のコブを巻くようにして登る。稜線に出ると、本来であれば、噴煙を上げる恵山方面の眺望が広がるはずであるが、下から登ってくるガスに遮られて見ることはできない。しかし、目の前に笹斜面の中を頂上まで電光形に幅広く刈り払われた道がくっきりと続く。その中を赤いリュックの男性が登っていくのが見える。本当にこの刈り払いと丁寧な整備には頭が下がる思いである(7)。彼等に感謝しながら、登り詰めると頂上である。

 頂上には、先行の男性が休んでいる。話をしていると、今年になって札幌から仕事の関係で函館に来ている方とのことで、このコースがわずか2〜3人の有志によって、つい最近整備し直されたことを話すと驚いていた。

 頂上はガスに邪魔され、眺望が広がらないし、それでなくても北側の眺望は樹木で遮られているので、一つ先のピークまで彼を案内すると、ちょうどガスが晴れて横津岳や駒ヶ岳(8)、ガスで覆われた噴火湾の雲海の上に羊蹄山が、東側には泣面山と万畳敷が見えるが、函館方面はガスで覆われてみることができない。

頂上に戻って、山談義をしながら函館側のガスの晴れるのを待つが、晴れそうもないので、頂上をあとにする(9)。
 
 道内の山をかなり登り歩いている方のようで、いろいろな山の話をしながら歩いていたら、あっという間に第2登山口へ到着する。彼に同乗してもらい、アメダス観測地点の登山口まで送って別れる。
 


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