○稜線上を辿り尖岳へ
下から見ると、どこのを登るのだろうと思うような急斜面ばかりの尖岳ではあるが、袴腰の頂上から見ると、同じ山とは思えないような幅広の緩やかな稜線で繋がっている。どうやら、頂上までスキーで楽に行けそうな感じである。
まずは、スキーデポ地点まで慎重に下ってスキーを着ける。袴腰岳頂上からは稜線上を尖岳との最低コルまで200m以上も下ることになる。
c480の最低コルからは標高差120mの緩やかな登りである。少し登って、帰りに下る尾根への下り口を確認して、頂上を目指す。
振り返ると先ほどまでいた端正な台形をした袴腰岳がはるか後ろになっている(1)。
頂上までも、下から眺める山容からは考えられないほどの緩やかな幅広の稜線が続く(2)。
袴腰岳から1時間15分で、三方が崖状になって落ち込む尖岳頂上へ到着。
袴腰岳をバックに、お座り姿勢での記念撮影(3)。
西側には、一昨年、強烈な藪漕ぎで登った懐かしい大赤岳、赤岳、大岳が望まれる(4)。北側の渡島と檜山の分水嶺上には、昨秋二人で上った瓜谷山も見えるはずだが、特定できなかった。
風もなく、春山のような日差しを浴びて、30分ほどの昼食タイム後、下山開始。
○下山
下る尾根にはトドマツの人工林があること、滑りを楽しむほどの斜面がなさそうなこと、新雪が溶けて重たくなってきていることなどからシールを着けまま林道まで下ることにする。
尾根の下り口から見下ろすと、短いながらもシールを外して滑りたい衝動に駆られる斜面が広がり、その向こうに知内岳や岩部岳も見える(5)
ベタベタ雪になった斜面を滑り降り(6)、右手の沢地形を挟んで、登りで辿った尾根とその向こうに袴腰岳を眺める(7)。やがて、トドマツの人工林の中へ入っていく。木の間が狭くて、スキーを着けたままなので、その中を潜り抜けるのに非常に苦労する。そこを抜けてホッとしたら、今度は細くて急になり、スキーを脱いで、尾根の末端の沢までツボ足で下ることに・・・。
沢まで下りたら、対岸に作業道跡が見える。多分、登りで利用した作業道へ繋がるはずである。再びスキーを着けてそれを辿ったら、ドンピシャ登りのトレースと合流。
尖岳の頂上からちょうど1時間で林道に出る。デポしておいたアイゼンとピッケルを回収して、シールを剥がす。あとは、林道を下るだけである。
登りのトレースも春山のように溶けている。
道端にフキノトウの蕾を発見・・・まだ2月に入ったばかりなのに・・・今年は異常に雪が少ない(8)。雪山をもっと楽しむためにも、これからの降雪を期待したい。
シールなしの下りは速い。2時間10分要した登りであったが、1時間25分でゴールイン。トータルで8時間20分ものハードな行程となったが、癌を患っていなかったら、昨冬に登るつもりだった念願の2山をゲットできて、大満足の山行であった。
木古内ののとや温泉で疲れを癒して、帰路へ着く。