笹山(新冠町)(805.9m)  <オニシベツ林道コース>  単独  05,8,28
『夏山ガイド』完登最後の山として、立ち読みの記憶だけを頼りに辿り着いた登山口から長い尾根を辿る

7:20 オニシベツ林道ゲート
7:25 登山口
登山地点下山
7:35
8:30
8:55
登山口
698ピーク
頂 上
10:15
9:30
9:15
[1:20]所要時間[1:00]

 GPSトラックログ(70kb)
林道・緑色、登山道・赤色
 この山は、書店で立ち読みした最近の増補改訂版の『夏山ガイド』C(日高山脈の山々)で知った新冠町と静内町の境界線上に位置する山である。この山を登ると、発刊以来10数年に渡ってお世話になった『北海道 夏山ガイド』@〜Eの現時点での増補改訂版に掲載されている全山を完登することになるので、今年中には機会があれば登ろうと思っていた山である。

  しかし、立ち読みした際の「新冠川沿いの泉地区の奧の林道(肝腎の林道の名前の記憶がない)から尾根の上に登山道が続く。頂上付近には無線中継所のアンテナや反射板などが建っている」だけの記憶しかない。道北・道東のドライブ旅行で襟裳岬を回っての帰路途中に地図も持たずに、行ってみればなんとかなるであろうとの甘い考えで新冠川沿いのサラブレッドロードを進む。

 競走馬の牧場が続くサラブレッドロードの表面に、頂上付近にアンテナが建ち、南北に長い尾根を延ばした山が見える(1)。この山に違いないであろうと車を走らせる。泉地区を通過して舗装が切れてまもなくの地点に入林ボックスがある。ノートを開いてみたら、8/5に笹山に登った同じ函館のMiさんの名前が記載されている。

 さらに進んでいくと、舗装が切れて1.3km地点に「オニシベツ林道」の分岐があり、鍵の掛かったゲートがあるが、笹山登山道に繋がるような標示物は何もない。しかし、地形的に見て、この林道に間違いないだろうと、幸い持っている鍵が合ったのでダメモトで進んでみることにする。途中で分岐があるが、尾根の方へ向かっている右を進むとまもなく標高350mで林道終点となる。広い駐車スペースがあり、そこに「笹山登山道 新冠山岳会」と書かれた新しい立派な標識が建っている(2)どうやら最近新冠山岳会が整備した登山道のようである。ゲートから1.6km地点で、鍵がなくても30分も余計に歩けば済む距離である。
 
 山容からして数回のアップダウンを覚悟しなくてはならない山のようである。気の進まない連れを車に残して一人でスタートする。人を待たせていると思うとどうしても足が速くなる。登山道はどうやら古い林道跡や作業道跡を刈り払って整備したような感じで、真ん中に踏み跡が続いているが、標識の類は頂上まで一切ない。

 急な尾根を大きくジグを切って登り切ると最初のピークの下である。左手にそのピークへの迂回路が付けられているので、そちらを進んで見ると、苔のむした三角点が設置されている。帰宅後地図で確かめたら455.2ピークであった。少し下って、次は534mピークへの急登である。展望はほとんどなく、蜘蛛の巣が凄い。









   534ピークを越えて緩やかな尾根を進むと、今度は698ピークへの急登となる。途中で左手から源頭が迫り、日高の主稜線側の展望が広がる。周りの山が雲で覆われているので、はっきりしないが、方向と山容からして、多分イドンナップとその後ろの幌尻岳方面のようである。(3)698ピークを越え、次のピークを頂上だと思ってこのコースで最も急登を登っていくと、そこは757ピークであった。 

 そこを越えると、頂上までまっすぐ続く非常に快適な尾根道となる(4)。右手の樹間から太平洋と静内や新冠方面の景観が広がる(5)。その右手前の尾根に無線中継の施設やアンテナ群や見えてくる。やがて、登山道の表面にも2基の北電の反射板が見えてくる。その右手前から管理道路が合流し、100mほど先の小高いところが頂上のようである(6)

 頂上にも標識はなく、二等三角点だけが設置されてきれいに刈り払われている。展望は南東方向にピセナイ山が見えるだけである(7)日高の主稜線方向は樹木が邪魔で見えないが、反射板のところまで戻ると、方向的にカムエクや1839峰など結構広い範囲で見えるはずであるが、今回は主稜線が雲で覆われて、ここも山座同定ができないのが残念である(8)

 あとは、来た道を戻るだけである。新しい登山道に付き物のクマの糞もあちこちに落ちている。うっかりして踏んづけてズルッと滑って転ぶところであった。1時間で登山口へ戻り、牧場の景観を楽しみながら(9)、新冠温泉レコードの湯を目指す。


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