延べ13日間の旅を振り返って

 ネパールヒマラヤを舞台としたトレッキングは
昨年のランタン谷に次いで2回目である。

昨年と違ったのは、
単独でツアーに参加したのと、
すべてが電気が引かれているロッジ泊で快適であったこと、
定番の人気コースなのでトレッカーの数も予想以上に多く、
奥にたくさん点在する集落の主要道路でもあるためか
村人や物資を運ぶポーターやゾッキョなどの往来が予想以上に多かったこと、
そして、ランタンに比べて沿道の住民の生活レベルが高かったことである。

2回目なので、
ヒマラヤの山々の景観や生活・文化などへの感動は
昨年の方が新鮮であったのはやむを得ない。

昨年の方がスタートからずっと森林限界の上を歩き、
自然いっぱいの中を常に真っ白な山や氷河などを間近に眺めながら歩いたのに比べて、
今回は、大きな集落も多く、文明の進んだ生活道路を歩いた感が強い。

しかし、なんといっても、
念願の世界最高峰やそれを取り囲む山々を眺めることができたこと、
あのような高地に多くの人々が大きな街を形成して暮らしている生活の営みが印象的であった。

ただ、残念なのは、
トレッキング終了後のネパール情勢(特にカトマンズ市内)である。
王政に不満を持つ政党や市民の大規模なデモやストライキが行われ、
軍隊との衝突もあったりで、外出禁止令が出され、ルクラで1日足止めを喰ったり、
カトマンズでは、ホテルに缶詰になったり、行動予定が突如変更になったりしたことである。


○ツアー全体の印象昨年の印象、行動パターン、装備等はここをクリック

 単独での参加であったが、アルパインツアーサービスのツアーへの参加は、昨年のヨーロッパアルプスも含めて、これで3回目なのと、たまたまツアーリーダーが顔なじみだったこともあり、全く不安はなかった。トレッキングの形態や1日の過ごし方も、ロッジ泊以外は、昨年のランタンと同じなので、これも不安はなかった。ただ、私以外は全員ネパールは初めてだったので、よりその印象はインパクトが強かったに違いない。

 今年の食事も昨年同様、日本料理がメインで、昨年も驚いたが、今年の方が、日本料理に掛けては、このエベレスト街道トレッキングスタッフの中で1コックがだということもあり、よりその真髄を極めた食事であったような気がする。ただし、やや、たんぱく質が足りないような感じも受けた。

○高度順応 

 一番心配なのは高山病である。しかし、昨年ほどは心配していなかった。それは、今年の行動高度が、ルクラが2800m、途中パクディン2600m、最高所は4198mと、昨年のランタンに比べて低かった(ランタンのスタートは3010m、最高所は4340m)からである。今回は、ダイアモックスの服用は控えてみた。また、我々のツアーは、女性が多かったこともあり、歩きのペースが昨年以上の超ビスタリーモードで、他のトレッカーやツアーにいつも追いつかれては抜き去られるペースであった(多分、一度も追い抜いたことはないはず)。

 結果的には、私は、昨年同様軟便だったことと、一番高いタンボチェにいたときに多少の浮腫みを感じたことくらいである。ただし、他のメンバーは下痢症状を訴える人が結構多かった。そんなこともあり、出される食事を帰りのナムチェまで常に完食していたのは、私ともう一人くらいであった。ただ、私もナムチェで飲んだビールが祟ったのか、ルクラヘ下りる日から下痢気味になってしまい、それが、帰宅してからもっと酷い状態で3日間も続いた。これは、高度障害なのか、水(常に煮沸してくれるが)が合わなかったのかはっきりしない。ただ、発熱や吐き気や腹痛を伴ったりしなかったのは幸いである。

11〜12日目へ  初めへ

「エベレスト・パノラマ・トレッキング紀行」のトップへ  HOMEへ

inserted by FC2 system