大千軒岳(1071.8m)K
知内川コース〜銀座の沢  2名 14,5、10
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この時期ならではの残雪の詰まった2回目となる銀座の沢を詰めて、頂上へ。

3:30  函館発
4:45  林道ゲー前(登山口3km手前)
登山地点下山
4:55
5:25
6:20
7:05
7:25
---
8:15
8:40
ゲート
登山口
広河原
金山番所
千軒銀座
(銀座の沢)
千軒平
頂上
12:50
12:10
11:10
10:30
10:20
----
9:10〜9:40
8:55
[3:45]所要時間[3:55]
13:30 知内温泉(入浴)
15:00 帰宅

 この時期ならではの残雪の詰まった銀座の沢を登るのは、2008年の最初の大腸がん術後2ヶ月で登って以来2度目だ。今回もSHOさんからの誘いに乗っての出かけた。

 夜に会合が入っていたので、3:30に家を出た。知内川沿いの雨上がりの住川林道を進む。数日前に登ったmyuさんの情報通りに奥二股登山口の約3km手前でゲートが閉じていた。
 
 SHOさんはプラブーツだが、自分は前回、銀座の沢までの道で歩きづらかったので、今回はスパイク長靴で出発。ゲートを出発してすぐ先が橋の架け替え工事現場だった(1)そろそろ仕上げの段階で1週後の山開きまでには車の走行は可能なようだ。ただ、その先へ進んでいくと、あちこちに雪崩のデブリが道路を塞いでいた(2)来週の山開きまでに整備ができるのだろうか?ちょっと心配な状態だ。


 芽吹きの新緑や足元の花々を楽しみながら、約3kmの林道を30分で歩き、奥二股登山口へ到着(3)以前あったはずのトイレがなくなっていた。
 いよいよ川沿いの登山道へ入って行く。「狭戸(せばっと)」と呼ばれるところから高巻きの道となる(4)
 特に雪の残っているところや沢を横切るところのあちこちで崩れているところが多く、足場がおぼつかないので、慎重に通過する。


 何本もの沢を横切りアップダウンの多い高巻きが終わると、渡渉地点の「広河原」に到着(5)
 自分はスパイク長靴なので、そのまま渡渉できたが、SHOさんは持参した浅めの長靴に素足で履き替えて渡った。しかし、水が中に入って冷たそうだった。
 その後は、左岸の踏み跡をテープやペンキに導かれて進む。2時間ちょっとで金山番屋に到着(6)
 その先の二股を「こんなに近かったかな?」と思いながらも、千軒銀座と勘違いし、右の沢へ進もうとしたら、SHOさんに「ここでないよ。もっと上だよ。」と言われた。


 やがて、千軒銀座へ到着。左側から合流する「切戸の沢」の正面に見える前千軒岳が素晴らしい眺めだ(7)
 右側から合流する沢が「銀座の沢」。登山道はその中尾根に続いている。10日早かった6年前より雪が多く残っているような感じがする(8)


 標高550m〜950mまでの急な雪渓登りが続く。汗がほとばしり出る。雪が緩んでいるので、スパイク長靴でも心配ないが、SHOさんのプラブーツのステップの後を登って行く。上空の青空が美しい(9)。 この時期ならではの贅沢なコースだ。やがて斜度が緩み、稜線が近くなってくる(10)


 右側に延びる残雪の上を辿って行くと千軒平の少し山頂寄りの稜線に出た。あとひと月もしないうちに一面花々で覆われる斜面も、まだ殺風景な感じだ(11)
 最後の急な登りを詰めて、3時間45分で、この時期2度目、トータルで10数回目の頂上へ到着。まだ8:40という早い時刻と、風がないのがうれしい(12)


南側を振り返ると辿ってきた稜線の先に前千軒岳が見える。この時期ならではの残雪を抱いた眺めが新鮮だ(13)
東側には、燈明岳とその後ろに七ッ岳山群が流れるガスに見え隠れしながらも見えている(14)


 まだ殺風景な稜線場の道を辿って千軒平に到着(15)。この下では、予定の一つであったギョウジャニンニク採りに30分ほど興じる。
 いよいよ下山開始。SHOさんはこのために持参したというピッケルを使い、見事なグリセードを楽しむ(16)自分もストックを使って真似してみたが、長靴のスパイクが邪魔して思うようにできない。


 下って行くと、新緑で覆われた知内川の谷間の向こうに津軽海峡と知内山塊が見える(17)
 気持ちよく下った行ったら、とんでもないハプニング発生・・・「踏み抜いた、やばい!」・・・すぐに足が着くと思ったのに、背中に岩を感じながら、予想以上の深さまで落ちて真っ暗な川底に立った。頭上の穴以外は真っ暗な洞穴状態・・・どうやら3.5mほどの滝の下に落ちたようだ。「大丈夫?」とのSHOさんの声に、痛いところもないので「大丈夫です!」と答える。それでも、真っ暗な中でストックを探す余裕はあった。しかし、暗くて見つけることは出来なかった。
 さて、脱出方法を考える。垂直の滝の岩を登りたくても、1歩目の足場がない。上からストックだけが差し出されたが、それには届かない。下の岩に上がってリュックだけをようやく届くストックのリングに引っ掛けて持ち上げてもらった。リュックの中に補助ロープが入っているので、それを垂らしてもらった。岩と雪の下の木の枝を頼りに少し上まで自力で登り、最後は、補助ロープで引き上げてもらった。

 水量が少ないので流されることはなかったが、もし流されたらずっと雪のトンネルの中なので、助からなかったであろう。また、滝のところだったから登り返すことができたが、単なる川の上に被っている雪渓を踏み抜いたら、岸の崖の上は厚い雪で覆われているので、脱出することはできなかったであろう・・・・と思うと、不幸中の幸いで済んだことに改めて感謝した。
 落ち着いたら、臀部に痛みがある。落ちるときに岩にぶつけたのであろう。しかし、歩くことには支障はない。ストックは1本は雪面に落ちていたが、もう片方は、川の中に一緒に落ちたようだ。Fuさんの形見の新しいストックなので、稜線が花で覆われる頃にでもここまで来て探そうと思う。自分が踏み抜いて、上がってきた穴をカメラに収める。上(手前)から両足で滑ってきてそのまま落ちた跡が良く分かる(18)
 全身ずぶ濡れになったが、太陽が照って、暖かったお陰で寒さは感じることはなかった。ゴールするまでにはほとんど乾いていた。


 その後はびくびくしながら雪渓部分を下り終え、千軒銀座に到着。 あとは、オオバキスミレ、ニリンソウ、エゾエンゴサク。カタクリなどの花を楽しみながら下る(19〜21)


 林道沿いのエゾエンゴサクの見事な群生に感激し(22)天然シイタケもゲットして、無事スタート地点に戻った。8時間も歩いたのに、まだ12:50という余裕の時刻がうれしい。知内温泉に入って帰路に就いた。
今日の収穫物は今年最後となるであろうギョウジャニンニク、シイタケ、妻の好きなクレソン(23)


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