福島丸山(307.5m)  丸山神社登山道  00,11,05

福島町市街地の南の海沿いに鋭くそびえる信仰の山、上の方は結構急で登り応えあり。福島市街地から岩部に向かったところに見える丸山

登り地点下り
12:00
12:37
登山口
頂 上
13:15
12:40
[0:37]所要時間[0:35]

14:15 枕木山荘(入浴)
15:45 帰宅
 この山は、10数年以上も前に新聞で紹介されたものをうろ覚えにしていた山である。「信仰の山で、頂上に神社があって、かなり急な登りである」という認識だけであった。

 たまたま福島町で開催された「南北海道駅伝競技大会」の応援の帰りにでも登ってみようかと思って出かけた。ところが、福島町とは思っていたが、登山口も分からないし、知内だったかも知れないと、途中、知内の駐在所に寄って聞いてみる。
塩釜から見上げる丸山
 そこの若いお巡りさんは、「知内にはないですね。福島に聞いてみてあげます。」との心温まる対応。早速、福島の駐在所に電話をしてくださる。「福島の市街地から岩部に向かう道を少し進むと塩釜という集落があり、そこから山の方へ入っていくと登山口の表示があるそうです。」とのこと、登山口まで教えていただき、感謝して、福島へ向かう。
登山口の様子
  「南北海道駅伝」の応援を終えて、早速向かうことにする。教えられた通り、市街地の松前方面の国道の福島川を渡り、交差点で左折し岩部の方へ向かうと目の前にそれらしい浜益の黄金岳ほどではないが尖った山が見えてくる(1)(2)。交差点から1.4kmで塩釜という集落である。小さな橋の手前にその丸山と思われる山(2)の麓の方へ入る道を進んでいくと、舗装が切れたところの人家の角に「丸山神社登山道入口」の表示がある。その家から出てきたおばあさんが「ここに車を止めて行きなさい。」と優しく勧めてくれる。
固定ロープの急な登山道
 特に登山の用意をしてきていないので、Gパンのまま長靴を履いて、デジカメともしかの時のために携帯電話だけを持ってスタートする。その家の裏手の川の橋を渡ると2つの鳥居がある(3)。喪中なので、鳥居をくぐらないで横を抜けてそこから続く登山道を進む。初めはスギの植林地の中のそれほど急でない道であるが、少しでも急なところには、ロープが固定されている。途中の樹間から遙か頭上に急な鋭鋒が覗く。

 ガサガサと道を埋める枯れ葉を蹴散らしながら進むのは好きな歩きである。。海側にはカエデ類の木々が多く、遅い紅葉がまだきれいである。15分ほど進むと植林地を抜け、急な斜面の根元の分岐に出る。そこの枯れ木にその山の簡単な概念図が書かれたベニヤ板がぶら下がっている。それを見ると、この山全体を龍の顔に見立てているらしく、その分岐から右に少し下ると、「龍の左目」の毘沙門天を祀ってあるところがあるらしい。「龍の右目」は不動明王で、登山道の先にあるらしい。
海側の斜面のカエデ類の紅葉
 そこから100mほど東へトラバースすると、崖状の地形の下に不動明王が祀られた社がある。そこを右に曲がると、いよいよ覚悟していた急なジグを切る道が続く。あちこちに固定ロープや鎖があり、あちこちに露岩があったり、枯れ葉の下は露岩があったりで、結構ワードな登りが続く(4)。そこから頂上まで20分ほどで、20回ほどのジグを切る急登である。
頂上の新しい丸山神社
 右手にはなぜかカエデ類が多く、海面の青さをバックに紅葉が冴える(5)。すっかり葉の落ちたミズナラやブナの木の間にかなりのヤマツツジの木々が目に付く。春のツツジの頃にまた寄ってみたい山である。見上げると鳥居が見える。鳥居をくぐる(横を抜ける)と、傾斜がゆるみ、両側にオンコとスギが植えられて、その先には「丸山神社」の看板が奉られた新しい社殿が覗く(6)。下から見上げると頂上部分だけ黒っぽい色が見えたのが、このオンコやスギの林なのであろう。そこまでの急でハードな登りがウソのようないわゆる神社の境内の雰囲気の場所である。社殿は建て替えられたばかりらしく、まだ新しいし、中で祀りごとができるくらいの大きな立派な社殿である。これだけの資材を全部人力であの急な登りを担ぎ上げたのであろう。
頂上手前の鳥居の下からの福島市街地
 その社殿の後ろがまだ高くなているので踏み跡を辿ると、三等三角点の頂上にでる。展望は木々に遮られているが、西側に寄ると海と松前の白神岬が見える。特に休むほどのこともなく、戻ることにする。鳥居の向こうに福島の市街地が覗いていて、そこからは北側の展望が広がるが、大千軒岳は霞んで見えなかった(7)。

 急な下りは固定ロープを便りに、モノトーンの林の中に残っているカエデの紅葉を楽しみながら下る。傾斜がゆるみ植林地に入る分岐から、龍の左目・毘沙門天の方への道を30mほど進むと、湧穴(ほとんど浸み出ている程度)があり、毘沙門天の石仏が裸で設置されている。右目の不動明王はきちんとした社に祀られているのとでは、えらい違いである。分岐まで戻り、登山口を目指す。

 わずか1時間15分ほどの登山であるが、昔からの地元住民の信仰の山へお邪魔したような畏敬の念にも似た気持ちで登山口を後にした。途中の温泉はほとんど入っているので、木古内の泉沢から山の方へ5km入る枕木山荘という温泉に寄って汗を流す。500円(シャンプー・石鹸付き)で、冷泉を沸かしているらしいがこじんまりとしたきれいな温泉であった。

○このページを参考にして01,11,5に登ってきたというMaさんご夫妻@函館から寄せられたこの山の歴史に関する情報です。
〜登山口に戻ると70代の女性が畑にいたので挨拶すると、「あの山は女の神様がいて眼病の人たちが神社に篭って祈祷したという。また60年前は軍の施設があって、途中のお宮に水が出ていたでしょうあの水を使ったんだよ・・・今でもあの水は地元の人が護符を飲むとき使っている・・・」と教えてくれました。


「北海道山紀行・目次」へ     HOMEへ

inserted by FC2 system