恵庭岳(1319.6m)  
<北東尾根ルート> 単独 山スキー  14,2,24 
A11,5,15の妻同行の7合目まで
@93,6,12のポロピナイコース
念願の山スキーで頂上岩峰直下まで登り、青い支笏湖や白いオコタンペ湖を見下ろす

登山
地 点
下山
 9:30
 9:40
11:15
12:45
駐車場
尾根取り付き
c950急斜面下
頂 上
14:30
14:20
13:30
13:15
[3:15]
所要時間
[1:15]

 支笏湖を取り囲むカルデラ壁の北西部に位置する活火山で、山体は溶岩ドームと多数の溶岩流から構成された急峻な形状である。溶岩流は支笏湖の湖中まで流入しており末端部では数10mから100m以上の厚さになっている、ある(1)

 アイヌ語でe-en-iwa(エエニワ、エ・エン・イワ)と呼ばれた。「頭が・尖っている・山」という意味で、山頂に巨石が聳えていて鋭く尖って見えることより名付けられた。このエエニワが転じて和名の恵庭となった。1883年の札幌県統計書には「千歳嶽」と記載され「一名恵庭山」との但し書きがある。陸地測量部(国土地理院の前身の一つ)発行の20万分の1地図には1893年までは「千歳嶽」と記されており、1926年の改訂版からは「恵庭嶽」となった。

 この山の山頂の岩塔の上に立ったのは、山を始めての2年目で、こわごわよじ登ったのが懐かしい。その後、一昨年に妻と一緒に7合目の爆裂火口の下の第一見晴台まで登っているがその上は雪で撤退した。今回は、多くの記録のある北東尾根から山スキーでトライした。

 北東尾根は、国道453号と冬期間は通行止めの道道78号支笏湖線(オコタンペ湖への道路)分岐から続いている。手前のカーブの地点に広い駐車場が用意されている。そこに車を置いてスタート。オコタンペ湖への道路は工事が行われているらしく、ゲート前の警備員が恵庭岳へ登ると言うと、通してくれた(2)

 工事のために除雪された道路を350mほど進んで、急な法面が切れた所から左側の尾根に取り付いた(3)期待したトレースはなかった。ところが、尾根の上に乗ったら、反対側の方から来たのであろうか・・・一昨日のものと思われる単独行のスキーのトレースが続いていた。GPSにルートを入れてきてはいるが、やはり心強いし、ラッセルが少しは助かる。。

 情報から予想はしていたが、意外と複雑な地形ですんなりと真っすぐ進ませてもらえないのがもどかしい。こちらの予定ルートとほぼ同じトレースを参考に進ませてもらう。


  大きなエゾマツの根元に、新しい木屑が山盛りになっていた。上を見たら大きな穴が開いていた。クマゲラかアカゲラの仕業であろう(4)。途中にピンクテープも見られる(5)。やがて、c720付近の正面に急な斜面が現れる(6)この尾根、地図で見ても、4段ほどの急斜面と緩斜面が繰り返される大きな階段状の地形である。トレースを辿りながらジグを切って登り切ると、再び緩斜面となる。


 やがて、左上に頂上岩塔が見える(7)しかし、進む尾根は右奥の標高点952まで進み、そこからほぼ直角に方向を変えて続いている。標高点952ポコの横の平坦な先に、急な斜面が再び現れる。地形図で見る限り、ここから1050mまでの急登が核心部のようだ(8)どこから取り付いたらよいかとトレースを探したが、どこにも見つからなかった。ここから戻ったのであろうか?仕方ないので、地形を見ながら、自分の判断で大きくジグを切って登って行く。


  やっとも思いで1050mの平坦な地形まで登り切る。目の前に目指す頂上岩塔とそれより迫力のある西稜の岩壁が見えてくる(9)ところが、950mで見えなくなったトレースがまた姿を現した。急斜面の部分は風で消えてしまっていたのだろう。そのトレースを参考に最後の急斜面をジグを切って登って行く。やがて、頂上岩塔の根元に到着(10)この岩塔、長い間、夏でも登頂禁止だったが、昨年から自己責任で登れるようになったらしい。しかし、夏でも怖いこの岩塔、今回は当初からこの上に立つきはさらさらない。トレースの主も登ってはいないようで、取り付き口すら分からなかった。


 無風快晴のこれ以上はないと思われるすばらしい大展望が広がっていた。後ろを振り返ると、漁岳から続く札幌近郊の山並みが見える(11)スキーを脱いで、岩塔横の支笏湖が見えるところまで登る。噴煙を2か所から上げる爆裂火口の下に不凍湖である青い湖面が広がり、幌平山、イチャンコッペ山、紋別岳などの外輪山が広がっていた。21年ぶりのそれも新鮮な冬の眺めだけに感動は大きい(12)


 反対側には小さな岩塔が立ち、その左下には白い湖面のオコタンペ湖、その背後には、小漁岳〜漁岳が連なる外輪山の連なり、さらにその左奥には羊蹄山も見えていた(13)記念写真を撮って(14)、下山開始。下山は、自分の滑りやすい斜面を選んで滑り降りたが、灌木が多くて、滑りを楽しめる斜面はほとんどなかった。地形も複雑ですんなりと滑らせてもらえない。GPSのトラックログからあまり離れないように安全第一で滑り下りた。
 
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