賀張山(486.9m)<日高町>
奥山牧場ルート  単独  12,10、24
サラブレットに見送られて、丈の低いミヤコザサに覆われた尾根を登り一等三角点の山へ

5:40 むかわ道の駅発
登り
地 点
下り
7:00
8:10
奥山牧場
頂上
9:00
8:25
[1:10]所要時間「0:35]
ヌモトル山へ

日高町(旧門別町域)を流れる厚別川の支流賀張川の水源に位置する一等三角点の山(点名・賀張山)である。もともとはアイヌ語でポロヌプリ(大きい山)と呼ばれていたそうだ。ちなみに南隣の421ピークがポンヌプリ(小さい山)とのこと。同じポロヌプリとポンヌプリは、先日登った倶多楽湖の外輪山の四方嶺(ポロヌプリ)とその南にあるポンヌプリと同じだ。

 この山の記録をアップしている「地図がカイドの山歩き」のsaijyoさんによると、賀張方面からはどの角度から見ても大小二つの三角形に見えるため、和人の間では“賀張の三角山”とも呼ばれていたそうだ。また、門別町町史によれば松浦武四郎の「東蝦夷日誌」には「川上に二ツ家ノ如き岳あり、漁者海上にて是を目的とする故号とも伝。土人是を尊拝し、神酒を供ふと」とあり、アイヌの人たちにとっては古くから神聖な神の山とされていたとのことである。雨乞いの祈願(カムイノミ)も近年までこの山で行われていたらしい。ちなみに、地名の「カバリ」であるが、同日誌によれば賀張川河口の海中に見える平らな岸礁を言い表しているとのこと。

 厚別川沿いの道々208号線を奥へ進むと、サラブレットを育成している奥山牧場がある。その裏(北西側)にゆったりとしたピークを見せる山である(1)勝手に車を置いて出掛けることもできないので、奥へ入って牧場主の家まで進む。奥さんにお願いして、家の前に車を置かせてもらう。快く応じてくれた。一等三角点の山なので、登山道はないが登りに来る人が多いはずと聞いてみたら、「今年はあまり来てないですね」とのこと。

 頂上へ繋がっている尾根は右からでも左からでも行けそうだが、「地図がガイド」チームは右の尾根に取り付いたらしいので、自分は左の尾根に取り付くことにした。その左側の尾根の末端に繋がる牧場の中の道を進む(2)

 尾根の末端の取り付きに踏み跡でもないかと探してウロウロしたが、特になさそうなので、鹿道と思われる所から取り付いた。笹で覆われた急斜面は、どれも膝下ほどの丈の低いミヤコザサで覆われている。どこでも歩けそうな感じなので、急斜面を直登する。

 尾根が細くなってくると、鹿道が登山道のようにはっきりとしてくる(3)再び尾根は広く急になる。鹿道は泥状に柔らかくなっているので、スパイク長靴でも滑りやすい。むしろ笹斜面の方が歩きやすい。
 

 高度を上げて行くと、樹間から右側の沢を挟んで、紅葉に彩られた目指す頂上が見えてくる(4)

 c400付近で尾根が分かれている。たまたま鹿道を辿って尾根の左側から登っていったので、その先の尾根を頂上へ繋がる尾根と勘違いしてそのまま進んでしまう。5分ほどしておかしいことに気付く。GPSで確かめたやはり間違っていた。慌てて戻って右の尾根へ。

 ずっと丈の低いミヤコザサでおおわれた快適な尾根のままだ。藪漕ぎの一切ない藪山というものもうれしいものだ。単独行でもまったく不安がない(5)

 やがて、一部尾根を間違えたくらいで、なんの苦労もなく頂上へ到着。


 探す必要のない大きな一等三角点が鎮座していた(6)。その後ろに赤い標識が立っている。頂上標識かと思ったが、「鳥獣保護区」の標識だった。紛らわしい。まずは、三角点とその標識をバックに記念撮影(7)。周りの期が煩くて期待した展望はほとんどない。木がなければ一等三角点の山なのだから展望が良いはずである。かろうじて、東側の樹間から厚別川とその手前に奥山牧場の一部が覗いているだけだった(8)


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