毒矢峰(885.4m) 
 天狗小屋コース 単独 ツボ足&かんじき 13,5,10 
手軽な雪山登山が楽しめる不気味な名前の人気の山へ
 
4:15 旧道路情報館駐車場発 
4:45 登山口(白井川二股)着 
登山
地点
下山
5:00
5:30
7:10
登山口
尾根取り付き
頂 上
8:30
8:05
7:15
[2:10]
「所要時間」
[1:15]


  定山渓の奥に位置する札幌50峰に入っているその名もおどろどろしい毒矢峰(1)・・・その由来は不明だが、トリカブトがたくさん生えているという説もある。「どくやほう」や「どくやみね」で通っているが、「ぶしやみね」という読み方もあるとか?登山道はないが、比較的手軽に登れる冬山として結構人気があるようで、ネット上の記録も多い。

 前日に無意根山へ登り、旧道路情報館駐車場で夜を明かす。5時に登山口となる白井川二股の天狗小屋を山スキーでスタート(2↓)厳冬期の雪がたっぷりある時期に比べて急な腐れ雪の尾根ではスキーの効率は良くなさそうなので、かんじきも持参した。残雪がたっぷりの右股川林道をスキーで進んだ(3↓)尾根取り付き手前の下り(帰りは登り返し)になるところで、あっさりスキーを諦めてデポし、ツボ足に切り替えた。

  橋を渡った正面の尾根が頂上へ繋がる南東尾根である(4)右の林道を少し進んだ斜度の緩いところから取り付いた。急な尾根だが、ツボ足でもほとんど埋まらないので、スキーでは不可能な直登が可能である。トラバース気味に尾根の上を目指す。


 尾根の上に登り切ったら、下りの滑り歩いたようなトレースが続いている。当初ツボ足の下りのトレースかと思ったが、それにしては大きい。よく見たら先端に爪の跡がある。これまで見た中で最大級のクマの足跡だ(5)おまけに2ヶ所ほどに糞も落ちている。あちこちの急斜面で滑っているが転んだ跡は見つからなかった。さすが4本足だ。その先もずっと尾根上に続くその足跡にに導かれる感じで登っていった(6)暫くお付き合いした足跡は、まもなく沢の方へと下っていた。


 標高830付近で、前日登った無意根山がはっきりと見える場所があった。昨日登った薄別コースとは反対側の元山コースの尾根の先に長尾山、さらに右へ連なる大沼山〜美比内山この稜線は06年2月の快晴のときに循環縦走をしているだけに懐かしい眺めだ(7)

 やがて、目の前に880のピークが見えてくる。そのピークを右からかわして頂上へ向かえるはずだが、そのかわす地点が良く分からない。スノーシューの古いトレースもそのピークへ向かっているので、登ってみるとその先が判るかも知れない。案の定、目指す頂上はその右手に下って続く尾根であることが判明。帰宅後、多くのGPSトラックログを見ても、ほとんどがこのピークに登って、向きを変えていることが判った。


 向きを変えて登って頂上へ続く尾根を行くと左手に白井岳が見え(8)、その左手に逆光の中にぞびえるヒクタ峰(左)と定山渓天狗岳(右)が見えてくる(9)その先のピークに赤いテープが2本ぶら下がっている。1本には「毒矢峰山頂」の文字が書かれている。しかし、頂上はもう一つ奥のピークのはずだし、頂上標識があるはずとGPSで確かめたら、やはりもっと先のピークであった。先ほど越えた手前のピークにしても、このピークにしても、頂上にしてもほとんど標高は変わらない。たまたま三角点を設置したピークを頂上としているようだ。

 やがて、本人の意向とは関係なく、何かと物議を醸している峰風さん作成の頂上標識が設置された頂上へ到着(10)

 ここ数年、この峰風さんの標識を見るたびに胸が痛む。実は、07年に原始が原から富良野岳に登った際、下山時に偶然一緒になり、私のことも知っていて会えたことに感激しておられた。年齢的に先輩ではあったが、意を決して本人にその物議のことを伝えたのである。本人は初めて耳にしたらしく、「道理で取り外されたり、捨てられたりしているわけが解りました。これからは止めることにします」と悲しそうな顔をされたが、気持ちよく受け止めていただいたことがあるからだ。そんなことを思い出した頂上でもある。

 頂上の樹間からは余市岳がちらっと見えていた(11)

展望もないので5分ほどで下山を開始。ひとつ目のピークは左からかわしすことができたが、その先にピンクテープがぶら下がっていたわけがようやく分かった。そこからかわすことができたのだったが、あまりにも急な斜面をトラバースする地点だったので、そのまま登ってしまったのだった。

 厳冬期だったら、尾根の左側の斜面が疎林帯でほどほどの滑降が楽しめる感じである。 

 林道沿いのカタクリの蕾(12)や雪解け水を集めてごうごうと流れる右股川を眺めて(13)、デポしておいたスキーに履き替えてゴールイン。

 3時間で往復できたら、この後、ヒクタ峰へも登る予定でいたが、昨日の疲れが思いの外残っていて止めることにした。この毒矢峰だけで十分満足だった。


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