大千軒岳(1071.8m)
<知内川コース> 2名 11,6,13
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室蘭の岳友と一緒に、この花の時期には初の知内川コースから登り、雲上の花園を満喫

2:50  函館発
4:00 道の駅しりうち(合流)
4:20 奧二股登山口
登山地点下山
4:25
5:10
6:05
6:45
7:40
8:40
登山口
広川原
金山番所
休み台
千軒平
頂 上
12:25
11:25
10:50
10:20
 9:45
 9:25
[4:15]総所要時間[3:00]
13:00 知内温泉(入浴)
14:45 帰宅
 この山は「花の百名山」に選ばれ、時期を変えても多くの花を楽しむことができるが、やはり一番の見頃は6月10日前後である。何度も登っているが、やはりこの時期が一番多い。

 今回は、室蘭の岳友のなかよしさんが、知内川コースから大千軒岳にお初に登り来るというので、お付き合いすることになった。天気予報は「曇り後雨。雨は夕方から・・・}とのことだったので、早発ちの計画にした。4時に「道の駅しりうち」で待ち合わせ、登山口へ向かった。ここ数年は、大きな落石等で登山口まで車で入れなかったのだが、今年はすんなりと入ることができた。

○まずは、知内川コース沿いの道を・・・

 このコースの前半は、銀座の沢出合いで尾根に取り付くまでは知内川沿いの道を辿るのだが、広川原までは、大高巻きがあり、アップダウンが多いいのが特徴である。

 登山口をスタートし、少し林道を歩き、立派になった橋を渡る。川沿いへ下りて、右岸を行く。河畔林の中を抜けると、狭戸(セバット)と呼ばれる函状のところに出る(1)ここからアップダウンの激しい大高巻きが始まる。このアップダウンが前半の核心部である。

 遙か眼下に川を眺めながら進み、せっかく稼いだ高度を無駄にして、再び川沿いに下りたところが広川原・・・来るたびに流路が変わっている。今年は川原が狭くなっていて、川も真っ直ぐ流れている。ここには渡渉が待っている。これに備えて、二人はスパイク長靴でのお出ましとなったので、すんなりと渡ることができた。登山靴なら、靴を脱いで渡るか、しっかりしたスパッツで覆って石を伝って渡ることになるだろう(2)

 左岸の河畔林には、この松前半島が北限と言われているサワグルミの木が多い。スラッと真っ直ぐ伸びて丈が高いのが特徴である。それをなかよしさんが珍しげに眺めている(3)

 やがて、標高点362付近で大きく川は西側へ大きく屈曲する。そこにも屈曲点をカットするように2回の渡渉地点がある。そこを渡ったところで、結構強い雨が降ってくる・・・・「こんなに早く降るなんて、約束が違う!」・・・なかよしさんは、「無理しなくても良いです。また来ればいいのだから・・・判断はお任せします」と言うが、「断念は急ぐことはない。少し様子を見ましょう」と大きな木の下で雨宿り・・・20分ほどしたら、雨は上がってくれ、空が明るくなって来た。沢の正面に、雪渓を抱いた前千軒岳の稜線も見えてきて、うれしくなる。


まもなく、十字架の立つ「金山番所」へ到着。ここは、寛永16年(1639年)に、幕府の圧力に耐えきれなくなった松前藩によって、金山で働く106名の隠れキリシタンが処刑された悲しい場所である(4)

○ひたすら忍耐の標高差460mの急な尾根を登る

 金山番所から程なくして、銀座の沢出合いに出る。3年前の大腸癌の手術の2ヶ月後に、ここから雪渓の詰まった銀座の沢を詰めて頂上を目指したが、今回も、まったくの偶然だが、2度目の大腸癌手術のやはり2ヶ月後である・・・・不思議な縁である。


 そんな感慨を抱きながら、切戸の沢との間の尾根に取り付く。しかし、一度、切戸の沢へ下りて、支沢との間の尾根へと登り返す。ここからが緩むことのない急登が続き、後半の核心部である。しかし、ガスに覆われているので、暑さを感じないのが幸い・・・ブナ主体の新緑とガスの醸し出す幻想的な雰囲気がいい(5) 尾根のほぼ中間地点の「休み台」で休んでいると、バラバラと雨が落ちてくる・・・「またか?」と思ったが、「ここまで来たら、戻るわけにはいかない。」と言っていたら、直ぐに止んでしまった。
 
 岩に赤いペンキで「がんばれ」と書かれた「がんばれ岩」まで登ったら、雲海の上に出た。前千軒への稜線が見え、青空まで広がってくる。展望は諦めていたのに・・・・なかよしさんもうれしそう(6)。やがて、現れる雪渓を詰めると、千軒平は近い。雪を踏む足にも力が入る(7)


谷間を埋める雲海が演出する幻想的な風景を捉えたお気に入りの一枚をゲット(8)

○今を盛りと咲き誇る雲上の花園に酔う
 
 雨宿り等を含めて3時間15分で、一番最初のお目当てのシラネアオイの群落に迎えられて、千軒平に到着・・・ここからはお花の撮影を楽しみながらの稜線漫歩で頂上を目指す。

日本一の大群落と言われるシラネオアイ・・・これでもほんの一部
いつも楽しみにしていた白花の2株は、なくなっていた・・・盗られたか?


お気に入りの構図のシラネアオイの群落から望む頂上
なかよしさんは「オロフレ山に似ている」と話していたが、確かに・・・・!


千軒平を彩る一面のミヤマキンバイと稜線を横切るガスの流れ


今年は異常に多く目に付いたミヤマアズマギク・・・当たり年?


斜面を覆うエゾノハクサンイチゲ・・・バックは旧道コース上のピーク


雲海と日本海をバックに咲くシラネオアイ


一眼レフのカメラで撮影に夢中のなかよしさん

水滴を纏ってうつむくミヤマオダマキ

期待以上の天候と花に恵まれてご満悦の表情が最高!









こんな青空はまったく期待していなかった

雲海の上にくっきりと浮かぶ頂上から前千軒岳までの稜線

 全く期待していなかった天候も、みごとに晴れ渡り、何度見ても感動する稜線を覆う花々・・・大満足のうちに頂上に到着。千軒清水で汲んだ水で入れたコーヒーが美味い!

 平日にもかかわらず、我々が頂上にいる間だけでも、新道コースからは埼玉の3人、本州のご夫婦、北見の6人が登ってきた。この方々には、ぜひ千軒平までピストンするようにと勧めた。こちらの下山途中に戻ってきて、大いに感激と感謝をされた。このほかに旧道コースからは、東京からの15名ほどのツアー。知内川コースからは、小樽の女性2人と函館のご夫婦が登ってきて、結構賑やかだった。

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