5日目 4/16,ナムチェからドゥードゥコシ川の谷底へ下り、標高差600mの最終地点のタンボチェまで

ナムチェ発7:15〜9:45キャンズマ10:35〜12:00プンキテンガ(昼食)13:00〜タンボチェ着15:40(徒歩時間 6:40)
4198ピーク偵察登山(往復1:30) 

○谷間の急斜面を横切る水平道を進み、一旦谷底のプンキテンガへ下り、さらに600m登ってタンボチェへ
 
 今日は、いよいよ最終地点のタンボチェを目指す日である。朝から上空には薄い雲が広がっている。ナムチェの街から少し登り、ドゥードゥコシ川の谷間のはるか上の右岸斜面をトラバースするように続く水平な道を進む。進む先の展望はエベレストだけが雲に隠れて見えない状況である(1)

 高度順応を兼ねて、周りの眺望を楽しみながらのんびりと歩く。進む先の急斜面をトラバースする道の向こうに谷を挟んで、今日の目的地のタンボチェが見える。

 2時間半ほどで、明日戻ってきての宿泊地であるキャンズマのロッジ前に到着。後ろから来るメンバーを待つ間に、露店のお土産を物色する。可愛いいろいろな石がついたブレスレットを買う。

 そのロッジのすぐ下で、細い棘だらけの枝におよそ似つかわしくない取って付けたような大きな花を見つける。この木は下からずっと道端にあったが、花をつけていたのはこの枝だけである(2)。それから間もなくすると、十字路となる。それぞれに標識が立っている。左折すると「クムジュンへ」、直進すると「ゴーキョへ」、右折すると「タンボチェへ」である。ここは、まさに交通の要所なのである(3)

 さらに進むと、アマダムラムの手前の丘の上に今日のゴールであるタンボチェとそこまで斜めに登っていく道がはっきりと見えてくる(4)

 ジグを切る急な道を下り、ドゥードゥコシ川に懸かる吊り橋を渡ると昼食場所のプンキテンガである。この周りはシャクナゲの群生地で、さまざまな色のシャクナゲが咲き乱れている。道沿いの小さな川に沿って、水力で回るマニ車(5)の建物が並んでいる。

昼食後は標高差600mの登りが続く。初めはジグを切って高度を稼ぎ、やがて斜めのゆるい登りとなる。途中で分岐を間違って直進した二人の女性をシェルパが探しに戻るというハプニングもあったが、周りのシャクナゲの花々を楽しみながら休み休み登る。 

 右手には昨日まで重なって見えていたカンテガとサムセルクの荒々しい北西面が見えるようになる。そんな展望を楽しみながら、プンキテンガから3時間弱でタンボチェに到着(6)今日の宿はテンロッジゲストハウスである。

○夕食前に4198ピークの偵察登山 



 夕食まで2時間以上あるので、明日みんなで登る予定の4198ピークの偵察を兼ねて元気な徳島のOさんと長野のKiさんとFuさんを誘い、シェルパ1名をつけてもらって今日のうちに登ってみることにする。今は雲に隠れているエベレストだが、あわよくば夕日に輝く姿を見られるかも知れないとの淡い期待もあったからである。下から見上げると、ちょうど岩頭が乳首の形のいいおっぱいのように見えるので、勝手に「おっぱい山」と命名する(7)

 4000m地点にタルチョが長い綱で横に張られている。これが遠くから見たときに踏み跡に見えたものである。そこで一休みをしてさらに上に進むときに、私が踏み跡を間違えて、早めに左尾根へのトラバースを開始した。だんだん踏み跡がなくなり間違えたことに気づくが、下で見ているシャルパも何も言わないので、藪が薄いのに任せてそのまま進む。その時点で「4000mを越えたので満足です」と、女性二人が戻るという。申し訳ないがそこで別れて道なき斜面に不安顔のOさんと二人で先へ進む。

 間もなくして、左の尾根に取り付く手前で正規の道を発見する。尾根道に取り付いてまもなくOさんも戻ると言うので、仕方なく一人で頂上を目指す。1時間で頂上に着いて、下山しようと下を見ると、諦めたはずのOさんがシェルパと一緒に登ってくるので待つことにする。Oさんが戻ると言ったのは、目指すピークをもっと左上の小ピークと間違えて時間切れになると思ったかららしい。下を見下ろすと、この街道で最も大きいというゴンパ(チベット仏教の寺院)を中心としたタンボチェの村が見える(8)
 
 運がいいことに、下では雲に隠れていたエベレストがようやく手前のヌプツェの稜線の上から頭を出してくれた(9)。また、カンテガとサムセルクの白い峰も夕日を浴びて輝いている(10)

 大満足で下山を開始する。30分も掛からないで下に下りると、尾根の取り付き地点でツアーリーダーのKaさんが、「最後にエベレストだけに夕日が当たって輝くところを狙っている」とカメラをエベレストに向けて構えていたので、こちらもまねをする。

 夕日の当たる部分がだんだん上の方へ上がって行き、最後にエベレストだけを照らして金色に輝くところまでは行かなかったが、世界最高峰の日没ショーが終了する(11)

 ロッジへ戻り、夕食を摂る。歯を磨いて何気なく鏡を見ると顔が浮腫んでいるような気がする。手の指を握ってみると、多少そのような感じがする。それ以外の体調は軟便になっているのと、夜あまり眠られないくらいで特に気にはならないし、食欲もばっちりである。

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